これぞ地元愛 バッバ・ワトソンがマイナーリーグのチームに出資
2014年PGATOURギアトレンド(5)ピン
By Jonathan Wall, PGATOUR.COM
PGAツアーの2013-14シーズンのギアに関する話は心を捕らえるストーリー性に満ちていたが、最も大きなストーリーではないとしても、間違いなくその中の一つにあたる話はツアースケジュールの中程を過ぎた「ザ・グリーンブライアークラシック」で始まった。
シーズンが佳境を迎え、重要なフェデックスカップポイントが競争の対象となると、通常、選手たちはギアの変更を最小限に留める。しかしながら、オールドホワイトTPCでPINGのG30ドライバーが発表されると、8人の選手がその新しいクラブをバッグに加え、中でもそこで優勝を飾ったアンヘル・カブレラと「マスターズ」2勝のバッバ・ワトソンの変更は最も目を引くものであった。
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勿論、G30の成功はウェストバージニアで終わったわけではない。「全米プロゴルフ選手権」で同クラブを実戦に投入したビリー・ホーシェルはそれ以後、6回の大会出場で2勝を挙げている。
シーズン最終盤で2連勝を飾り(「BMW選手権」と「ツアー選手権」)、フェデックスカップを制して1000万ドルのボーナスを手にしたホーシェルは、キャリア最高の1年を最高の形で締め括った。
G30に加え、PINGはPGAツアーの2013-14シーズン中にS55アイアンやKetschパターなど、成功を収めた製品をリリースしている。
ここにPING Golfの今シーズンを振り返ってみよう。
ツアーで発表されたギア
G30 (ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン)、i25 (ドライバー、フェアウェイウッド、ハイブリッド、アイアン)、S55 (アイアン)、Rapture (フェアウェイウッド)、PING Prototype (ウェッジ)、Karsten TR (パター)、Ketsch (パター)
PGAツアー勝者 (2013-14)
ライアン・ムーア (CIMBクラシック)、ハリス・イングリッシュ (OHLクラシック)、バッバ・ワトソン (ノーザントラストオープン、マスターズ)、アンヘル・カブレラ (ザ・グリーンブライアークラシック)、ハンター・メイハン (ザ・バークレイズ)、ビリー・ホーシェル (BMW選手権、ツアー選手権)
ビリー・ホーシェルとG30の大いなる飛躍
バッバ・ワトソンとアンヘル・カブレラはG30がツアーでリリースされた週に早速バッグに追加しているが、ビリー・ホーシェルはこの新しいドライバーが馴染むのに多少時間を要した。
この“待ち”はホーシェルに即座に効果をもたらし、「全米プロゴルフ選手権」で10.5度のG30 (Aldila Rogue 60Xシャフト)に変更した彼のボール速度は時速5キロ速くなり、キャリーでの飛距離は10ヤード伸びた。シーズン最後のメジャーでG30ドライバーを実戦投入したホーシェルは、その後のシーズン終了までの6大会でドライバーの平均飛距離を12ヤード伸ばしている。
ホーシェルが挙げた2勝は何れもフェデックスカッププレーオフでのものであり、アトランタでの「ツアー選手権」で勝利した彼は総額1100万ドルを手にしている。
「僕は『全米プロゴルフ選手権』からG30ドライバーをバッグに入れたんだ」とホーシェル。「それ以降、ティからの平均飛距離は12ヤード伸びた。これはグリーンまでの距離が1クラブ分縮まることを意味するんだ。これはとてつもない自信に繋がったし、フェデックスカッププレーオフで勝利を収める上で重要な役割を果たしたんだ」
バッバ・ワトソンの特製3番アイアン
S55の3番アイアンで更にきっちりとしたカット打ちの打ち分けを模索していたバッバ・ワトソンは、PINGのエンジニアにそれを可能とするロングアイアンをリクエストした。
ロフトやライの微調整では問題解決に至らなかったことを見て、エンジニアは5グラムのタングステンの錘をクラブのトゥに追加するクリエイティブな変更を施した。
タングステンは以前より、アイアンの重心位置をずらす際に使用されてきたが、ワトソンの場合、タングステンはトゥの回転を抑え、フェースがより長い時間オープンの状態を保つために追加され、これによりワトソンは3番アイアンでカット打ちができるようになった。
ワトソンは「ザ・グリーンブライアークラシック」の週にこのクラブを受け取り、コースでテストをした後に同大会で実戦投入している。
PINGによると、ロングアイアンに対してタングステンの錘を使用したのは初めての試みであり、これによりワトソンのクラブは唯一無二の特注品となった。
ライアン・ムーアがS55に初優勝をもたらす
「CIMBクラシック」を制したライアン・ムーアは、初めてPINGのS55アイアンを使用して優勝した選手となった。S55モデルは昨季終盤にリリースされるや否や、PINGのツアー契約選手に受け入れられ、クラブが発表された数週間後の2013年「ザ・バークレイズ」ではバッバ・ワトソン、ハンター・メイハン、アンヘル・カブレラ、そしてビリー・ホーシェルがこのクラブに変更している。
この新しいアイアンはS56に似た特徴を多く持っており、17-4ステンレスボディとトゥに配置されたタングステンの錘が高い慣性モーメントを生み、寛容性と重心位置が向上している。
S55に加えられた改善点の一つにより大きなCustom Tuning Port (CTP) が上げられ、CTPによりクラブの周囲に重量が分配され、寛容性と打感の向上が実現したほか、セットを通してフェースが薄くなり、よりストロングロフトになっている。
マルティン・カイマーの“激アツ”パター
仮にマルティン・カイマーの2014年シーズンを1打で総括するとしたら、TPCソーグラスのパー3の17番ホールで決め、彼にジム・フューリックを破っての「ザ・プレーヤーズ選手権」優勝をもたらした8.5メートルのパットということになるかもしれない。
カイマーがウィニングパットを決めたパターは何だったのだろう。答えはPING Karsten Anser 2パターである。このパターは彼のキャリアで最も大きな勝利となった「全米プロゴルフ選手権」、「ザ・プレーヤーズ選手権」、そして「全米オープン」で使用されている。また、メダイナで開催された2012年の「ライダーカップ」でも、カイマーはこのパターでウィニングパットを決めている。
ザ・グリーンブライアークラシックでG30がお披露目
PINGのG30シリーズは「ザ・グリーンブライアークラシック」でツアーデビューを飾り、この新しいドライバーは発表の週に同大会を制覇したアンヘル・カブレラ、バッバ・ワトソン、チャールズ・ハウエルIII、デビッド・リングマース、ダニエル・サマーヘイズ、そしてジェフ・マガートらによって使用されている。
カブレラはこの新しいドライバーにより、ボール速度が時速3キロ増し、キャリーが4から6ヤード伸びると共に、スピン量が減り、打ち出し角度が高くなっている。メジャー2勝のカブレラは、更にPINGのG30の3番ウッドもバッグに加えており、こちらはテスト段階で飛距離269ヤードを記録している。
同大会では最終日のカブレラのドライバー飛距離が突出しており、この日彼は平均331.6ヤードを記録し、パー4の16番、そしてパー5の17番でそれぞれ329ヤードと337ヤードを記録して2ホール連続でのビッグドライブとなった。カブレラの大会を通じてのドライバー平均飛距離は11位(307ヤード)で、フェアウェイキープ率は4位タイ(82パーセント)だった。
PINGがフェデックスカッププレーオフを席巻
ハンター・メイハンとビリー・ホーシェルの活躍により、PINGはフェデックスカップ4戦中3冠に輝いている。メイハンは「ザ・バークレイズ」を制し、ホーシェルは「BMW選手権」と「ツアー選手権」を連勝した。
Ketschが登場
PINGはメジャーリリースの後に、追加でパターの新モデルを発表することで知られている。例えば、「ウェルズファーゴ選手権」で2013 Scottsdale TR パターが発表され、その後の「フェデックス・セントジュードクラシック」ではハリス・イングリッシュがNome TR (True Roll)を使用して大会を制している。
PINGは今回も同様のプランを敢行し、Karsten TRを発表した後に、PGA展示会でKetschをリリースしている。C805アルミ製のこのパターは、ソールに17-4ステンレススチール製の錘が配されており、慣性モーメントが向上すると共に、重心位置がより低く、ヘッド後方へと移動したため、寛容性が向上している。
有力選手ではリー・ウェストウッドとルイ・ウーストハイゼンが2014年シーズンにこのパターを使用しており、ウェストウッドはマレーシアとタイで勝利を収めている。
ナパでプロトタイプウェッジが登場
PINGは「Frys.comオープン」で2年以上発表していなかった新しいウェッジを発表し、6人の契約選手(マイケル・トンプソン、ルーク・ガスリー、ダニエル・サマーヘイズ、ヒース・スローカム、マーク・ウィルソン、ハンター・メイハン、ジェイソン・ゴア)が少なくとも1本のプロトタイプウェッジを実戦投入した。ルイ・ウーストハイゼンは「アルフレッド・ダンヒル・リンクス選手権」で2本のウェッジを実戦投入している。
PINGはこの新しいデザインに対して正式にコメントを発表していないが、同社のツアー関係者によると、プロトタイプモデルではSS (Standard Sole)が最もポピュラーであり、これはターフへの入りが良く、打ち出し角が力強く、スピンコントロールが利くためとのことである。
プロトタイプとTour Gorgeには幾つか明確な違いがあり、光沢仕上げもその一つで、Tour Gorgeはよりダークな光沢仕上げとなっており、同じくTour Gorgeははっきりとしたキャビティバックになっている。