2012/10/14日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<6>】

前半の早い段階で賜杯に手がかかったんだけど…。藤田さんはスタート直後の1番と3番でバーディを奪い、この最終日の早々にトータルスコアを8オーバーとしました。 藤田さんの中ではどう思っていたか分からないけれど、僕の中では「残りホールをパープレーで回れば必ず藤田さんが勝てる!」という強い気持ちになりました。 でも、その勢いは無残にも前半唯一のチャンスホールである6番のロングホールで消されました。バンカー内にある木の裏から5番ウッドで放ったセカンドショットは会心の一打でグリーン右手前のガードバンカーへ。難しいピン位置だったけど藤田さんはバンカーから絶妙のタッチを出し、ピン横1.2メートルに。 あのバー...
2012/06/14全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈2〉】

今回の会場「オリンピッククラブ」の主な特徴は、フェアウェイがほぼ全ホール傾斜しているって事。その傾斜に対してティショットをどう打っていくかが勝負なんですが、球を止めるために傾斜にぶつけるように打っていくのが、ここでは基本的には不可能なんです。 と言うのは、フェアウェイの傾斜に対して逆向きの球を打って行きたいホールに限って、出球の方向を高い木で遮られているから。もちろんそれが設計者の意図で、簡単にフェアウェイをキープをさせないためにそう造られているわけだから、選手はその罠にはまらないような攻略ルートを見つけるしか方法はないんです。 その攻略ルートの1つが“レイアップ”。高い木を避け、なおかつフェ...
2012/06/16全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈4〉】

やりました。予選を突破しましたよ。 僕らには計り知れないプレッシャーが藤田さん本人にはあっただろうけど、そんな事を微塵も感じさせない会心のゴルフ。本当に完璧だった。あのゴルフをこの大舞台で持ってくるなんて、あの人はやっぱり凄いですよ。 日本から応援して下さっている皆様には、今日の藤田さんのゴルフの凄さがイマイチ伝わっていないかもしれません。もちろん全米オープンで予選を通過したわけだから、その結果自体の凄さはわかって頂けると思いますが、なにせ今日の藤田さんは、ミスショットが2発だけだったんです。 わずか2発ですよ!バーディパットをいくつか外しているのでアンダーパーには出来なかったけど、内容的には...
2012/06/15全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈3〉】

全米オープン、初日が終了しました。藤田さんは5オーバー、74位タイ。苦しみながらまずは18ホールと闘ってきました。 今日の藤田さんは全体的にティショットが良くなかったですね。ここはラフに入れるとどうしようもないので。 ショートホールを除く14ホール中、フェアウェイに行ったのは確か5回だったと思います。 それで5オーバーで回ってきたわけだから、どれだけ藤田さんが“拾い続けたか”っていうのを分かって頂けるのではないでしょうか。それが藤田さんの持ち味だから当然でしょと思われる方もいるでしょうけど、このコースでラフからパーセーブするのには相当な技術と精神力がないと無理なんです。 3オーバーまでで初日を...
2012/06/17全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈5〉】

全米オープン、決勝ラウンド。今日はアダム・スコットとの2サムでのラウンドでした。世界の超一流選手と全米オープンの決勝ラウンドで回れるなんて、本当に夢のようでした。 今日の藤田さんは昨日ほどのキレが無かったですね。凌いで、凌いで気持ちを持ちこたえ、必死にスコアを維持しようとしたんですが、結局今日は3オーバー。ここでの3オーバーは決して悪いスコアじゃないんだけど、トーナメントの3日目っていうのは優勝争いの選手以外は、みんなスコアを伸ばしにかかります。だから状態の良い人と、悪い人との差が大きくなり、結果全体的に順位が“バラけてくる”んです。 藤田さんの3オーバーはここではパープレーのような感じかな。...
2012/06/18全米オープン

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米OPレポート〈6〉】

藤田さんの全米オープンが終わりました。最終日の今日は4オーバー。ショットの調子も良く、大きなミスショットもほとんど無かったですね。 スコアを落としたのは僅か3ホール。1番ホールのボギーと13番ホールのダブルボギーは完全に僕のクラブの選択ミスです。打ったのは選手だからって言う人もいるけど、藤田さんはあきらかに自分が思っていたクラブじゃなく、僕が選んだクラブを手にしてくれたから…。 この大舞台でのミスジャッジは痛過ぎるけど、僕もその場では100%の自信があってそのクラブを推したわけだから悔いはありません。 ただ、甘いですよね。 今思えば、その時の風向きとグリーンの硬さを考えたら僕の選んだクラブは大...
2012/10/13日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<5>】

辛くて、辛くて。辛い、辛い、辛い、辛い3日目が終わりました…。前半、パットのミスからスコアを落とし、流れを引き寄せられないまま藤田さんは後半に入りました。11番でダブルボギー、続く12番をボギーとした時にはトータル10オーバー。正直、藤田さんの日本オープンはここで終わったかな、と思いました。 でも、終わってなかった。そこからの地獄の残り6ホールを藤田さんはパープレーで回ってきたんです。それもほとんどミス無しで。あの状況から残りホールをミスショット無しで回ってこれる選手はほとんどいないでしょう。しかも最終ホールは上からの15メートルをねじ込んでのバーディフィニッシュでした。 上がってから藤田さん...
2011/10/16日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート<6>】

いやー凄い闘いでしたね、「日本オープン」最終日。バックナインは毎ホールのように上位陣の順位が入れ替わる熾烈な優勝争い。そんな手に汗握る激闘を制したのは韓国のべ・サンムン選手。今季はもうすでに3勝目なんですね、強いなー。 日本オープンも昨年のキム・キョンテに続き、韓国勢の連覇。サンムンはキョンテが“静”だとしたら明らかに“動”の選手。でも、今日の最終日は今までの優勝争いの中で一番落ち着いてプレーしていたように感じました。14番ホールのイーグルは圧巻でしたね。あの場面であのセカンドショットを打てる選手は、日本では遼くんぐらいしかいないんじゃないでしょうか。 個人的にはやっぱり佐藤信人選手に期待して...
2011/10/15日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート<5>】

藤田さんは残念ながら予選落ちしてしまいましたが、決勝ラウンドもレポートを続けさせていただくことになりました。みなさま、どうぞお付き合いください。 日本オープン3日目は朝から強風が吹き荒れました。非常に難しいコンディションの中、最終組で回った河瀬賢史くんはスコアは少し落としてしまったけど、ギリギリの位置で耐えたんじゃないででしょうか。最終ホールの厳しいバンカーからのパーセーブは、必ず明日につながるはずです。 トップには佐藤信人選手が浮上。ツアー9勝、藤田さんと同い年の佐藤さんですが、ここ数年はパッティングの不調が原因で本来の力を発揮出来ずに本当に苦しまれていたんです。でも今日の佐藤さんは、そん...
2011/10/14日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート<4>】

まさか予選落ちするとは夢にも思いませんでした。 昨日の調子の良さ、藤田さんの日本オープンに懸ける思いなんかを考えても、今回は予選を通らないはずがなかった。気持ちを抑えきれないくらい悔しいけど、それが日本オープンなのかもしれませんね。 今日の藤田さんは練習場から明らかに初日とは違う雰囲気でした。球を上手くコントロールしきれてないって言うか、捕まえきれてないって言うか。出だしの2ホールを、ともにフェアウェイからボギーにしたのも痛かったですね。スタートさえスムーズに行っていれば、いくら調子が悪くても藤田さんなら何とかできたはずだから。 でも悔しいな。日本オープンの決勝ラウンドは本当に特別な空気だから...
2011/10/12日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート<2>】

開幕を前に2日間、練習ラウンドをしましたが、正直言ってまだ明確な攻略ルートは見つかっていません。鷹之台CCを攻略する上で1番重要なのはやはりティショット。ドライバーでガーンと行くのか、他のクラブできっちりフェアウェイに刻むのか。 でもこれ、どちらも正解なんです。別に全てのホールでドライバーを握ったからってスコアが悪くなるわけじゃないし、全てのホールをアイアンで刻んでもスコアが良くなるわけじゃない。要は決断力です。中途半端ならドライバーを持っても何を持っても良い結果にはならないでしょうね。 ドライバーで攻めて行った場合のリスクは、やはりラフに入る確率が高くなること。フェアウェイの幅は広いところで...
2011/10/13日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート<3>】

藤田さん、1アンダーの9位タイと素晴らしいスタートを切りましたよ。 今日の藤田さんはショット、パットとも今年一番の内容でした。ショットの調子が良いとそのホールをいろんな角度から見る余裕ができるので、今日はほぼ完璧にコースを攻めて行けたんじゃないでしょうか。 今日、ドライバーを使ったのは5ホール。あとのホールは5番ウッドとユーティリティの3番アイアンでティショットを打ちました。4日間の基準となる初日に良い攻め方ができた事は、日本オープンを戦う上で非常に有利になるはずです。 一緒の組でラウンドした河井博大選手のプレーも藤田さんには良いイメージになったのかもしれません。ツアー屈指のショットメーカーで...
2013/04/11マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<6>】

昨日はアウトを回ったので、開幕前日の今日はインコースで練習ラウンドをしました。前回のレポートにも書きましたが、やはりインコースの方がコース攻略の全体的なイメージが出しやすいですね。 藤田さんの調子次第では、丁寧に行けば確実にインコースで3ホールはバーディチャンスに付けられるはず。アウトを1オーバー、2オーバーぐらいで回って来られたら、後半は面白いかもしれません。 石川遼くんのキャディを務めるのは、日本ツアーでもおなじみのプロキャディのサイモン・クラーク。サイモンは1995年から日本ツアーで「ヤーデージブック(コースガイド)」を作っているんです。絵も上手だし、パッと見ただけでホール全体のイメージ...
2013/04/13マスターズ

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<8>】

トータル20オーバー。藤田さんの2度目のマスターズ挑戦が終わりました。 いろんな手段を駆使してオーガスタ攻略に挑んだんだけど、全てことごとく跳ね返されました。今回の藤田さんの状態ではとても敵う相手ではなかったですね。 でもね、負け惜しみに聞こえるかもしれないけど、藤田さんの調子さえ良かったら何とかなる気がするんです。優勝争いするとか、上位に入るとかそういう事じゃなくて、オーガスタとは良い勝負ができそうな気が。 最初に連れて来て頂いた時には、「世界にはこんな恐ろしいコースがあるんだ・・・」って驚愕したけど、今回は、結果は別にして、攻略ルートはしっかりと見えていましたから。このコースにはラッキーが...
2013/04/12米国男子

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦のマスターズレポート2013<7>】

結果はもうご存知の通り、藤田さんは出場全93人中、87位と大きく出遅れました・・・。アウトコースは苦しいながらも持ち前のショートゲームで耐え凌ぎ、後半のチャンスホールで何とかアウトの2オーバーを取り返したかったんですが、そのチャンスホールである13番のロングホールで痛恨のトリプルボギーを叩き、一気に後退してしまいました。 今日は藤田さんの本来のショットではなかったですね。フェアウェイキープは14ホール中、5ホール。パーオンに至っては、18ホール中、7回でした。 でも、アプローチとパットのフィーリングはとても良かったですよ。グリーンを外した時には難しいアプローチばかりが残りましたが、抜群のタッチ...
2012/10/10日本オープンゴルフ選手権競技

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<2>】

昨日のレポートに書いた“南国の芝”もそうですが、沖縄にはもう一つやっかいなものがあるんです。それが“琉球の風”。 今週は月曜日からこの那覇ゴルフ倶楽部で練習しているんですが、コースには毎日のように北東からの強い風が吹き付けています。それも一日中。風が吹く方向は一定だけど、強さはまちまちで強くなったり、少しだけ弱くなったり。弱くったって、強いんですよ!重たさが少し違うけど、「全英オープン」に匹敵するくらいの風の強さかな。 そういったいろいろな状況をトータルして考えたら、今週は難易度が格段にアップした「ソニーオープン・イン・ハワイ」って感じでしょうか。この開幕前の3日間に吹いた風が、このまま最終日...
2012/10/11国内男子

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<3>】

予想通りの“壮絶なる闘い”が幕を開けました。 始まるまでは自分なりに、予選のカットラインや優勝スコアなんかを考えていたけど、もはや、そんな事はどうでもいいですね。目の前のホールをどうやって切り抜けるか。今はもう、それだけに尽きます。 初日の今日は、藤田さんは3オーバーの9位タイでフィニッシュしました。前半はパープレーで折り返したんですが、後半に入り横風の強いホールでスコアを落としてしまいました。縦幅がそんなに広くないグリーンが多いので、強い横風の中でのボールコントロールが難し過ぎますね。 明確な目標スコアなんかは全く無かったけど、今日の条件や、藤田さんの内容などを考えると、素晴らしいスコアじゃ...
2012/10/12国内男子

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の日本OPレポート2012<4>】

長い長い予選ラウンドの2日間が終わりました。結果的にはトップに4打差の3位タイと、これ以上ないくらい良い位置で折り返す事が出来ました。でも、今日の2日目は、勝負どころのパット次第ではどちらに転んでもおかしくありませんでした。 明暗を分けそうだったのは、2つのパーパット。1つ目はスタートホールの3メートルのパーパットです。右ラフからのセカンドショットを狙い通りの場所に外したんですが、絶好の位置からのアプローチが寄りませんでした。あれを外していたら、今日1日の展開はガラっと変わっていたでしょう。そのパットをど真ん中から決めたことで、昨日の良い流れを今日のラウンドに繋ぐことが出来ました。 2つ目は後...
2013/08/08全米プロゴルフ選手権

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米プロレポート2013<3>】

昨日の天気予報では今日は朝から雷雨の予報だったんです。せっかくのジム・フューリックとの練習ラウンドが無くなっちゃったら嫌だなって落ち込んでたんだけど、朝起きてカーテンを開け、晴れ間が見えた時は凄く嬉しかったです。 フューリックとは全米オープンと全英オープンの時にも一緒に練習ラウンドをやってもらったんですよ。だから今回で3度目。3度目だからって慣れることは全然無いけど、最初の時よりは少しは近付けたような気がするかな。 今までの練習ラウンドでもフューリックのストレートボールには驚かされてきました。でも今日のフューリックは、これまで以上に恐ろしいほど真っ直ぐだった。昨日の井戸木さんのショットも匹敵す...
2013/08/09全米プロゴルフ選手権

【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全米プロレポート2013<4>】

藤田さんの今年の「全米プロゴルフ選手権」は10番スタートから始まり、いきなりのバーディ、バーディで、最高のスタートを切りました。 続く12番から14番までも全てバーディチャンス。でも、そのまま徐々に藤田さんの形に持って行こうとした直後の15番ショートホールに落とし穴が待っていました・・・。結果から言うと、このホールで藤田さんはトリプルボギーを叩きます。 ティショットをダフってグリーン手前20ヤードのラフへ。そこから打ったバンカー越えのアプローチが、バンカーを超えた所の下り斜面に当たり、弾かれて池へ。そしてドロップゾーンから3回かかってトリプルボギー。これだけ聞くと、藤田さんのミスショットが大ト...