昨年優勝のダフナー 頸部椎間板ヘルニアで棄権
2014年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/07〜08/10 場所:バルハラGC(ケンタッキー州)
ウェストウッドが首位タイの好発進
「全米プロゴルフ選手権」初日は、自身のメジャー最小スコアタイとなる「65」でラウンドしたリー・ウェストウッド(イングランド)が、米国のケビン・チャッペルとライアン・パーマーと並び首位タイに立った。
しかし、3連勝を狙う「全英オープン」王者のロリー・マキロイ(北アイルランド)が1打差につけており、不気味な存在となっている。同じ欧州勢のヘンリック・ステンソン(スウェーデン)、エドアルド・モリナリ(イタリア)、クリス・ウッド(イングランド)と、かつて「全米オープン」を制した米国のジム・フューリックも、マキロイと並んでいる。
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世界ランキング1位のマキロイは、2打目をフックさせてOBとした10番で7打のダブルボギーをたたいた。3パットした11番でもボギーとしたが、そこから4ホール連続でバーディを奪って盛り返し、18番でもバーディを奪った。
「あれは本当に腹立たしかった」とマキロイ。「実際、あの2打目はちょっとショックだった。ここ数週間で最低のショットだったからね」。
「あれで調子を崩してしまったけれど、そこからの立て直しは上出来だった。本当に必要な盛り返しだった。終盤もう少しパットが入っていれば、あといくつかスコアを伸ばせたけど、『66』でも堅調な滑り出しだ」。
フィンランドのミッコ・イロネンは、首位からの2打差の「67」で初日を終えた。「ライダーカップ」出場を目指すイアン・ポールター、ジュースト・ルイテン、ショーン・ローリーがさらに1打差でつけており、欧州代表チームのキャプテンを務めるポール・マギンリーにとってはほおが緩む展開となっている。
対照的に、マギンリーの対戦相手である米国キャプテンのトム・ワトソンにとっては、幸先の良いスタートとはならなかった。タイガー・ウッズが初日「74」と出遅れたほか、既にグレンイーグス行きを決めているマット・クーチャーが背中の怪我でプレー前に欠場を余儀なくされ、ディフェンディングチャンピオンのジェイソン・ダフナーも10番ホールを終えた時点で、首の負傷により棄権した。
ウェストウッドは4大会連続で予選落ちを喫していたが、予選カットのなかった先週の「WGCブリヂストンインビテーショナル」では、最終日を「63」でラウンドした。
先週からの好調をルイビルでも発揮。1番ホールこそティショットをフェアウェイのディボットに入れてダブルボギーをたたいたが、終盤6ホールでの5つのバーディなど計9バーディを奪うラウンドを披露した。
ウェストウッドの「全米プロゴルフ選手権」でのベストスコアはこれまで、オークヒルで開催された昨年大会の初日に出した「66」だった。ウェストウッドは「僕にとって、先週が大きかった」と述べる。
「不振を脱したように感じたし、スイングも断然良くなった。それを良いスコアに結びつけていかないといけないけれどね。(先週の)3日目までのラウンドはフラストレーションがたまった。プレーの内容自体は、通算3オーバーという成績よりも良いものだったから」。
「最終日に『63』を出して状況が好転した。ここでの練習ラウンドは、できるだけ抑え目にプレーした。一日9ホールのプレーにとどめて、先週の勢いを初日にぶつけようとし、それがうまくいった」。
週初めの練習ラウンドではチャッペルとの賭けに負けたウェストウッド。(首位に並んだ)2人は、2014年にメジャー優勝を果たしたバッバ・ワトソン、マーティン・カイマー、ロリー・マキロイがいずれも、初日を終えた時点で2位以内に入っていたという縁起にあやかりたいと思っているだろう。
世界107位のチャッペルは、米PGAツアーの優勝経験はなく、今季トップ10入りしたのはわずか1回だけだ。一方、ウェストウッドはメジャー未勝利ながら、これまで66回の出場で3位以内に8回入っている。
昨季の「レース・トゥ・ドバイ」王者のステンソンは、スカンジナビア半島出身の選手として初のメジャー制覇を狙う。池に落とした15番で唯一のボギーをたたいたほかは、6つのバーディを奪う好調な出だしとなった。
「今日はパットのできに一番満足している」とステンソン。
「良いプレーができたと思う。戦略的なラウンドだった。良いティショットもあったし、ア
イアンショットも良かったけど、今日のラウンドが好調だった一番の要因はグリーンでのパフォーマンスだ」。
「良いスタートを切り、初日に良いスコアを出すのはいいものだね。初日で勝負が決するわけではないけれど、試合を思うように進められるようになる」。
モリナリは2010年の「ライダーカップ」で勝利した欧州代表のメンバーだったが、それ以降は怪我に悩まされてきた。
しかしながら、「アイルランドオープン」で2位、「全英オープン」では7位タイに入り、復活ののろしを上げた。今週も好調を保ち、初日を7バーディ、2ボギーでラウンドした。
「とても良いラウンドだった」とモリナリ。「パターが良い感じだね。アイアンショットは良かったけれど、ティショットには少し苦しんだ。ただ、幸運にもコースはそれほど厳しくなくて、ダメージを被るには至らなかった」。