「シャフトウォーズ夏の陣」 フジクラ、グラファイト、三菱、マミヤ…選手の使用状況は?
◇国内女子◇アース・モンダミンカップ◇カメリアヒルズCC(千葉)◇6699yd(パー72)
梅、紫陽花、さくらんぼ、カーボンシャフト…。毎年この梅雨時期の風物詩といえば、メーカー各社の新作シャフトだろう。国内女子ツアーでも、6月初頭の「サントリーレディス」から各社のシーディングが始まっていた。2試合を終えた段階での使用状況と、選手に聞いた使用感をまとめておきたい。なお、すべて未発表モデルのため名称は仮としておく。
藤倉コンポジット「スピーダー NX ホワイト」
まずは女子ツアーで最も使用率の高い藤倉コンポジットの新作から。サントリーレディスの週からウー・チャイェン(台湾)、酒井美紀、ペ・ソンウ(韓国)ら、いきなり5人が投入した。2023年モデル「NXブラック」の後継と見られるため、今回の“白”は先中調子系と予想されるが、「(中調子系の)バイオレットよりつかまると思っていたけど、バイオレットと同じつかまり感で球が上がる。なおかつ球が強い」という評価が多いようだ。
即座に投入を決めた永嶋花音は「クラブスピードが1.5m/s上がりました」と替えない手はなかった様子。「24 ベンタス レッド」(5R)と打ち比べ、ホワイト(5SR)に決めたという。
同じくシャフトを替えた酒井美紀は「今までテストして一発で良かったことはなかったですが、白は良かった。上下の打ち分けがしやすかったです」とコメント。「ベンタス TR レッド」(5Rチップカット)からホワイト(5S)に変更した。
グラファイトデザイン「ツアーAD EK」
続いてグラファイトデザインは、グレーカラーの「EK」を投入した。海の向こうでは松山英樹もテストしていたが、これまでの流れからすると「先調子系」とみられる。
サントリーレディスで試し、そのまま投入したのが金田久美子。使用していた前作「FI」は「時々右に滑る球が出ていた」と言い、EK(5S)をテストしたところ、そのミスが抑えられたという。
また、都玲華も同シャフト(5S)を投入済みで、「しなり感、つかまり感がいい」と高評価だった(コスメはプロトタイプ)。
ほかにも安田彩乃、岸部桃子らが投入に前向きとみられる。「手元調子系」ユーザーからの移行が見られ、そこまで走り過ぎない安定感のあるモデルと考えられる。
三菱ケミカル「TENSEI ORANGE」
テンセイの“オレンジ”と言えば、過去にタイガー・ウッズも含めたPGAツアーのハードヒッターが使うイメージも強いモデルだが、今回はややマイルドになった模様だ。
実際にテストをした菅楓華は「打ち出しが上がって、球が強くなった」とコメント。「全米女子オープン」から帰国直後のテストで、「アメリカで飛距離の差を感じて、もう少し飛ばしたかった。データで5~10yd変わりました」と飛距離性能に魅力を感じた。ただ、これまでの安定感を支えてきた「TENSEI Pro Blue 1K」から即変更には至らず、今後の投入に向けて調整を続ける意向だ。
テンセイオレンジはカウンターバランスが特徴。手元側がしっかりしながらヘッドを軽く感じられ、振りやすさが際立つモデル。今回のシャフトはさらにチップ(先端)側のねじれも抑えられており、球が強くなる傾向にあるという。
「ディアマナ BB」を使用する尾関彩美悠も、「飛距離が伸びました。キャリーが出るので、普段越えないバンカーを越えられる」と高評価。ただし慎重派の彼女は「他のウッドのシャフトもテストしてから」と、3Wなどのシャフト調整を重ねてからの投入を検討している。
USTマミヤ「ATTAS RX PURE BLUE」
あの“シャフトを替えない男”金谷拓実がテストをし、投入に前向きになったことで注目されるUSTマミヤの新作が「アッタスRXピュアブルー」とみられる。一昨年の先調子赤系「ATTAS RX SUNRISE RED」、昨年の元調子黒系「ATTAS RX ULTRA BLACK」 に続くモデルで、今回は中調子系と推測される。
好調の永井花奈はサントリーレディスから、この“青”(5R)に替えていた。「ブラックを使っていましたが、しなる場所を少し変えたかった。レッドは合わなくて、青はブラックと振り感が変わらず初速が上がった。さらに左に行く感じがない」と即投入を決めた。いきなり優勝争いを演じて2位で終えたのは記憶に新しい。
また神谷桃歌もシャフトを替えた一人。「以前使っていた青系シャフトと振り感は変わらないが、球の暴れ方が減り左右のねじれが少なくなった」と評価し、サントリーレディスから投入している。
新作の青は女子ツアーでも評判がよく、「癖がない」、「極端にしなる感じがない」、「初速が上がる」といった声が多く聞かれている。
シャフトウォーズ夏の陣。また戦況が見えてきたらレポートしたい。(千葉県袖ケ浦市/服部謙二郎)