<平塚哲二の“チャック全開事件”の全容とは・・・!?>
チャック全開も…愛すべきビッグレフティ/海外ゴルフ回顧録
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、各国で大規模イベントが中止や延期に追い込まれた2020年。プロゴルフも例外ではなく、選手たちの熱戦を見られない期間が続いています。自粛ムードが漂うなかではありますが、再開のときが来ることを信じ、ゴルフカメラマンの厳選写真で世界のゴルフに思いを馳せます。(JJ田辺カメラマン)
衰えぬフィル・ミケルソン人気
さて、衝撃写真です。こちらは2009年ニューヨーク州ベスページ州立公園で行われた「全米オープン」でのシーン。ティショットを放ってから、仮設トイレで用を足してきたフィル・ミケルソン。周りのギャラリーが大声援を浴びせた後に、クスクスと笑っています…。不思議に思い、あとで写真を見直してみると…、あら、ズボンのチャックが全開。途中気づいたミケルソンは、照れ笑いを浮かべてジッパーを上げながらも、堂々とプレーを続けていました。
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メジャー通算5勝、PGAツアーで歴代9位の44勝。ビッグレフティにはタイガー・ウッズにも勝るとも劣らない視線が向けられます。実績で言えば、非の打ちどころのないアメリカンヒーローのようですが、その人気はコミカルなキャラクターと、おっちょこちょいな人柄にもあると感じます。最近ではCMで(ヘタクソな)ダンスを披露したりと憎めません。
開催が9月に延期された今年の「全米オープン」の会場、ウィングドフットGCには因縁があります。同大会が前回当地で行われた2006年、ミケルソンは最終日の最終ホールでマネジメントミスからダブルボギーをたたき、1打差で優勝を逃しました。惜敗のコメントは「ボクはバカだ(I’m an idiot)」。他のメジャーの3タイトルはすでに手にしていますが、この「全米オープン」は過去6回2位となり、キャリアグランドスラムを達成できていません。
6月16日が誕生日のミケルソンは今年50歳になります。シニア入りはおそらくすぐにはせずに、まだまだレギュラーツアーを引っ張っていってくれることでしょう。そして、9月には14年越しの“リベンジ”もかかっています。これからもどうか、僕たちの三枚目ヒーローでいてください!
田邉安啓(JJ)
福井県出身。ニューヨークを拠点にゴルフカメラマンとして活動する。1991年に渡米し、大学卒業後の96年から米国のゴルフ場で勤務した。98年からゴルフカメラマンとして、PGAツアーやLPGAツアーを撮影。現在は年間30試合以上を取材。