クッツェーが単独首位に浮上 川村昌弘は後退11位
2015年 アフラシアバンク・モーリシャスオープン
期間:05/07〜05/10 場所:ヘリテージGC(モーリシャス)
クッツェーが1打リードの首位に浮上
フェアウェイからのチップインでイーグルを奪うなど、フロントナインで目覚ましいパフォーマンスを見せたジョージ・クッツェーが首位で「アフラシアバンク・モーリシャスオープン」の最終日を迎えることとなった。
今季はホームコースのプレトリアGCで開催された「ツワネオープン」で既に優勝を飾っている28歳のクッツェー。前半を「30」で回るなど、3日目を6アンダーの「65」でラウンドし、通算11アンダーとして3日目を終えて首位に躍り出た。
<< 下に続く >>
その1打後方には南アフリカの同胞、トーマス・エイケンと前日まで首位のトービヨン・オルセンが続いており、ヘリテージGCでの最終日は手に汗握る展開が期待される。
オルセンから4打差でこの日をスタートしたクッツェーは、2番で長いバーディパットを決め、1オン可能なパー4の5番では寄せワンでバーディを奪うなど、前半終了時点で首位の座を奪うことに成功した。
この日はティショットに多くの問題を抱えた25歳のオルセンは、クッツェーが7番でチップインイーグルを奪い、短いパー4の9番ではバンカーからの寄せワンバーディを奪って前半を「30」で折り返した時点で首位の座から陥落した。
後半に入ると一転して堅実なゴルフを披露したクッツェーは、8メートルのバーディパットを沈めた14番以外はすべてパー。ヨーロピアンツアー2勝の彼は、自身最高のゴルフができているわけではないと感じながらも、首位に立ったことに喜びを見せた。
「コースから去る際、マネージャーに、どうしてきょうのゴルフでアンダーパーが出たのか分からないと話したのだけど、明らかにこのコースは僕との相性が良いようだね」とクッツェー。「とにかく『65』は上々だ。とてもハッピーだけど、バックナインでは自分で状況を難しくしてしまった」。
「バックナインではいくつか緩慢なティショットを打ってしまった。そうなると次のホールのティショットでプッレシャーがかかるものだし、その次でもプレッシャーを感じてしまう」。「それでも終盤はショットが良くなったから、そこまで気にせずに済むようになった。もしかしたら、後半は風が出て来たから難しくなったのかもしれない。ほとんどのショットは風に向かって打つような状況になったからね」。
「折り返しまでは良い感じだったし、このコースの良い点は、終盤に無理をしなくていいところなんだ」。「僕は自分に『単に良いプレーをして1つか2つバーディを奪えば、無理強いしなくても良いスコアが出せるぞ』って言い聞かせたんだ。それで幸運にも『65』が出せたから、最終的なスコアには満足しているよ」
完ぺきではないとはいえ、クッツェーの抱えるドライバーショットの問題は、オルセンのそれと比べれば取るに足らない問題と言えるだろう。ティショットでミスを繰り返したオルセンは、ショートゲームで持ち直して、この日のスコアを1アンダーの「70」にまとめた。
昨年末にパースで優勝を飾ったオルセンは、手の手術による約3カ月間の戦線離脱を感じさせない始めの2ラウンドだったが、この日はドライバーの正確性を欠いた。2打目でグリーンをショートした1番でボギーを叩くと、ティショットを排水溝に打ち込んだ4番を何とかボギーで凌ぎ、9番ではティショットを池に入れてこのホールもボギーとした。14番ではティショットを3回打ち直す場面があり、その3打全てでフェアウェイを外すも、木々に打ち込んだ始めのショットを発見すると、そこからほとんど見込みのなかったパーをセーブした。
それでも25歳のオルセンは、10番で4.5メートル、続く11番では6メートルのバーディパットを沈めるなど、冴えわたるパットでスコアをまとめ、見事な2打目のショットでピン側1.5メートルにつけた16番でもバーディを奪った。
「今日のパーセーブにはちょっとびっくりですね」とオルセン。「もうプレーしなくていいのが良いですね。きょうはまったく良くありませんでしたから」。「とにかく脱出口を見つけ、できる限り良いスコアにまとめるよう努めました。ひどいティショットをいくつも打った」。
「14番でのパーセーブは信じられないものでしたし、17番でのパーセーブも驚きでしたね。今日はタフなラウンドで、集中力と自己信頼を求められました」。「ティショットがとにかくひどかったですね。全然駄目でした。一晩で何かつかむことができれば良いですが、そうでないとあしたは長いラウンドになりますね」。
「今日のプレーでも首位と1打差なのですから、これ以上は望めませんよ。まだ優勝争いに残っていますし、明日は勝つチャンスが十分にあります。何とかティショットをフェアウェイに運べるようにしないといけないですね」。「今日のようなプレーをしていると、コース上にいるのさえ簡単ではない。だから自分を誇りに思います。ベストのゴルフをプレーしたいと思っても、思うように行かないとなかなかタフですから」。
エイケンは昨年、妻のケイトさんがキャディを務めた「アフリカオープン」でヨーロピアンツアー3勝目を飾ったが、この組み合わせがまた奏功しているようだ。今大会もケイトさんがバッグを担ぎ、エイケンはこの日1番でボギーを叩くも、5番からの5ホールで4つのバーディを奪って盛り返した。その4バーディは、すべてピンそば3メートル以内につけた卓越したアイアンショットによるところが大きい。
バックナインは2バーディ、2ボギーとしと31歳のエイケンは、一日の仕事に満足している。「今日は安全に行きながらもスコアを伸ばせたから、全体的には満足しているし、あしたへ向け良い位置につけることができたね」「明日は天気が一役買い、それなりに試練のゴルフになればと思っている」「ジョージ(クッツェー)は良き友だから、明日は彼とコース上でバトルを繰り広げられるのがいいね」。
「彼はきょう、素晴らしいゴルフをしたから、あしたは楽しい一日なるだろう。タフなホールがあるし、天気次第では見応え十分な一日になるだろうね」。
通算8アンダーの4位にはシンガポールのマーダン・ママットがつけており、その1打後方には初日首位タイのカルロス・ピエムを含む4人が続いている。