バーディ数は1位 中島啓太は史上5人目のアマ優勝ならず
2020年 ダンロップフェニックストーナメント
期間:11/19〜11/22 場所:フェニックスCC(宮崎)
男子もついに新時代の兆し?国内ツアーで大学生アマが奮闘中
◇国内男子◇ダンロップフェニックストーナメント 事前(18日)◇フェニックスカントリークラブ(宮崎)◇7042yd(パー71)
今週のフィールドには4人のアマチュア選手が名を連ねている。東北福祉大の米澤蓮(3年)と杉原大河(3年)、日体大の河本力(3年)と中島啓太(2年)。4人とも今季の国内ツアー出場は3試合目で、4人合わせてトップ10入りも3度ある。
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「金谷先輩のおかげで、いまアマチュアは熱いです」と、前週3位に入った中島の鼻息も荒い。一足先にプロ転向した金谷拓実の背中を追うように、後輩たちも奮闘している。
世界アマチュアランキングで米澤(13位)に次ぐ日本勢2番手(15位)につける中島は、「三井住友VISA太平洋マスターズ」3位の成績でジャンプアップが見込まれている。「今夜ランキングが更新されるので、それがめちゃくちゃ楽しみです」と、同ランキングは試合に挑む大きなモチベーションにもなっている。
国内女子ツアーを賑わすプラチナ世代とも同学年で「(1学年下の)笹生優花も高校の後輩で一緒にアジア大会で金メダルを取ったし、(プラチナ世代の)西村優菜さんや古江彩佳さんもすごく活躍されている。僕のことを覚えていてくれているのかなって思いますね」とおどけたが、女子同様に、男子アマにもお互いがしのぎを削る相乗効果が生まれ始めているようだ。
一方の金谷は、今季参戦した国内ツアー3試合ですべてトップ10フィニッシュと貫禄を見せている。それでも「うーん、どの試合も優勝しようと思ってやっているので…」と納得はしていない。苦手意識があるという初日のプレーを課題に挙げ、「トップ10が1つの基準。どの試合でも基本的にはアンダーパーで回りたいと思っているけど、できてない」と先手必勝で4日間を戦い抜く戦略だ。
この日、金谷は東北福祉大の後輩たちと練習ラウンドを行った。プロになったが「(変わったのは)アマチュアマークが消えたことくらい。順位を見たとき見つけづらくなったなと思います」と記者たちを笑わせた。だが、金谷プロと大学生アマを隔てる見えない壁はそこにある。
「自分はまだそんなに高いレベルには行っていない」と中島はいう。「先週はしっかり良い準備ができて、最高のパフォーマンスをして、あそこまで行けた。自分がやるのは自分と戦っていくこと」と足元を見る。そうだとしても、目指す目標と競う相手が揃ってきた国内男子に、若手成長の土台が整いつつあると言えるだろう。(編集部・今岡涼太)
今岡涼太(いまおかりょうた) プロフィール
1973年生まれ、射手座、O型。スポーツポータルサイトを運営していたIT会社勤務時代の05年からゴルフ取材を開始。06年6月にGDOへ転職。以来、国内男女、海外ツアーなどを広く取材。アマチュア視点を忘れないよう自身のプレーはほどほどに。目標は最年長エイジシュート。。ツイッター: @rimaoka