マーク・オメーラ、「ミュアフィールドで時計の針が戻って32歳になった気分だ」
2013年 全英オープン
期間:07/18〜07/21 場所:ミュアフィールド(スコットランド)
【藤田寛之専属キャディ・梅原敦の全英OPレポート2013<4>】
藤田さんの調子は決して悪くはなかったんです・・・むしろショットの調子は良かった。あのショットなら絶対に上位に入れるはずだもん。それだけに今日のこの結果は、もちろん藤田さんは耐えられないぐらい悔しいでしょうけど、僕も同じように悔しいですね。
今日の“敗因”はグリーン上でした。あの藤田さんが、最初から最後まで1度もタッチが合わなかったんです。後半は4度の3パット。恐らく藤田さん自身のゴルフ人生でも、ハーフで3パットを4回もすることなんてこれが最初で最後でしょうね。
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藤田さんは練習日から、パッティングの調子もショット同様に良かったんです。練習グリーンでのストロークなんて本当に完璧だった。じゃあ何で!?って、お思いでしょ。僕もそう思いましたから。実はね、今日、初日になってグリーンが一変したんです。グリーンどころかフェアウェイも。藤田さんに言われて気付いたんだけど、確かに昨日までは、もう少し芝生が青々としていたような気がします。
原因は急激な乾燥かもしれません。昨日までは全然違ったのに、今日は手が日本の真冬のように“荒れ荒れ”になりましたから。クラブを拭くタオルも1ホールでカラカラになるし。それでいて気温も高く風も強いから、芝生は枯れて硬さはさらに増しました。
途中で藤田さんが言ったんです。「パターのアドレスの時にヘッドをソールしたら、スッと少し滑るんだよ!」って。それだけグリーンの表面がツルツルなってたんですね。藤田さんはその現象で自分がいつも無意識にソールしていた事に気付いたって言ってたから、相当ですよ。おそらくグリーンの速さはマスターズ並みになっていたでしょう。
でも、オーガスタは芝生がしっかりしていてあの速さだからまだ納得出来るけど、今日のミュアフィールドはカラッカラのツルッツル。ある意味本当に“ガラスの上”ですよ。それでいて練習グリーンは昨日の状態のまんまだから、それじゃあ、選手は対応しきれないですね。
でもね。こればっかりは藤田さんだけに訪れた試練じゃないですから・・・。特に風が強くなった午後スタートの人たちには確かに不利な条件だったけど、そんな中でもアンダーパーで回ってきている選手もいます。ここでそんなことを嘆いていたら、僕らに明日は見えてこない。調子が良くて、準備万端の状態で7オーバー。これが藤田さんの嘘偽りの無い初日の成績です。
コースマネージメントに関しては、下が予想外に硬くなっていた分、ちょっと飛び過ぎたホールがいくつかありましたが、ほぼイメージ通りには攻められたんじゃないかな。ジム・フューリックとのラウンドが凄く幅を広げてくれましたね。でもそんなフューリックも同じく7オーバー。フューリックは何がダメなんだろ?あのショットならどこに行っても大丈夫だと思うんだけどな・・・。
藤田さんは本当に良い状態です。僕の予想では完璧に攻めきれば2アンダーで回ってこれるはず。予選カットがいくつかちょっと予想はつかないけど、とにかく明日は2アンダーで回ってきますから。いくら海外メジャーであろうとも、藤田寛之がこの調子で予選を落ちるわけがないですもん。絶対に予選を通過して、決勝ラウンドでフューリックと回るんだ。
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