【コラム】思いもかけないところで若手の“餌食”になったS.K.ホ
2012年 中日クラウンズ
期間:04/26〜04/29 場所:名古屋ゴルフ倶楽部 和合コース(愛知)
男子ツアー 今年も強そう 韓国勢
愛知県の名古屋ゴルフ倶楽部・和合コースで開催された国内男子ツアー第3戦「中日クラウンズ」は、I.J.ジャン(韓国)が逆転でツアー通算2勝目を飾った。
2004年の韓国ツアー賞金王は、翌年の日本ツアー参戦後、わずか5試合目の「三菱ダイヤモンドカップ」で初勝利をマーク。これは日本ゴルフツアー機構(JGTO)が発足した1999年以降、当時の最速記録だった。しかしその後は低迷が続き、2008年には賞金ランク86位となりシード権を喪失した経験もある。それだけに39歳になったベテランは、後輩たちがスターダムにのし上がるのを、何度も横目で見ていた時期を振り返り「優勝の気持ちを忘れてしまっていた」と喜びを噛み締めた。
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今週はお隣、韓国の仁川では欧州ツアー「バランタイン選手権」が開催された。日本ツアーの歴代賞金王であるベ・サンムン、キム・キョンテのほか、昨年の「関西オープン」を制したチョ・ミンギュ、未勝利ながら賞金ランク18位に入った実力者キム・ドフンらは母国でビッグタイトルをかけて戦っていた。その一方、この中日クラウンズでも上位10人の中に、韓国勢4人がランクイン。シーズン序盤に早くもそれぞれが存在感を光らせる結果となった。
今シーズン、日本ツアーを戦う同国出身のツアープレーヤーは24人。その中で、1973年生まれのS.K.ホと、このジャンが最年長で「一番オジサンです」とジャンは笑う。彼らは昨シーズンから、優勝者を祝う食事会を開いており、同選手曰く「S.K(.ホ)が会長で、ドンファンが部長」だそう。「去年はベ・サンムンが3回も優勝するし、お金がかかってしょうがなかった」と、後輩たちの活躍ぶりにもちろん大きな刺激を受けていた。
ジャンの初優勝時の05年当初、韓国人のツアープレーヤーは10人だった。力強い仲間たちに囲まれて味わう今度の勝利の美酒は、7年前とは少し違うはずだ。(愛知県東郷町/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw