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ニューヘアスタイルの短髪ファウラーが番狂わせ!

話題は、実力とは別のところあったはずだった。前週「ノーザントラスオープン」の舞台リビエラCCに登場するや否や、周囲を驚かせたリッキー・ファウラー。その理由は、特徴的だった襟足をバッサリと切り、プーマのフラットキャップの中にすっかり収まるようになった短いヘアスタイル。周囲からは「15歳の少年みたいだ」と、ささやかれていた。

だが19日(水)に開幕した「WGCアクセンチュアマッチプレー選手権」初日。ヘンリック・ステンソン(スウェーデン)やロリー・マキロイ(北アイルランド)が順当に2回戦にコマを進める中、ファウラーは1回戦でイアン・ポールター(イングランド)を破り、“番狂わせ”に成功した数少ない1人となった。

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今大会に出場した64選手のうち、昨年までの成績ではマット・クーチャーが15勝3敗、ハンター・メイハンが15勝5敗、ルーク・ドナルド(イングランド)が17勝8敗といったように、マッチプレーを得意としているプレーヤーが何人かいる。ポールターも22勝11敗と高勝率。だがその数字以上に「ライダーカップ」などでの活躍が、マッチプレー巧者としてのポジションを確立していた。

ティオフを迎えるまでのファウラーの心境も大方の周囲のそれと同じ。相手は2010年大会のチャンピオンでもある。さらに自身の直近の出場試合は3戦連続予選落ち中だ。「下馬評が良くなかった?それはそうだよ。ポールターは圧倒的に強いと思われるに決まってる。客観的に見て、僕らのブラケット(4つのブロック)だったら、自分だって予想にポールターを選ぶ」。

ところが試合が始まると、4番のバーディで先行し、その後も快調にバーディを重ねて10番までに3アップ。前半はショットでポイントを稼いだが、13番(パー5)では最近の悩みのタネだったパターが光った。12メートルを沈めて会心のイーグル。その後、1ホールを残して2&1で勝負を決めてみせた。

かつての王者を相手にファウラーは「ただただ1ホール、1ショットに集中した」と精神状態を説明した。「ポールターを相手にしたらタフになるのは当たり前。4ホールで4アップ奪われて、一気にいかれる可能性だってあるさ。だからとにかく、毎ホールを丁寧にプレーしようと思った」

2回戦の相手は今季既に3勝をマークしているジミー・ウォーカーとなった。キャディのアンディも含め、ツアー参戦当時から親交のある選手の1人だという。また、同じブッチ・ハーモン・コーチに師事することも共通しており「友達と戦うのはキツイけど、一緒にいいプレーができたら」。

敵は横綱から、仲間へ。ファウラーの心理状態はどう動くだろうか。(アリゾナ州マラナ/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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