劇的チップインバーディ締めの桑木志帆 申ジエとの最終日最終組対決も「大丈夫です!」
◇国内女子メジャー◇日本女子オープンゴルフ選手権 3日目(3日)◇宝塚ゴルフ倶楽部旧コース(兵庫)◇6185yd(パー70)◇晴れ(観衆8763人)
最終18番グリーン手前から、チップショットがラインに乗った。ボールは軽い下りスライスを描き、24yd先のカップに消えた。今季ツアー最多8763人のギャラリーを飲み込んだコースで、満員のスタンドで歓声が爆発した。桑木志帆は「震えました。むっちゃ気持ちよかったです」と千両役者のパフォーマンスを興奮気味に振り返った。
後続に2打差をつける、技ありのバーディ締めだ。「昨年から9番アイアンぐらいまで使っている」というアプローチで手にしたクラブはPW。ピンまで約3分の1でキャリーを出し、後はランニング。「しっかりパーで上がりたかったので、狙うより寄せる感覚だったんですが、完璧でした」。増えて来た引き出しを生かせた自分の選択の正しさがうれしい。
メジャーを制し、ポイントランキング1位を独走し、国内メジャー2冠に挑む。乗りに乗る23歳の強さを見せつけるムービングデーだった。「風があるし、グリーンも硬くなってスコアはあまり伸びない。予選2日を2アンダー、2アンダーと来たので、きょうも2アンダーを目標にしました」。それが4打差3位から出るゲームプラン。出だし5ホールで1つ伸ばし、我慢を重ねて12番(パー3)で“2アンダー”とし、通算6アンダーへ。そこで満足せずに加速した。
「リーダーボードはずっと見ながらプレーしていて。(通算7アンダーとした)14番では見られず、15番の2打目を打つ前に16番のボードが見えて」。その時点で首位タイに並んでいたことを確認後、167ydの2打目を5番アイアンでピン奥3.5mへ。それを沈めて通算8アンダーとし、単独首位に躍り出たことを確信した。
ラスト18ホールは、申ジエ(韓国)と最終日最終組で初めて回る。プレーペースに遅さがしばしば指摘される百戦錬磨のベテランだが「大丈夫です!」と断言。同組で回る選手のペースに「昔は飲み込まれていた」というが、8月に優勝した「AIG女子オープン(全英女子)」までの海外メジャー経験で多くを学んできた。「昨年のKPMG(全米女子プロ)ではメッチャクチャ遅い人と回って…。景色を見たり雑談したりして、自分のペースを守ることを覚えましたから」。それよりも「ジエさんは世界中で多くの経験を積んできた人。勉強になるし、楽しみです」と前向きにとらえ、逃げ切り劇のシナリオを実践する。(兵庫県宝塚市/加藤裕一)