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【WORLD】女性会員不在はオーガスタだけではない
Golf World(2012年5月21日号) GW bunker texted by Bill Fields
オーガスタ・ナショナルGCの女性メンバー不在は、大会ホストとしてのポリシーには逆行する。だが、ティム・フィンチェムは問題を追及するつもりはないと繰り返している。
オーガスタ・ナショナルとPGAツアーがどんな裏ルートでコミュニケーションをとっていても、「マスターズ」の開催コースであるオーガスタに女性メンバーがいないということについてツアーの公的スタンスは、変わっていなかった。「ザ・プレーヤーズ選手権」前日の記者会見でこの点について聞かれたPGAツアーコミッショナーのフィンチェムは、この件について謝罪するつもりはないことを明らかにした。
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ツアーは、1990年のショール・クリーク論争(全米プロゴルフ選手権)を受けて、マイノリティか女性メンバーのいないクラブでのトーナメント開催を禁じている。しかし、マスターズと、その他3つのメジャーはその縛りを受けていないのだ。フィンチェムは「クラブのメンバーシップ資格は、そのクラブのメンバーが決めるべき」とオーガスタ・ナショナルについて言及。「彼ら(オーガスタ)が規則違反なことなど何もない」。
黒人メンバーがいるものの女性メンバーがいないオーガスタ・ナショナルに対する批判は、マスターズをスケジュールから外すことをツアーに強いている。しかし、クラブの女性メンバー不在がスポーツの中で大きな議論を呼ぶことになって約10年、そして今年のマスターズが始まる前にこの問題が再浮上して1か月、フィンチェムはツアーがマスターズをスケジュールから外さないことについて率直な物言いをしていた。
「何度もまとめたし、この問題から逃げ出すことはない。ツアーからマスターズをトーナメントとして見限ることはない。マスターズは大切なトーナメントだ」。フィンチェムの発言は、スポーツ界におけるオーガスタの強い影響力や、ゴルフ界の未来に対する彼の読みを示している。オーガスタに女性メンバーがいないことをあれこれ言うツアープロはいないし、スポンサーからの影響も特にはない。ゴルフメディアの多くは、オーガスタが女性にもメンバーの門戸を広げることを望み、少なくともグローバル化とゴルフへの参加が停滞している時代において重要で意味あることとしているのだが…。
1990年の全米プロでの騒動の渦中、ツアーが無差別規定を主催と共催競技に採用した時とおおよそ同じ時期に、オーガスタ・ナショナルがすぐに初の黒人メンバーを受け入れた。しかしその20数年前は、エリートクラブに所属している者に判断された男女平等については、人種差別のようにスポーツ界でまだ物議を醸していなかった。
当時、ツアーはこのポリシーに従うことがなかったサイプレスポイントとバトラーナショナルをトーナメント会場として失うことになったが、今はマスターズに対して強気の姿勢を見せていない。
フィンチェムは「我々はマスターズがゴルフ界にとって重要なものであると考えているため、ツアーの公式競技として理解し続けるようにしている。だから彼らのポリシーが正しいか間違っているかを決めることはない。気に入らない人がいるのは理解できるし、そう考える理由も分かる。しかし、これ(マスターズをツアーから除外しないこと)は既に決めたことなんだ」と語る。
トーナメントで独特なグリーンの色調のジャケットを着ることだけで分かるとして、もしオーガスタ・ナショナルが女性メンバーを認めても、ツアーの性別問題は終わることはないだろう。メジャーの「全英オープン」の舞台も、一会場でなく複数会場が女性メンバーのいないコースで開催されているのだ。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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