単独首位にキム・ヒョンソン 石川遼は3差3位で最終日へ
2014年 中日クラウンズ
期間:05/01〜05/04 場所:名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知)
半世紀前と変わらない「中日クラウンズ」の魅力
日本国内のスポンサー大会としては最古の「中日クラウンズ」は、1960年にここ名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(当時は6,535ヤード/パー70)で第1回大会が開催され、中村寅吉が277ストローク(通算3アンダー)で優勝した。
2000~10年頃にかけて幾度かのコース改修が行われたが、昨年の第54回大会は第1回と比較して総ヤード数が10ヤード伸びただけ(6,545ヤード)でパー70は変わらず、優勝スコアも松村道央が記録した278ストローク(通算2アンダー)と、半世紀前とほぼ同じスコアでの決着となった。
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その間にゴルフクラブはパーシモンからメタル、そしてチタンへと変化し、ボールも大きく進化した。米国PGAツアーのデータを見ると、1980年の平均飛距離1位はダン・ポールの274.3ヤードだが、昨年1位のルーク・リストは306.3ヤード。ここ34年で30ヤード以上伸びている計算になる。
当然のことながら、新しく作られるコースは総ヤード数を長くする傾向にあり、和合コースは昨年の国内開催コース中では最短で、平均(7,155ヤード)よりも600ヤード以上短かった。それでも立派に、というよりも多くの選手やギャラリーからより一層愛されるコースとして、和合はツアースケジュールの中でその地位をさらに盤石なものにしようとしている。
昨年大会の4日間のギャラリー動員数は36,599人で国内23試合中の最多を記録した。今年もここ3日間で28,195人が訪れ、昨年を2,490人上回るペースで推移している。
リーダーボードを見てみると、石川遼、近藤共弘、I.J.ジャン、今野康晴、松村道央といった歴代チャンピオンが優勝争いに名を連ね、鈴木亨、桑原克典といったベテラン勢も上位をうかがっている。飛距離だけではない、技術や経験が必要なコースだからこその顔ぶれと言えるだろう。
米国オーガスタで開催される「マスターズ」でも、毎年フレッド・カプルスやベルンハルト・ランガーといったベテランが上位に浮上し、1打ごとにパトロンの喝采を浴びながらプレーしている。コースを知り、経験を積むことで飛距離全盛の時代に対抗する。そんなゴルフならではの面白さ、分厚い戦いを生みだしていくのが、歴史ある不動のトーナメントの魅力と言えるだろう。
かつては「東洋のマスターズ」と呼ばれていた今大会。さすがに、今の時代にその呼び名を持ち出すのは気恥ずかしさを覚える。だが、改めて55回目を迎えた「中日クラウンズ」の歴史と伝統に敬意を払い、遠い昔に思いを馳せてみるのもゴルフの楽しみ方の1つだと思う。(愛知県東郷町/今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka
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