どうするワクチン接種 周囲の意識とのギャップと松山英樹
2021年 ザ・メモリアルトーナメント
期間:06/03〜06/06 場所:ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)
悩みヘコむ 金谷拓実の「わずかな希望」
◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 事前情報(2日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7543yd(パー72)
コースチェックを終えた後の練習は2時間以上続いた。降りしきる雨も気にならない。アイアンからフェアウェイウッド、ドライバーと順番に番手を長くしてため息をつく。クラブを地面にたたきつけたい衝動を抑えながらスイングを重ね、今度は天を仰いだ。金谷拓実はひたすらに悩んでいた。
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2週前に初挑戦した「全米プロゴルフ選手権」で予選落ちし、前週のオープンウィークは今大会および週明けの7日(月)に近隣コースで行われる「全米オープン」の予選会に備え、オハイオ州内で練習に励んだ。「今週は良いプレーができるように頑張りたい」と言葉にはするが、表情は硬いままだ。
「国際トーナメントの賞金レース1位の選手」という特別枠で出場する今大会は、PGAツアーでも格の高い招待試合。ホストのジャック・ニクラスがデザインした会場のミュアフィールドビレッジGCは屈指の難度を誇る。
「全米プロに比べるとフェアウェイは少し狭く、ラフに入るとなかなかチャンスを作るのが難しい。グリーンも小さい」とコースチェックをして思った。「自分が高校生の時(2014年)に松山さんが初優勝したのをテレビで見ていた。本当にすごいコースで優勝されたんだな…と感じている」
アマチュアでエリート街道を突っ走り、プロ転向後いきなり日本ツアーをリードする存在になった23歳が、海を渡ってぶち当たった壁。「全米プロ」2日目に記録した「86」のスコアが胸を裂く。「自信も全くない。調子も何もない。コースもメチャクチャ難しい。楽しくない。コースが難しいか、難しくないは別にしてフィールドのレベルの高さもある」。並ぶ言葉はネガティブなものばかりだ。
ようやく上がった雨。「今はキツいなあと思うす。『86』を打った後やし」と視線を雲に飛ばして思う。今の自分がこの世界最高峰の舞台で通用するかは確証がない。ただ、ここが終わりでないことも分かる。
「わずかな希望としては…、高校2年生の時に『オーストラリアンオープン』で『85』を打ったんです。でも4年後(2019年)に同じ大会で3位タイに入った。そういうことが起きてくれるかなと信じながら練習をしています」。この先も頼りにするのは、きょうと同じように地道に積み上げていく日々だ。(オハイオ州ダブリン/桂川洋一)