【3日目】高山が今季2勝目に王手! 石川遼は15位に再浮上
2011年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント
期間:11/24〜11/27 場所:Kochi黒潮カントリークラブ(高知)
高山が今季2勝目! ベ・サンムンの賞金王戴冠が確定
◇国内男子◇カシオワールドオープンゴルフトーナメント最終日◇Kochi黒潮カントリークラブ(高知)◇7,280ヤード(パー72)
この日も序盤から、首位を走る高山忠洋と1打差を追う宮里優作のデッドヒートが繰り広げられた。高山が首位を守ってハーフターンを迎えると、13番で宮里がバーディを奪って並んだ。しかし17番(パー4)を宮里がボギーとすると、続く18番(パー5)、ともに2打目をグリーンまで運んでイーグルチャンスを迎えた。宮里がこれを外してバーディで通算13アンダーの単独2位フィニッシュ。高山はきっちりとイーグルを奪って逃げ切り、通算15アンダーで優勝を飾った。高山は今季「東建ホームメイトカップ」に続く2勝目となる。
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通算10アンダーの単独3位には上田諭尉、通算8アンダーの4位タイには薗田峻輔、冨山聡、上井邦浩の3選手、通算7アンダーの7位タイには尾崎直道、藤田寛之、小田孔明、白佳和の4選手が並んだ。
石川遼は最終日、6バーディ、2ボギーと猛チャージをかけるも、通算6アンダーの11位タイでフィニッシュ。次週の今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を残して、2011年の賞金王は韓国のべ・サンムンに確定した。
<高山忠洋が今季2勝目!賞金ランク2位で最終戦へ>
戦いの行方はともに最終組で回った高山、宮里のマッチレースとなった。スタート時と同じく高山が1打のリードを保ったまま、両者ともにスコアを1つずつ伸ばして後半に突入。しかし宮里は13番で3メートルのバーディパットを決めて追いつきながらも、17番でラフからの第2打でグリーンをオーバーさせてボギーとし、またしても一歩後退。そして迎えた最終18番(パー5)、高山はフェアウェイから残り263ヤードの第2打を3番ウッドでピン右1メートルにつけるスーパーショット。最後は見事なイーグルで締めくくり、力を見せつけて宮里を振り切った。
「呪縛から開放された気分。ショットの調子は良くなくて、不安のほうが大きかった」。しかし4日間連続アンダーパーをマークし、ツアー通算5勝目。自身初の同一シーズン複数優勝も達成し、賞金ランクは2位に浮上した。2003年から持病の手首痛に苦しめられ、キャリアの中で何度も戦線離脱を経験。2009年に専属トレーナーをつけた際には「腱が劣化して切れる恐れがある」と、練習を禁止されたこともある。試行錯誤を繰り返し、選手生命との危機と常に隣り合わせで戦ってきた33歳。年間獲得賞金も1億円の大台に届く位置で、最終戦に歩を進める。
<2年連続で韓国勢が賞金王の座に>
次週の今季最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を残して、ベ・サンムンの初の賞金王戴冠が確定した。ランキング2位に浮上した高山と、べの獲得賞金の差は約5350万円。次週の優勝賞金は4000万円のため、逆転の可能性が消滅した。今季3勝をマークしたべは、「コカ・コーラ東海クラシック」を制した10月以降、賞金レースを快走。来季の米国ツアーのシード権をかけた予選会出場のため、今大会と次週を欠場する中での、余裕の逃げ切りだった。1973年のツアー制施行後、外国人選手で賞金王の座についたのは、87年のデビッド・イシイ(米国)、昨年のキム・キョンテ(韓国)に次ぐ3人目となる。
ベ・サンムン(日本ゴルフツアー機構を通じてコメント)
「2011年の賞金王になることができ、うれしく思うと同時に、大変光栄ですし、身が引き締まる思いです。今年は自分にとって、本当に完璧な一年でした。すごく気持ちが良い1年を過ごすことができました。開幕からゴルフの調子がとてもよく、自分でも“もうすぐ勝つことができる”と言い聞かせながらシーズン序盤戦を戦っていました。
私はいま、USPGAツアーのQスクールファイナルに出場するため、アメリカに来ていますが、日本ツアーのことがとても気になって、毎日インターネットでトーナメントの成績をチェックしています。
今年は1年を通して運も良かったと感じています。特に日本のファンの皆さんには、温かな声援を送っていただき、自分の大きな力になりました。とても充実した一年を送ることができたのも、ジャパンゴルフツアーに関わるすべての皆さんのおかげだと感じています。本当にどうもありがとうございました」