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脱げっていうけど、雨心配だったし・・・

2006/11/26 18:00

LPGAツアーチャンピオンシップ最終日、朝から降っていた雨は徐々に小降りになり、最終組が6番ホールに来る頃には、上空には明るい太陽が顔を出していた。このホールでもバーディを奪い、ここまでスコアを2つ伸ばしている横峯さくらが、近くにいた運営スタッフに「天気大丈夫ですかね?」と聞いている。途中、上は脱いだものの、まだ下はレインウェアを履いている。それを脱ごうか脱ぐまいか、迷っているのだ。

前日の第3ラウンドでは、6番までに3つスコアを伸ばしていた横峯は、次の7番ホールでダブルボギーを叩いている。ちなみに7番のティグラウンド脇には、選手用の小屋があり、昨日はそこに立ち寄った。

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「雨でもいいから脱げ」という父に対し、「脱げっていうんだけど、雨心配だったし……」という横峯。

こんな話を聞いたことがある。麻雀を生業とするある人物が対局場に向かって歩いている時、道路にこぶし大の石が落ちていた。その人はチラッと見て、「なんか危ないな」と思ったが、そのまま歩いた。しかし、どうしてもその事が気になって、途中で引き返して、その石を拾って道路脇によけたという。勝負の場で、無用な意識が入ってくるのを事前に防ぐということだそうだ。

横峯は、結局そのままの格好でプレイを続けた。そして、7番、9番とバーディを獲り、諸見里しのぶを突き放す。

終盤、14番のティショットを右に曲げた諸見里のボールは木の根っこの間に止まってしまう。ここからはフェアウェイに戻すだけで、このホールをボギーとすると、続く15番で3パット、そして17番では4オン3パットのトリプルボギーと崩れていく。

一方の横峯は、15番で同じく右に曲げ林に打ち込むが、運よく前が開けていて、軽くスライスを掛けてグリーンを捉えると、4mのバーディパットを沈めるスーパープレイ。これで4打差となり余裕が出来たのか、ようやくレインウェアを脱ぐと、次のホールでボギーを打った…。

しかし、既に勝負は決していた。横峯は最後には晴れ上がった空の下、自身初のメジャータイトルの栄冠に浴した。(編集部:今岡涼太)

今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール

1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka

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