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2011年 WGC HSBCチャンピオンズ
期間:11/03〜11/06 シャーシャンインターナショナルGC(中国)

佐渡充高が簡単解説!初めてのPGAツアー【第十八回】

ここまでは選手の話題が多かったので、道具から2011年シーズンを振り返ってみましょうか。

まず今シーズン、トーナメントで多く見られたのが“ベリーパター”ですね。ベリーパターにはロングシャフトパターとミドルシャフトパターがあって、ミドルシャフトパターは腹部にグリップエンドを当てて、そこを支点にストロークをします。ロングシャフトパターは、チェストパターとも呼ぶ人もいますが、昨今では、体の腹部あたりで支点を作るパターを総称してベリーパターと呼んでいるんです。そのベリーパターの勝率がすごかったですね。キーガン・ブラッドリーの全米プロにはじまり、ウェブ・シンプソンの2勝、その影響でジム・フューリックもベリーパターに変えました。アダム・スコットはアクセンチュアマッチプレー選手権から使用し、マスターズでは2位、BS招待で優勝しました。このベリーパターで優勝した選手があまりにも多いので、これまで過去最高じゃないかな。これだけペリーパターが注目されたシーズンはないですし、これだけ勝ってしまうと禁止にすべきだという声もあがるほどでした。ヨーロッパのセベ・バレステロス財団が行っているミニツアーでは、公平、不公平がはっきりとするまで使用を禁止するルールを設けています。ところがUSPGAはいまのところ、そういった措置を採っておらず将来的にも特に設ける予定はないという姿勢です。ルールにおいては、支点を作って行うようなストロークは禁止されていますが、ストロークの際には体が動くので本当の支点とは言えないため、そう見なされていないわけです。ベリーパターの禁止を訴えている人たちは、「プレッシャーがかかる場面では手が動かなくなる」と言っています。実際に優勝争いをしている場面でのパッティングで、支点を作り右手だけを動かせば、プレッシャーの時に有利なのではないかという見解です。しかし実際にはそうでもない。プレッシャーに弱い人は、右手だけでも萎縮するんですよ。また両手でのストロークが合わない人には、別の感覚が生まれて、そういったプレッシャーから解放されるのでいいと言われています。それが有利かと言われると実際には分からないんですよ。これまでベリーパターで勝った人が少なかっただけで、多くなってきたからと言って禁止になるようなことはまずありません。だからこそ選手がこのベリーパターを試したがるんですよ。

フィル・ミケルソンもベリーパターを使用しています。ミケルソンは、キーガン・ブラッドリーと仲が良く、ブラッドリーが使用しているものを試したら興味が沸いてきて、キャロウェイに自分のパターを作らせたんですよ。それでプレーオフシリーズ初戦のバークレイズから、ミケルソンはベリーパターを使用しています。ミケルソンは「ショートパットはとても良くなったけど、7、8mとか10m以上のパットの感覚を身につけるにはしばらく練習が必要だね」と言っていました。まだ完全に自分のものにしたわけではないようです。ミケルソンが使い始めると、また他の選手も興味を持ち始めますし、特に今シーズン、パットが決められなかった選手にとっては、これだけ注目されれば試してみたくなりますしね。ベリーパターは、長さ、前傾の具合、腹部の出具合、シャフトとヘッドのアングルなど、そのスタイルに応じたものを作らなければならないので、市販品で(体格に)合わせるのは非常に難しいですね。したがって、プロは契約しているメーカーに作らせることはできても、一般のゴルファーが使うとなるとやはり大変な手間がかかるので、あまり浸透しないと思いますね。チェストパターに至っては、48インチくらいの長さになりますと持ち運びに不便、キャディバックにも収まらない・・・など、いろいろな面で問題点が多いので浸透することは一般ゴルファーの中ではないと思います。プロの間では使用する数は増えてくるかもしれません。

もうひとつはホワイトブームですね。何社かが白いドライバーを出していますね。ルーク・ドナルドも、ミズノ契約ではありますが、ドライバーだけはテーラーメイドの白いヘッドを使用していますしね。白の効果ってやっぱりありますね。安心感がある。白は膨張色なので、ヘッドが大きく見えるから構えたときの安心があるんですよ。最近では460ccサイズが基準となっていますが、ひとまわり小ぶりにすると今度は操作性が出てくるようになるんです。もしこれをダークな色にした場合、よりヘッドが小さく見えてしまいます。これまで大きなヘッドのドライバーを使用していた人が、小さく感じてしまうことがないようにと採用したのが理由のようですね。白は膨張色なのでそれほど違和感なく持てますしね。なので、最近では契約メーカー以外の、白ドライバーを手にする選手が増えたのも事実です。パターにも白ヘッドが採用されています。これまでは白は意外と敬遠してきたカラーでしたが、これまでの常識的なところを破って、新しくクラブに“白”という色が加わったことが2011年シーズンの新しい流行でしたね。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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