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カレンダーに〇をつける 河本結/いまどうしてる?

米ツアー挑戦の第一歩を踏み出した2020年は、思いがけない中断を余儀なくされた。年明けから3試合に出場したが、その後は日米両ツアーともに試合がない。「もう一回、オフだと思ってトレーニングや練習量を増やしています。試合で吸収してうまくなることができないので、基礎を太くする作業をしています」。3月末に実家のある愛媛県に戻った河本結は、静かに準備を続けていた。

ぽっかりできた空白時間。河本は1年後のシーズンオフに取り組む予定だった課題修正に、前倒しで着手した。調子が悪くなると、ダウンスイングで上体が右側に倒れて、クラブが鋭角に入る悪い癖。練習とトレーニングで矯正できるが、「目の位置が2センチくらい変わるので、球の見える角度が違ってくる。前よりも出球が遅れて、右に飛んでいるような感覚なので、そこをすり合わせている」という。「いまのところ完成の6割くらい。スイングはできていても、コースで使えるかだし、試合で打てるか」。それが、あと2割ずつの内訳だ。

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再開時期も、今シーズンのリランキング(リシャッフル)や賞金シードがどうなるかもまだ決まっていないが、「どっちつかずになるのが一番ダメ」と、まずは米ツアーのシード確保を目指していく。LPGAコミッショナーのマイク・ワン氏からは、選手たちに頻繁にメッセージが送られてくる。「どこにいても状況はすごくわかりやすい」とインターナショナルツアーらしい配慮を感じている。

東京五輪が丸1年延期されたことにより、今年中にツアーが再開されれば、単純にオリンピックまでの試合も増える。「チャンスは増えたかなと思う。私だけじゃなく、みんなにチャンスがある」。現在、河本の世界ランキングは日本勢5番手の62位。それでも、日本の上位選手でポイント付与の高い米ツアーを主戦場とするのは、畑岡奈紗と河本の二人だけだ。

試合から遠ざかる時間が長くなり、「あの緊張感とギャラリーさんの声援が、ものすごく大事だった」ことを痛感している。「もちろん練習はするけど、脳内がヒマというか…。シーズン中は日常もなにかしら緊張感を持ってちょっとトゲトゲしているけど、それがない。身体はすごく仕上がっているけど、試合感覚の頭の使い方と考え方は、感じられていないですね」。

誰もが似たような状況に苦しんでいるはずだ。そんなとき、河本にひとつの信念がある。「継続は絶対に力になる」。4月からは日課にバット素振りを取り入れた。家に帰ってきたら1日100回。野球用バットをゴルフスイングの要領で振る。できた日はカレンダーに「○」をつける。「丸を書かないと気がすまなくなるし、試合で最終ホールを迎えたときに、『あのとき、毎日誰よりも多く振っていた自信があるから大丈夫』って思えたら強いから」。先日、テレビで放送されたプロ野球の山川穂高選手(西武ライオンズ)と落合博満氏の対談を見た。「スイングが悪くなったとき、落合さんは暗闇でバットを振る。そうすると使っている筋肉が分かるって言っていたので、今度やってみようと思います」。技術向上の種は、いたる所に落ちている。

アメリカに飛び出したはずだったが、いまは一転自宅にいる。プロを目指す弟と、両親もいる。「これからは家族4人で同じ時間を過ごすこともできないと思うので、逆に一日一日を大切に過ごしています。お父さんは仕事に行って、お母さんも仕事をして、私と弟は練習をする。それぞれの仕事をしてからみんなでご飯を食べるのは、すごく良い気持ちです」。なにげない普段の生活から、小さな差を生んでいく。(編集部・今岡涼太)

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