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【WORLD】タイガーの稼ぎはいくら?トッププレーヤーたちの私腹
Golf World(2012年1月16日号)GW bunker texted by Ron Sirak
「The Golf Digest 50」(GDO編集部注:USGDによる様々なランキング特集)で、市場ではプロゴルファーへ投資する金が溢れていることが明らかになった。しかし、選手たちが大金を稼ぐには労を要するのだ。
スポーツマーケティングの中で最もリスクの少ない投資は、ゴルフに他ならない。ストライキもロックアウトも無ければ、選手のトレードも存在しない。そして何よりユニフォームもない。プレーヤー達は、言わば多くの空きスペースを持つ歩く広告塔というわけだ。そして、ゴルフにはクライアントが(プロアマ戦で)ロリー・マキロイやリッキー・ファウラーとともにプレーまで出来るという利点がある(コービー・ブライアントとバスケットボール、もしくはアルバート・プホルスとベースボールをプレーするのは無理な話だ)。
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こうした利点を持つゴルファーは、2月号の「The Golf Digest 50」で特集している、年収トップ50のリストを見ればわかるように、高額な年収を稼いでいる。彼ら50名の年収を合計すると、なんと4億2000万ドル(スポンサー契約、コース設計、ライセンス、大会出場料、そしてその他ゴルフ関連の収入を含む)にも到達する。
更に大会賞金が加わるわけで、特に男子の大会で言えることだが、賞金額は増幅傾向にあり、トップ50の内13人は年間500万ドル以上を稼いでいる。昨季のFedEx Cup王者のビル・ハースは1430万ドル(FedEx Cupタイトルの賞金1000万ドルを含む)、そして欧米ツアーで賞金王となったルーク・ドナルドは1320万ドルを稼ぎ出した。
タイガー・ウッズは過去9年続けて同リストのトップに君臨し続けていたが、膝の負傷とスキャンダルが発覚して以降は収入も激減。だが、それでも年間6400万ドル(2010年は1億2200万ドル)もの収入を誇り堂々の1位。半額近くに年収が下がっても2位のフィル・ミケルソン(4200万ドル)を大きく上回っているのだから、影響力の凄さを認識出来る。また、トップ5には既に競技にはほとんど出場していないアーノルド・パーマー(3600万ドル)、ジャック・ニクラス(2900万ドル)、グレッグ・ノーマン(2300万ドル)がランクインする等、レジェンド達が未だにこれだけの収入を得ているのもゴルフの妙だ。ゲイリー・プレーヤーも1600万ドルの年収で8位にランクインした。
この不況の中、企業はゴルファーにこれまでよりも多くソーシャルメディアなどクリエイティブな活動への露出を要求。その見返りとして高額なスポンサー費を支払っているというわけだ。このように要求レベルが上がる中、大会賞金が高額になったことで、選手達の中にはビジネスとしての契約を嫌う者も少なくはないという。
「最近の傾向では、選手達は出来るだけ少ないオファーだけを受け入れ、より練習に時間を費やすようです」とは、代理人のアンドリュー(チャビー)・チャンドラー。チャンドラーはインターナショナル・スポーツ・マネージメント(ISM)のマネージング・ディレクターでダレン・クラーク、リー・ウェストウッド、チャール・シュワルツェルらトッププロの代理を務めている。
2007年からスタートしたFedEx Cup、そして2009年から開催されているレース・トゥ・ドバイの出現により、更に高額な賞金がかけられるようになった。これらの大会以外にも、マキロイが優勝した「上海マスターズ」(優勝賞金200万ドル)、リー・ウェストウッドが125万ドルの優勝賞金を獲得した南アフリカで開催された大会「ネッドバンク・チャレンジ」、マット・クーチャーとゲーリー・ウッドランドが出場し、賞金120万ドルを獲得した「オメガミッションヒルズ・ワールドカップ」等々、PGAもしくは欧州PGAツアーの公式競技ではない大会も数多い。同ランキングの中で女子プロは僅か3名のみ(46位のヤニ・ツェン、48位のアニカ・ソレンスタム、そして50位のポーラ・クリーマー)。これは男子と女子の大会賞金額に明らかな格差がみられるためだ。
要は、トッププレーヤーにとっては最低限私腹を肥やせるということだ。自分の時間を犠牲にすれば、スポンサー収入等で稼げるし、そうしなくても、あらゆる場所でクラブと腕さえあれば大金を獲得出来る。中には出場するだけで高額な報酬を受け取れる大会もあるのだ。ゴルフは2016年のオリンピックから正式種目として採用されることが決定しているだけに、これからゴルフ人気は更にグローバル化していくはず。そして、ゴルファーの収入も増加する傾向になっていくのだろう。
米国ゴルフダイジェスト社提携
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