第100回フランスオープンの知っておくべきアラカルト
「BMWインターナショナルオープン」が開催されたドイツでの忘れ難き1週間を経て、ヨーロピアンツアーは国境を越え、「第100回フランスオープン」の開催地であるパリへと向かう。ここに、この大会について貴方の知っておくべき全てをお知らせしよう。
2015年大会を振り返る
昨年は、ル・ゴルフ・ナショナルのアルバトロスコースでの週末に見事なパフォーマンスを披露したオーストリアのベルント・ヴィースベルガーが大会を制し、ヨーロピアンツアー3勝目を挙げた。2日目を終え、首位タイに立っていたラファ・カブレラベロー、ビクトル・デュビッソン、そしてマルティン・カイマーを2打差で追っていたヴィースベルガーは、その後の2日間を「66」と「65」でラウンドし、通算13アンダーとしてイングランドのジェームス・モリソンに3打差をつけて勝利した。この大会で2位に入ったモリソン、3位に入ったジャコ・ヴァンジル、そして5位に入ったカブレラベローはその年セントアンドリュースで開催された「全英オープン」の出場権を獲得した。
一口サイズの大会史
ヨーロピアンツアーが設立された1972年以来ツアーのスケジュールに組み込まれ続けている「フランスオープン」は、今年、記念すべき100回目の開催を迎える。1972年以降で、この大会の連覇に成功しているのは、ピーター・オースターフイス(1973-74年)、セベ・バレステロス(1985-86年)、サー・ニック・ファルド(1988-89年)、ジャン・フランソワ・レメジー(2004-05年)、そしてグレーム・マクドウェル(2013-14年)の5人。大会最多勝はバレステロスの4勝。そして、1972年以降、9人のメジャー王者(バレステロス、ファルド、レティーフ・グーセン、カイマー、ベルンハルト・ランガー、サンディ・ライル、マクドウェル、グレッグ・ノーマン、ホセ・マリア・オラサバル)が大会制覇を果たしている。
2016年大会のフィールド
ロリー・マキロイは今週、ヴェルサイユへと向かう豪華フィールドに含まれる8人のメジャー優勝経験者の一人。彼の他には、「マスターズ」王者のダニー・ウィレット、「ライダーカップ」欧州代表キャプテンのダレン・クラーク、パドレイグ・ハリントン、カイマー、マクドウェル、マイク・ウィア、そしてY.E.ヤンが今週パリでティアップする。フィールド中、この大会で優勝を経験しているのはカイマー、パブロ・ララサバル、マクドウェル、マルセル・シーム、グレーム・ストーム、そしてヴィースベルガーの6人。地元フランスからは、ビクトル・デュビッソン、「全米オープン」で健闘したグレゴリー・ボーディ、アレクサンダー・レビ、そしてガリー・スタールらが出場する。一方、共にかつての世界ナンバーワンであるルーク・ドナルドとリー・ウェストウッドもフィールドに名を連ねている。この他、世界のトップ50からは、キラデク・アフィバーンラト、アンディ・サリバン、そしてクリス・ウッドがフランスの首都へと向かうことになる。
コース
ル・ゴルフ・ナショナルのアルバトロスコースでこの大会が開催されるのは今年で25回目となるが、コースは2018年の「ライダーカップ」開催へ向け、昨年の大会以降、この1年間で広範囲に及ぶ改修が行われた。1990年に開場したウーベル・シェスノー設計のコースは全長7247ydとなっている。コースレコードは2005年にエドアルド・ロメロがマークした「62」の9アンダーで、カイマーも優勝した2009年に同スコアを記録している。
鍵となるデータ
・1906年に始まり今年で100回目の開催となる「フランスオープン」は、大陸ユーロッパでは最古のナショナルオープンである。
・一世紀の節目を迎える第100回「フランスオープン」は、「ライダーカップ」世界ポイントリストと欧州ポイントリストの両方にポイントを供出し、2016年の「レース・トゥ・ドバイ」では2大会分に換算される。
・今大会でトップ12入りした選手で、「全英オープン」の出場権を持っていない上位4選手には、来月ロイヤルトゥルーンで開催される「全英オープン」への出場権が与えられる。
・ヨーロピアンツアーに組み込まれて以降の「フランスオープン」での最小スコアは1985年大会を制したバレステロスの「263」(通算21アンダー)で、ル・ゴルフ・ナショナルでの最小スコアは2008年大会を制したララサバルの「269(通算15アンダー)」となっている。
・最後にプレーオフで勝敗が決したのは2010年大会のことで、この時はプレーオフ1ホール目でミゲル・アンヘル・ヒメネスがアレハンドロ・カニサレスとフランチェスコ・モリナリを下している。