【WORLD】ウェブ・シンプソンの素顔(4) “WORLD WIDE WEBB”
【WORLD】ウェブ・シンプソンの素顔(3) “WORLD WIDE WEBB”
Golf World(2011年11月7日号)texted by Tim Rosaforte
「俺は自分の能力を信じていたし、いつか必ずPGAでも偉大な選手になってやろうという気持ちで溢れていた」と、シンプソンはシーアイランドで行われたインタビューでコメント。
「ただ、大学時代も1勝するのに時間がかかったから、プロでも勝つにはしばらくの時間が必要だと思っていた」。その言葉通り、ウェイクフォレスト大時代に初勝利を記録したのは、プロ転向後から初めて優勝した間の期間と同じ3年という期間。大学にはコーチのジェリー・ハースからスカウトされ、アーノルド・パーマー奨学金を得た。目に留まったのはシンプソンが流れるようなスイングを身につけていたからではなく、豪快なドライバー、ショットの感性、そして抜群のショートゲームのセンスを買われてのことだった。当時のシンプソンについて、長年指導をしてきた、カロライナCC(ローリー)でインストラクターをしているテッド・キーゲルは、「手の使い方が素晴らしかったのを覚えています」と振り返っている。
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才能に恵まれたシンプソンだったが、大学1年の時にはスイングの途中でクラブを握り直すという悪癖もあり、それが大きなミスの原因になっていた。ハースは練習中にシンプソンのスイングを録画し、その映像を本人に見せ、自覚を促した。本人はそれを見るまで一向にハースの言うことを信じていなかったという。
当時のシンプソンよりも基礎がしっかりしていたチームメート達は、大学時代2007年のウォーカーカップで重要なショットを決め、2008年にはACC(アトランティック・コースト・カンファレンス)プレーヤー・オブ・ザ・イヤーを受賞したシンプソンの実力を認めつつも、今シーズンの活躍には皆一様に驚いていると語っている。
大学1年からトップレベルにいたシンプソンだったが、その時からベリーパターに変更し始めたことだけは、周囲から理解を得られなかった。ハースは、「彼はパー5を4に、パー4を3とするだけの飛距離を持っていました。大学レベルではショットによって審査されることが多く、ウェブはその点では非常に有能な選手でしたね」と当時のシンプソンについて語っている。
しかしシンプソンはベリーパター習得に向けて熱を上げていくことになる。ある時、ノースカロライナにあるパインハーストで練習していた時のこと。シンプソンがディスプレイラックからPing Craz Eを取り出した瞬間、誰もがジョークだと思ったという。その場に居合わせたハンディ6の父親サムも、「その時は息子が単にふざけているだけに見えました。ですが、それからというもの、とにかくベリーパター習得に熱心になっていきましたね」と息子の変化について語った。父親曰く、シンプソンはパターの際に腕がぶれる癖があったため、腹にグリップを当てて固定するベリーパターに変えたことで、腕の位置が変わらないという利点を得たという。「息子にとっては非常に有効だったと思います」。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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