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【WORLD】財政難に直面するカナディアンツアーの未来 ~北部に光を~
Golf World(2011年11月7日号)GW bunker texted by Robert Thompson
25年目を迎えたカナディアンツアーは、将来、財政難に直面すると言われる。しかし米国PGAツアーとパートナーシップを結べば、状況は改善させるかもしれない。
先日、PGAツアーは、ラテンアメリカでゴルフが一層の発展を遂げるため、下部組織の裾野を広げるために、ツアー・デ・ラス・アメリカスと提携し、事業展開することにしたが、PGAツアーの幹部たちは、アメリカ合衆国の北の国境線を分け合う隣国と提携するつもりはないだろうか?
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カナディアンツアーから会員に送られたメールによれば、先月PGAツアーの諮問委員会が開催される前に、カナディアンツアーとの提携を正式に検討するという提案がなされたという。提携が結ばれれば、25周年を迎えたカナディアンツアーは、将来的に直面する財政難も乗り越えることができる。カナディアンツアーでコミッショナーを務めるリック・ジェーンズは、PGAツアーと話し合いを持っていることは認めたが、秘密保持契約に基づき、契約内容については明かせないとした。ジェーンズによれば、PGAツアーの幹部たちは、カナディアンツアーの内部事情に精通しているという。同ツアーでは、カナダ国内で開催された8つのトーナメントを含め、今季は12のトーナメントを主催した。
「PGAツアーは、カナディアンツアーについてすべての情報を持っていますし、10年前までさかのぼり、すべての会計帳簿に目を通しています。これは間違いありません。長期にわたる熱心なプロセスの賜物です」とジェーンズは語る。
一方、PGAツアー側はいかなる議題に対しても口をつぐんだままだ。「カナディアンツアー、並びにリック・ジェーンズ氏とは、常に良好な関係を続けています」と話すのは、PGAツアーで海外コミュニケーション事業を担当するエグゼクティブVPのタイ・ボートウだ。「私がお話しできるのは、それだけです」。
カナディアンツアーと提携する可能性は、先月、PGAツアー・ラティーノアメリカが誕生した直後に浮上した。ツアー・デ・ラス・アメリカスとの提携では、2012年9月から11のトーナメントが実施される。カナディアンツアーでは、2010年にカナダ国内で10のイベントを開催し、ツアー・デ・ラス・アメリカスから同時認定されたイベント2つをコロンビアで開催している。カナディアンツアーは3月に始まり、8月末には終了するため、新たに生まれたサウス・アメリカ・ツアーを補える可能性も秘めている。
カナディアンツアー会員のアダム・ハドウィンは、今年はPGAツアー5大会に出場した。ハドウィンは、カナディアンツアーとサウス・アメリカン・ツアーが1つの流れとしてつながれば、ネイションワイドツアーにとって信頼の置ける選手育成システムが生まれると信じている。とりわけ、PGAツアーに選手を輩出するPGAツアーQスクールを期待通りに進化させることができるようになる。
「考えるまでもないと思うね。20万ドルあれば、16~20のトーナメントがスケジュールに組み込める。プレーヤーの立場から言わせてもらえば、完璧に意味を成す話なんだ」。
1986年にツアープロの一団が創設し、マイク・ウィア、スティーブ・ストリッカー、マット・クーチャー、ニック・ワトニーらが基礎をたたき込まれたカナディアンツアーが財政難を迎えると同時に、PGAツアーと提携する可能性。近年は、新規スポンサーを見つけることが極めて難しく、2011年には、開催地をオンタリオ州ウィンザーに移したツアー・チャンピオンシップを含めた3つのイベントが、深刻な赤字に悩まされた。カナダのゴルフ事情に精通する人物の話によれば、現在カナディアンツアーは70万ドル以上の負債を抱え、以前広告担当の役員を務めていたジェーンズは、この財政状況はこれまで経験した中でも屈指の苦しさだと頭を抱えているという。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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