別次元の死闘 ステンソンVSミケルソンの一進一退
2016年 全英オープン
期間:07/14〜07/17 場所:ロイヤルトゥルーンGC(スコットランド)
歴史に刻む雄叫び ステンソン死闘Vは記録尽くし
海外メジャー「全英オープン」の最終組で繰り広げられた、メジャー史に残る名勝負。最後はヘンリック・ステンソン(スウェーデン)が3打差で同組を回るフィル・ミケルソンを振り切り、念願のメジャー初優勝を手にした。
1打差リードの単独首位で迎えた最終日を10バーディ、2ボギー、ミケルソンが初日に記録したメジャー最少ストロークに並ぶ「63」をマーク。通算20アンダーはメジャー史上の最多アンダーパータイ、264ストロークは最少ストロークを更新する歴史的快挙となった。
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2打差リードで迎えた最終18番。ピン左手前8mからのバーディパットがスローモーションのようにカップ右から転がり落ちると、カップに歩み寄る途中で両手を振り下ろして咆哮。「まだ信じられない気分だ。自分のプレーを誇りに思うよ」。2013年には史上初となる米国ツアーの年間王者と、欧州ツアー賞金王の2冠を達成した欧州のスタープレーヤーに、唯一欠けていたメジャータイトルを手にした瞬間だった。
スコアだけではない。世界ランク5位に浮上した40歳は、スウェーデン国籍の選手として初のメジャー制覇という新たな歴史をも切り開いた。
“オレたちはいつになったら欧州メジャー(全英)チャンピオンになれるんだ?”。2007年の「全英オープン」でパドレイグ・ハリントンがアイルランド勢として60年ぶりの優勝を飾ったときに、スウェーデン勢たちの間で交わされた話だった。
1994年と97年の「全英」でいずれも2位に終わり、現在はシニア入りしている同郷のイェスパー・パーネビックからは、「オレができなかったことを、お前が成し遂げてくれ」というメッセージを託されていた。「実現できて、誇らしい思いでいっぱいだ。この優勝で、スウェーデンにゴルフがもっと浸透するだろうね」。8月の「リオデジャネイロ五輪」にも出場予定のベテランは、母国を思いながら充実感に浸った。
<4大メジャーの最多アンダーパー、最少ストローク記録>
■最多アンダーパー
・マスターズ -18(1997年/タイガー・ウッズ)
・全米オープン -16(2011年/ロリー・マキロイ)
・全英オープン -20(2016年/ヘンリック・ステンソン)
・全米プロ -20(2015年/ジェイソン・デイ)
■ 最少ストローク
・マスターズ 270(1997年/タイガー・ウッズ)
・全米オープン 268(2011年/ロリー・マキロイ)
・全英オープン 264(2016年/ヘンリック・ステンソン)
・全米プロ 265(2001年/デビッド・トムズ)