旅人ゴルファー川村昌弘「いま僕はローマにいます」
2021年 BMW PGA選手権
期間:09/09〜09/12 場所:ウェントワースGC(イングランド)
「いま僕はココにいます」Vol.124 イングランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、ロンドンにいます。
前週過ごしたローマからはロンドンの(ヒースローではなく)ガトウィック空港への直行便で。約2時間のフライトでした。大手航空会社のチケットは片道で5万円以上したのでLCCを使用しました。こちらは荷物代を入れて1万5000円。
キャディバッグは、欧州ツアーの各試合を渡り歩くトラックが運んでくれました。PGAツアーにも同じようなシステムがありますが、こちらは国と国をまたぎます。運転手の方によれば約20時間ものドライブになるそう。日曜日の夜にローマを出て「きょうのうちにオランダのアムステルダムまでは行きたい」とか。翌月曜の朝にドーバー海峡を渡って、その晩にはコースに到着してくれました。
ローマでの「イタリアオープン」は5位でした。最終日に良いゴルフができて、終盤は優勝も見える位置でのプレーになりました。最終ホールのパー5では、距離を稼げるラインを狙った1Wショットがバンカーのすぐ先のブッシュに入ってしまいました。2打目は“出すだけ”で、結局ボギーフィニッシュ。結果的にイーグルでプレーオフだったので、ナイストライだったと思います。
さて、今週ウェントワースGCでの「BMW PGA選手権」は欧州ツアーのフラッグシップイベントで、“準メジャー”の格式があります。新型コロナ禍で昨年は無観客開催でしたが、巨大なギャラリースタンドも帰ってきました。まだ日本とアジアを主戦場にしていた2014年に初めて出場した際、雰囲気にのまれた21歳の頃を思い出します。
今シーズンはすでに23試合に出場し、平均スコア「69.62」は全体12位。多少はレベルアップできているという実感があります。誰よりも長い時間練習して…ということはありませんが、やはりツアーに慣れてきたことが大きい。環境が成長させてくれたように感じています。
米国ではPGAツアーのシーズンが終わり、前週までフェデックスカッププレーオフの裏で、下部ツアーとの入れ替え戦も行われました。来季の出場権を得るため、そこまで連戦に挑んできたカート・キタヤマ、キラデク・アフィバーンラト(タイ)、クリスティアン・ベゾイデンハウト(南アフリカ)らとも今週コースで再会しました。大西洋を渡って、いきなり練習ラウンドをする様子を見て本当にタフだと頭が下がります。僕も負けてはいられません。
- 川村昌弘Masahiro Kawamura
- 1993年6月25日・三重県生まれ。5歳の時に父と一緒にゴルフを始め、小学生時代には全国大会の常連選手に。ジョーダン・スピースやジャスティン・トーマスらと出場したフランスでのジュニア大会をきっかけに将来の海外転戦を夢見る。高校卒業後にプロ転向し、2013年に20歳で出場した日本&アジアン共同主管大会「アジアパシフィックパナソニックオープン」でツアー初優勝を飾り、海外進出の足がかりを得た。
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