ハワイで開幕第2戦 池田勇太、松山英樹らが参戦
2013年 ソニーオープンinハワイ
期間:01/10〜01/13 場所:ワイアラエCC(ハワイ州)
<佐渡充高の選手名鑑 59>ジョンソン・ワグナー
■ 「ソニーオープンinハワイ」2012年の試合展開
首位に立つジェフ・マガートとマット・エブリーに、2打差3位タイで最終日を迎えたジョンソン・ワグナー。フェアウェイの狭いコースに強風が吹きつけ、さらに難易度が高い最終日となった。首位の2人がスコアを崩す中、ワグナーは前半に1つ、後半は2つスコアを伸ばして「67」をマークし、通算13アンダーと逆転した。特にバックナインでは、ノーボギーという安定感が光り、それが勝因となった。2位は11アンダーでチャールズ・ハウエルIII、ショーン・オヘアーらが続いた。
■ ジョンソン・ワグナーのプロフィール
ワグナーは1980年3月23日、テキサス州のアマリロで生まれ、現在はノースカロライナ州シャーロットに在住だ。父はウエストポイントにあるミリタリーアカデミーでコンピューターサイエンスの教鞭を執り、祖父は米国ゴルフ協会で活躍した。そんな家庭環境の中でワグナーは中学、高校時代はアイスホッケー部に所属し、キャプテンも務めた。バージニア工科大学では、PGAツアーで活躍するブレンドン・デ・ヨング(ジンバブエ)とチームメイトになった。ワグナーは身長188センチ、体重104キロの巨漢。最近ではトレーニングとダイエットでかなり体を絞っている。
■ 「マスターズ」出場権を手繰り寄せた口ひげ
昨年の初戦では、ワグナー夫人には不評ながら、鼻の下に立派なひげを蓄えて登場。本人もヒゲは初めての試みだそうだ。前年のオフから伸ばし始め、「念願のマスターズに出場できたら落とすつもりでいた」と、“春”限定のヒゲと考えていた。しかし、ひげを生やして「ソニーオープン-」で優勝を果たし、そこからゲンを担ぎたくなった。「今年はひげで戦おう」。昨年の終盤には、きれいさっぱりひげを落し、新たな気持ちで挑んできたが、前半ほどの好成績を上げることはできなかった。今年はどんな風貌で挑んでくるのか。また、ワグナーは土壇場に強い選手でもある。2008年「シェル・ヒューストンオープン」でツアー初優勝を挙げると、「マスターズ」出場切符、最後の1枚を獲得した。2011年にはシード権を失い、これで運が尽きたかと思ったシーズン序盤の「マヤコバゴルフクラシック」でツアー2勝目を飾って、2年間のシード権を獲得。全く無駄なく・・・というべきか、綱渡りながら、土壇場での強さを証明している。ワグナーはニューヨーク州、ニュージャージー州などのメットエリアでは若い頃からよく知られた選手だ。2007年には、当時105年の歴史を誇るニューヨーク地区のメトロポリタン・ゴルフ協会が主催する、地元のメジャーと言われる3試合すべての大会で優勝を果たし、トリプルクラウン達成した。その頃は“ワグナースラム”とまで言われ、将来を期待されると、それに応えるべく優勝を重ね始めた。
- 佐渡充高(さどみつたか)
- ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。