3打差4位の宮里優作 “心の青いレンズ”で逆転なるか
2002年 日本オープンゴルフ選手権競技
期間:10/17〜10/20 場所:下関GC(山口)
佐藤信人は一歩後退。D.スメイルと金鐘徳が6アンダーで並んだ
第67回の日本オープンも、いよいよ決勝ラウンドに入った。61名のプロゴルファーと、5名のアマチュアが、下関ゴルフ倶楽部を舞台に戦いを繰り広げている。
予選2日間、予想された強風は姿を見せず、3日目は朝から雨が降ったが、風は出なかった。それでも、日本オープンというコースセッティングに選手たちは苦しんだ。この日アンダーパーを出したのは7人しかいなかった。
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2日間首位を守った佐藤信人は、スコアを2つ落としてしまい、5アンダーで3位に後退。変わって首位に立ったのは、ニュージーランドのデビッド・スメイルと、韓国の金鐘徳の2人だった。
3アンダーからスタートしたスメイルは、前半に3ストローク伸ばし、12番でもセカンドショットをピン横2メートルにつけてバーディ。この時点で7アンダーの単独首位に立った。完璧なプレーが続いていたが、224ヤードと距離のある17番パー3で、ティショットをグリーン左のバンカーに入れてしまった。セカンドショットでピンを10メートルほどオーバーしてしまい、返しのパーパットは惜しくも外れてしまった。
「今週は、すごく良いプレーができたのでうれしい。明日もチャンスがあれば狙いたい。ニュージーランドオープンに勝っているので、是非もう一度ナショナルオープンに勝ちたいですね。自分にプレッシャーをかけないで、1つ1つに集中してプレーしたい」
そして、初日から佐藤をぴったりマークし、この日もイーブンパーにまとめた金は、1999年のよみうりオープン以来の優勝を狙う。
この日の金は、スタートの1番で幸先の良いバーディを奪ったが、3番ホールでギャラリーの雑音に気を取られボギーを叩いた。これが尾を引き、続く4、5番でも連続ボギーで4アンダーまで後退してしまった。
しかし、その後は粘り強さを発揮し、13番でバーディを奪うと、最終18番では、セカンドショットをグリーン奥から傾斜とスピンを利用して30センチに寄せた。これを確実に決めて6アンダー首位でホールアウトした。
首位と1打差の5アンダーに佐藤信人がいるのだが、佐藤にもギャラリーの横槍が入った。16番パー4、ティショットの構えに入ろうとした、その時に携帯電話の着信音が鳴り響いたのだ。
一度仕切りなおしてショットを行い、このホールでこの日初めてのバーディを奪うことができたが、一歩間違えば、金のようにスコアを崩す原因にもなりかねない。
さらに1打差の4アンダーには今野康晴が浮上してきた。今シーズン2勝している今野が、初のメジャーに向けて好位置につけた。
アマチュアの争いは、初日から最上位をキープする藤島豊和がスコアを1つ落としながらもイーブンパーの10位で踏ん張っている。今週この藤島(長男)には、プロゴルファーの姉、妃呂子がキャディを務め、同じく予選を通過した次男の晴雄には、三男がキャディをしている。兄弟4人が揃って日本オープンの舞台で活躍しているのだ。
大学の後輩、藤島には負けられないのが、2年連続ローアマを狙う宮里優作だ。この日1ストローク伸ばして2オーバー16位まで浮上。藤島との差は2つとなった。そして、明日最終日を迎えるのだが、なんと同じ組で回るのは、兄の聖志に決まりそうだ。
photo by TADASHI ANEZAKI