松山英樹のマスターズ 12年間の足跡<前編/2011-2017>
2024年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
松山英樹のマスターズ 12年間の足跡<後編/2018-2023>
◇メジャー第1戦◇マスターズ 事前情報◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7555 yd(パー72)
松山英樹にとって13回目の出場となる「マスターズ」。前編に続き、後編では2018年から23年までの戦歴を振り返る。
2018年/左手痛で戦線離脱からの出場に「よく頑張った」
「73」「71」「72」「69」=「285」 通算3アンダー19位
「期待はゼロ」と話した開幕前。3連覇がかかっていた18年2月「WMフェニックスオープン」を左手親指付け根の痛みで棄権し、3月中旬まで戦列から離れていた。
それでも29位発進から「71」とスコアを伸ばし、通算イーブンパーの18位で決勝へ。ラウンド中に左手の痛みを感じながらも「棄権するほどじゃない」と週末まで戦い抜いた。最終日は大会4度目の60台となる「69」と底力を発揮して19位でフィニッシュ。「4日間できるとは思わなかった。よく頑張ったなって感じです」と自らを労った。
2019年/初日の出遅れ響く ウッズ復活Vに「不思議はない」
「75」「70」「68」「72」=「285」 通算3アンダー32位
初日は3連続ボギー発進が響いて3オーバー63位タイと出遅れ、目標のメジャー制覇にいきなり黄信号がともった。それでも2日目「70」と巻き返し46位で決勝へ。3日目は後半17番までに8バーディ、2ボギーと伸ばしたが、18番のダブルボギーで「68」にとどまり32位で終えた。
同年はタイガー・ウッズが08年「全米オープン」以来となる11年ぶりのメジャー通算15勝目。松山は「なんの不思議もない。普通にやればそういう力がある人」と述べ、憧れの人の完全復活を自然に受け入れていた。
2020年/コロナ禍による秋開催で週末失速 「必ず勝てるように」
「68」「68」「72」「72」=「280」 通算8アンダー13位
新型コロナウイルス感染拡大という未曽有の事態により大会は史上初の延期となり、11月に無観客で開催。松山は5バーディ、1ボギー「68」、初日としては自身初の60台をマークして10位で発進した。2日目は3ホールを残して日没順延となり、首位に1打差の通算8アンダーで週末へ。決勝ラウンドは「72」を並べるにとどまり、同スコアのまま13位で終えた。
「うまくいったところもあるし、悪かったところもある。結果としてはすごく悔しいけど、良い一週間だったと思う」と振り返り、秋のオーガスタを去った。
2021年/アジア勢初のマスターズ制覇 悲願を遂げる歴史的快挙
「69」「71」「65」「73」=「278」 通算10アンダー 優勝
ローアマチュアに輝いた2011年大会から10年。ちょうど10回目の出場となったマスターズで、グリーンジャケットに袖を通す悲願を遂げた。
昨秋のマスターズから5カ月後。21年大会は、キャリアで初めて3連戦目に組み込むスケジュールで乗り込んだ。初日は前半8番(パー5)でイーグルを奪うなど「69」。4打差2位と自己最高のスタートを切ると、2日目「71」として3打差6位で決勝進出。さらに3日目は1イーグル5バーディで大会自己ベストの「65」をマークし、4打差リードの単独首位で最後の18ホールを迎えた。
前半8番(パー5)からの2連続バーディでリードは最大5打差に。終盤4ホールで3ボギーを喫するなど「73」と落としたが、それまでの貯金を生かして後続を1打差で振り切った。アジア勢のマスターズ制覇は史上初、4大メジャー制覇は2009年「全米プロ」優勝のY.E.ヤン(韓国)以来2人目の快挙。20代最後のシーズンに夢をかなえた瞬間だった。
2022年/史上4人目の連覇ならず チャンピオンズディナーは好評
「72」「69」「77」「72」=「290」 通算2オーバー14位
開幕1カ月前から体の痛みに苦しみ続けた。3月初旬に発症した首痛が長引き、以降の2試合はスタート前棄権と欠場。オープンウィークを挟んだ開幕前週も第2ラウンド途中で棄権した。2週前に応じた取材では「やっときのうから練習をしっかりできるようになった」と明かしていた。
開幕2日前には恒例のチャンピオンズディナーを主催。英語でのスピーチをジャック・ニクラスらに称賛され、すしや宮崎和牛などの和食で統一したメニューも好評だったという。まずは、前年覇者としての大仕事をしっかりとやってのけた。
大会史上4人目の連覇がかかる一戦は、首位に5打差の好位置で予選を通過したものの、3日目「77」で優勝戦線から離脱。通算2オーバーの14位に終わり、表彰式でスコッティ・シェフラーにグリーンジャケットを授けた。
2023年/連日の日没順延 手負いの体に悔しさにじませる
「71」「70」「70」「75」=「286」 通算2アンダー16位
開幕2週前の「WGCデルテクノロジーズ マッチプレー」は首に痛みが出て途中棄権したが、「元気よく来られて良かった」と10年連続12回目のオーガスタ入り。初日は両手首にもテーピングを施しながら「71」で回り、首位に6打差の1アンダー26位と無難なスタートを切る。
2日目以降は悪天候により日没順延が続く中、通算3アンダーの16位で予選を通過。首位に6打差の5位で迎えた最終ラウンドは「75」とスコアを落とし、16位で戦いを終えた。「やっぱり体が4日間、良い状態でプレーできないのが悔しい」と述べ、もどかしい気持ちを言葉にじませた。