今季最終戦を終えた宮里美香のコメント
2011年 CMEグループ タイトルホルダーズ
期間:11/17〜11/20 場所:グランドサイプレスGC(フロリダ州)
【WORLD】パク・ヒヨン “ようやく”つかんだタイトル/2011年LPGA最終戦レビュー
Golf World(2011年11月28日号)texted by Bill Fields
「CMEグループ・タイトルホルダーズ」で決めた飛躍的な勝利で、パク・ヒヨンは自分とスポンサーからの期待に応えられなかった4年間に終止符を打った。
22歳の女王ヤニ・ツェンが再び優勝を飾ると多くの人が予想していた「CMEグループ・タイトルホルダーズ」は、一変して少し年上のプレーヤーに天啓をもたらした。わずか24歳のパク・ヒヨンは、故郷・韓国の友達に会えない寂しさを募らせていたが、スポンサーからブレイクしてくれという期待も感じていた。またLPGAツアーでの4年間、パクは優勝トロフィーを抱えて会場を去る術を見いだせずにいた。極めて難しい3連単ではないが、毎週日曜日は悩みが増大する日だったのだ。
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だが、この日曜日、LPGAツアー通算8勝目かつ2011年通算12勝目を狙うツェンが、逆転を祈るラリーキャップや、同じく長いゴルフ歴を持つ人が掛けた魔法が十分効果を発揮できなかった代わりにこっそり背後へ忍び寄った時、パクは冷静に自分のプレーに集中していた。オーランドにあるトリッキーなグランド・サイプレスCCでパクが経験したように、勝ち慣れている狡猾な人物が背後に迫ってきたような日を、ゴルファーは忘れないものだ。パクは早々に決めた3度のバーディで単独首位となり、10回連続でパーセーブし70でホールアウトした。リーダーボードに名を連ねる面々の中で唯一LPGAツアー未勝利の人物による目を見張るようなプレーだった。
KLPGAで2勝(韓国とタイで行われた大会)して以来、長い5年間だった。それらは、9アンダー279を記録し、2打差でポーラ・クリーマーとサンドラ・ガルを破った時に感じた気分に匹敵するような勝利ではなかった。「まったく違った気分だわ。同じく鳥肌が立ったけど、今回の優勝は私の人生、私の未来を変えると思うの」とパクは言う。
KLPGA通算6勝のパクが初めて優勝したのは、2004年、まだアマチュアの時に韓国のビール会社がスポンサーについたハイト・カップでのことだった。舞台となったグランド・サイプレスで72ホール目を終え、同郷のキム・インキョンとチェ・ナヨン(スーザン・ペターセンと並び通算6アンダー4位タイ、ツェン、クリスティ・カー、ミシェル・ウィーに4打差)に祝福された今回の大会は、アメリカ企業がスポンサーで賞金は50万ドルだ。たとえ記事の見出しになっても、賞金を手に入れても、試合後に韓国に住む父パク・ヒュンサブ氏にかけた電話ほど大きな意味を持つものはない。
「父は決して泣かない人なんです。その父が泣きっぱなしでした」とパクはリポーターに話した。
第4ラウンド前の練習場で、カーはパクを励ました。「“元気を出して。あなたなら大丈夫”って言ってくれたんです」。パクは、2009年に2度2位になり、今年の「セーフウェイ・クラシック」では1打差でプレーオフ出場を逃した後、現状を打破するためにキャディのカイリー・プラットから一貫した影響を受けていた。5、6、8番ホールでバーディを奪い、安定感あるアプローチで、54ホール目まで209で首位を分け合っていたガルに差をつけた後、プラットはパクに近寄り、よりプレッシャーの少ない第1ラウンドを戦っている気分になるように努めて、プレッシャーをかいくぐるように話し掛けた。「なんとか頑張ったわね。流れに乗れたのがよかったわ。慌てすぎることもなかったわ」とプラットは言う。
ツアー2勝目をつかむため、ガルは最終日の14番ホールでバーディを決め、1打差まで詰め寄ったが、次のホールで6フィートのパーパットを外すなど、グリーンエッジからの40フィートの下りのラインで3パットし、一歩後退することになった。初めてラインの中間に目標を置き、球足が速くなったグリーンに対応したパクは、ガルがミスした後で、カギとなる4フィートのパットを沈め、3ホールを残したところで2打差をつけた。
「一日中、パクは素晴らしい落ち着きを見せていたわ」とガルは語る。「いつも笑顔だったでしょ。何度も一緒に戦ってきたけど、いつも楽しそうに自分のゴルフができるから、素晴らしいゴルファーなの。本当に心から優勝に値すると思うわ」。
パクは周りから受けた応援のおかげで、不安が少し紛れた。「私のスポンサーは、本当に首を長くして優勝を待っていたの。どうして勝てないんだ? どうして?って。“毎週頑張っています。一生懸命練習しています”って言ってたんだけど」。
もちろん、今年はツェンの独り相撲で、何とか優勝を手にすることは他のプレーヤーにとって至難の業だった。第二の故郷で試合が始まる前に、楽々とロレックスLPGAツアー年間最優秀選手、最少平均スコアを記録したプレーヤーに送られるベア・トロフィー、賞金女王の座をガッチリとつかみ、木曜日の夜に開催されたパーティで、素晴らしい1年を表彰された。「彼女が成し遂げたことは、称賛するしかないでしょう。コースに出る時は毎日抱えきれないほどの自信にあふれていることは目にも明らかでしょ」とペターセンは語る。
水曜日の夜、ツェンは自宅で友人やリポーター、家族(母国台湾から兄のフンウェイが初めてアメリカにやってきた)と楽しい一時を過ごした。USAトゥデイ紙のゴルフライター、スティーブ・ディメグリオ氏はツイッターで、ツェンにビリヤードに敗れ賭けにも負けたとつぶやいている。
土曜日の朝、2日間を70、76としていたツェンに気合を入れるため、キャディを務めるジェイソン・ハミルトンは100ドルを賭けることにした。「ジェイソンが、“オイオイ、お前は世界一なんだ。もっといいプレーをするべきだ”って言うの」。そこでツェンは69か、それ以上だったら100ドルもらえる賭けに乗り、6アンダー66という好成績で3日目を終え3打差まで追い上げた。しかし日曜日はパットが決まらなかった上、ラウンドの早い段階で右膝をひねってしまい、いいプレーを繰り返すことができなかった。「少し痛かったんだけど、多分冷やせば、2日くらいで治ると思うわ」。
地球上の同じ地域からやってきたもう一人のゴルファーが優勝を飾ったが、ツェンはラウンドが終わった後でもはつらつとしたままに見えた。女子ゴルフ界で最高のツェンだが、男女を合わせて見ても、22歳で5度のメジャー勝利を飾った唯一の人物。来年の2月9日からロイヤル・メルボルンで開催されるISPSホンダ女子全豪オープンでLPGAツアーが2012年の幕を開けるまでの長い休みの間、体を休ませて遊ぶことを楽しみにしている。初めてのラスベガス旅行に行く予定だが、ゴルフの練習をする時間もたっぷりある。ショットメイキングを多様化させ、より創意に富み、ボールを左右に曲げられるようにしたいという。
練習の虫トム・カイトがこう言ったことがある。ゴルファーはよくなるか悪くなるかのどちらかだ。頂上は常に晴天とは限らない。だが、ツェンはまだ頂点の景色がお好きなようだ。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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