スタート2分前に「コースメモがない!」 勝亦悠斗はドタバタ“ダボ”発進から初V戦線に生き残り
◇国内男子◇ドラッグストア・コスモスカップ 3日目(3日)◇グランフィールズCC(静岡)◇7156yd(パー70)◇晴れ(観衆2442人)
勝亦悠斗は焦っていた。朝食を食べながら、3日目のピン位置をしっかり書き込んだはずのコースメモがない。あるとすればクラブハウスのロッカーだが、1番ティから戻ろうにも、すでに2分を切っているスタートには間に合わない。諦めて帯同キャディのメモに頼るしかないと悟った。「緊張していたわけじゃないんですけど、めちゃくちゃフワフワしていて…」。初めての首位で、初めての最終組。いきなりとんでもない落とし穴があった。
そして、1番でも難しいティショットを成功しながら、2打目を手前のガードバンカーに落として絶句した。「とんでもない“目玉”で。あの距離から、なんでこんなに埋まったんだっていうくらい、ボールがギリギリ見えるだけ」。目の前のラフに出すのが精いっぱいで、4オン2パットのダブルボギー。首位の座を明け渡した。
「きょうを予言するような(忘れ物の)スタートから…。ドタバタでした」と言ったが、早々に追いかける立場に変わったことでむしろ気持ちは楽になったという。ドローボールを的確にフェアウェイに置く本来の組み立てから、前半のうちに3バーディを取り返して1番のアンラッキーを帳消しに。12番から2連続ボギーを喫した後の14番もたくましかった。
悪い流れを断ち切るバーディが欲しいパー5で、ティショットを右のフェアウェイバンカーに入れる痛恨のミス。あごが近く、レイアップもほとんど距離を稼げなかったが、残り185ydから7Iでピンと同じ面をとらえて5mのバーディパットをねじ込んだ。所属先の社長をはじめとするお世話になった方々がコースに駆けつけ、アップダウンの激しいコースを4歳の長女・陽菜ちゃんも連日必死に歩いて応援してくれている。「気持ちが入りました」とこぶしを握るシーンを、地元静岡で見せられるのがうれしい。
最終18番も奥のカラーから8mほどを流し込むバーディフィニッシュで何とかパープレー「70」にまとめ、首位・岩田寛とは5打差の通算10アンダー2位。この日同組で回った45歳の技術に圧倒され、「脅威を与えられなかった」と悔しがるものの、最終日最終組にかじりついたことでリベンジの機会は残った。「あしたは落ち着いて、まずメモを忘れないこと。頑張ります!」と笑わせた明るいキャラクターを、もっともっとゴルフファンにアピールする絶好のチャンスだ。(静岡県三島市/亀山泰宏)