演出なく「スンってスタート」 優勝後初ラウンドの西村優菜は安どのアンダーパー
◇米国女子◇ロッテ選手権 初日(1日)◇ホアカレイCC(ハワイ州)◇6530yd(パー72)
スタートホールのアナウンスはいつもと変わらなかった。On the tee now, from Osaka, Japan, Yuna Nishimura――先週の「アーカンソー選手権」で悲願の米女子ツアー初優勝を飾った西村優菜も、普段と同じようにティショットを放つ。
でも、サングラスの奥でちょっとは期待していた。「あまり気にはしてなかったんですけど、『そういえば(優勝経験者は)みんな“LPGAウィナー”って言われている。気持ちよくスタートできるかも』と思っていたんですけど…」。本大会は他の試合のように選手の紹介に枕詞を添える演出がない。「“スンっ”てスタートしてきちゃった」と苦笑いした。
少しばかりガッカリしても、1Wショットはドロー軌道を描いてフェアウェイ中央をとらえた。2打目も確実にセンターに進め、2m強のパットを沈めて1番(パー5)でしっかりバーディを奪取。3バーディ、2ボギーの「71」の足掛かりにした。
この日の午前中にスタートした組は、大雨に降られ、それによる2度の中断を強いられた。「再開した後に急に暑くなったりして、体力的に結構“来る”ラウンドだった」と振り返る。アーカンソー州からハワイへの移動には半日以上かかり、優勝争いのあいだに忘れていた疲労は遅れてやってきた。「1番手とは言わないまでも、半番手ちょっとくらいショットの飛距離が落ちていた。合わせるのが難しい」とチャンスメークに苦労した。
来シーズンの職場を失う不安を1大会で吹き飛ばし、2028年末までの出場資格を手にした。良くも悪くも気持ちに余裕が生まれそうで、「リセットされた感じ」だと心境を説明する。「シチュエーションは本当にガラっと変わったとは思うんですけど、1試合、1試合、頑張りたいのは変わらない」。ホールアウト後は、勝つ前と同じように次の日に向けた反省の時間が訪れた。
「自分の体とコミュニケーションしながら、最後まで集中力を切らさずにできたのは良かった」と自分を評価。「もうちょっと伸ばしたかった気持ちもある。長いクラブを持つところをしっかり耐えて、ウェッジで打てるところでバーディを取ってきたい」。スコアを快調に伸ばす上位を必死に追いかける。(ハワイ州エワビーチ/桂川洋一)