マスターズ出場へかすかな望みを託すシームの戦い
2013年 バレロテキサスオープン
期間:04/04〜04/07 場所:TPC San Antonio
バレロテキサスオープン3日目
バレロテキサスオープンの2日目を終え、首位をマークしたビリー・ホーシェルは、このままトップを維持する可能性について自信をのぞかせていた。
cms:nextpage}ホーシェルの知名度は、あまり高くはない。そんな新進気鋭の選手が、3日目に2アンダーの「70」をマークし、2位以下に2打差をつけてトップをキープ。前日に見せた自信どおりの結果を出し、最終日へと挑む。
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ホーシェルは、先週開催されたシェル・ヒューストンオープンを2位フィニッシュ。これでPGAツアーの最終ラウンド進出は21大会連続となる。
それでも今大会でホーシェルが挑む、優勝への道のりは危機的状況だ。すぐ後ろにつけているのは、元メジャー覇者のジム・フューリック、ロリー・マキロイ、パドレイグ・ハリントンら。PGAで初のタイトルを獲得するには、彼らをかわさなくてはならない。言うまでもないことではあるのだが…。
「ここにいるスターを羨望の眼差しで見たことはないんだ。ベテラン選手のことはみな尊敬している。ここまできた選手全員を尊敬しているよ」そう語るホーシェルは、「でもそれと同時に、僕は自分のことも今までにないほど自信に思う。今の僕は、他の選手と同じように世界レベルにいると感じているんだ」と明かす。
最終日を明日に控え、首位ホーシェルを2打差で追いかけるのは、フューリックとチャーリー・ホフマン。さらにその下4打差で後を追うのは、前世界ランク1位のロリー・マキロイを含む3選手だ。マキロイは、来週の「マスターズ」に向け、今大会での勝利を貪欲に狙ってくるだろう。
マキロイは3日目を1アンダーの「71」とし、通算6アンダー。2日目は「67」で回っているが、3日目にティショットの安定感を欠き、4バーディを奪うも3ボギーだった。現在世界ランク2位のマキロイが、フェアウェイをキープしたのは14打中わずか7打。今大会2度目だったという。オフシーズンに道具を変えてからというもの、今季はプレーの内容が上下している。
マキロイが今大会出場を決めたのは、先週末ギリギリのタイミングだった。「マスターズ」前に可能な限り、実践ラウンドでの勝負を求めたという。もし「マスターズ」で優勝すれば、昨年8月の全米プロゴルフ選手権以来のメジャータイトル獲得となる。
「今日はスコアを伸ばすのが難しかった。アンダーパーにするのはかなり厳しかった…。何打か良くすることもできたかもしれないけれど、結果終わってみれば、なんとか良いラウンドだし、まだ明日に向けてチャンスはあるね」とマキロイは振り返っている。
ライアン・パーマーはこの日、4アンダーの「68」とロースコアを叩き出した。
フューリックは、今週初めて同大会のコースでプレーしたといい、水曜日も雨の影響で4ホールしか練習できていないものの、18番でこの日3つ目のバーディを奪うと、最終グループへと無事に駒を進めている。
元USオープン覇者のフューリックは、ティショットからグリーンでのアプローチまで安定感を見せ、15ホールでパーオンをマークした。この日は現地アントニオの風が大会中初めて南向きに変わった。そんな中、フューリックは見事な成績を収めたのだが、2日はパット数26だったのに対して、3日目は31を要した。
フューリックは、「不思議なことに、今朝起きたら風の向きが真逆だったんだ。初日と2日目はハイブリッドを使用したけれど、今日は9番アイアンを使ったよ」と語り、「風の向きが変わる前に2ラウンド回れて良かった」と明かした。
フューリック、マキロイ、ハリントンは、いずれもメジャーで優勝した経験を持ち、首位まで5打差以内につけている。マキロイは3日目、最初の3ホールで2バーディを奪い、ホーシェルがスタートする前に、通算7アンダーの1打差に迫った。
結局マキロイはその後、4番ホールでボギーを叩くと、10番、11番でもボギー。続く12番、14番でバーディを重ね、通算4アンダーで、優勝戦線に留まった。
一方のホーシェルも、天候が穏やかになって風が出てくるにつれて、マキロイ同様、スコアを上下しながらラウンドを回った。この日5バーディのホーシェルは、14番ホールで6フィートのバーディパットを決めると、一時は通算11アンダーをマーク。この日のパット数を23とした。
ホーシェルと同組だったホフマンは、8番でバーディを決めた後は一時的に首位に立った。ツアー2勝を誇るホフマンは、8番ホールでバーディを奪って通算9アンダーとすると、ホーシェルが同ホールをボギーとして、通算8アンダーとなっていたのだ。その後、続くパー4ホールで連続バーディを奪うと、ホーシェルはすぐに首位を取り戻した。
ホーシェルは、「人に言われるまで、首位から陥落していたなんて気づきもしなかったよ。8番ホールの後に自分が首位だろうと、今現在も自分が首位であろうとも、気にはしていられない」と語るも、「自分が良いプレーをしていたのは分かっていたけれどね」と明かす。
26歳のホーシェルは昨季、PGAとウェブドットコムツアーで思うような成績を残せず、賞金ランキングも147位に終わった。Qスクールでは4位でツアー参加権を獲得するも、昨年5月のバイロンネルソン選手権では予選を敗退している。ところが、続く6月のトゥルーサウスクラシックで3位をマーク。そして、先週のシェル・ヒューストンオープンでは、最終日を「66」で終え、D.A.ポインツに次ぐ2位の成績を収めた。好調をキープしたホーシェルは、今大会でも初日、2日目で4アンダーの「68」をマーク。ここグレッグ・ノーマンが設計したオークスコースでも安定感を保っている。
大会3日目はコース中で風が吹き荒れ、調子を維持するのは大変だったかもしれないが、ホーシェルはなおもPGAツアー初勝利を視野に収めている。
「気負うことなくプレーしようと思う。過去に学んだんだ。気負わない方がうまく行くってね」と、ホーシェルは語った。