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首位発進のバッバ・ワトソンが魅せた“富士山イーグル”

世界ランク4位の実力を日本のファンに見せつけた。国内男子ツアー「三井住友VISA太平洋マスターズ」が12日、静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開幕。2年連続出場のバッバ・ワトソンが「63」(パー72)でプレーし、9アンダーで単独首位発進を決めた。

気温がわずかに10度を上回った午前9時35分。曇り空の下、石川遼、前年覇者のデビッド・オーと同組でティオフしたワトソンは、もちろんこの日最大のギャラリーを引き連れた。出だしの10番から、ティショットで2人よりも遠くにボールを飛ばし、さっそく観衆をどよめかせた。

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圧倒的な飛距離だけでなく、正確なアプローチ、繊細なパッティングを随所に光らせ、12ホール目まで終えて5バーディ、ノーボギー。しかし、この日のハイライトは、4番で記録した初ボギーの後からだった。

5番パー4(399yd)。右ラフから残り104ydの2打目。56度のサンドウェッジで放ったショットが、そのままカップに吸い込まれイーグル。本人もカップインは見えず、ギャラリーの大歓声で気づいたという。「このホールでは、この日初めて富士山が見えた。ボギー直後に力をくれたんだ」と振り返った。

ワトソンのプレーに見入っていたギャラリーは見逃したかもしれない。正午過ぎからコース上空には晴れ間が広がり、木々の間からわずかに山頂の雪化粧が見えていた。

これで勢いづいたワトソンは止まらない。1.5m残した6番(パー5)のバーディパットは、多くの選手が「重い」と評したグリーンに速度を殺されながらもジャストタッチでカップを鳴らした。7番(パー3)は4m、8番では下り6mのラインを読み切り3連続バーディ。残り5ホールで5ストローク伸ばし、気づけばリーダーボードの一番上にいた。

「素晴らしい一日だった」とプレー内容に満足そうだ。だが、結局24位で終わった昨年大会も、初日は首位だった。「今年は少なくとも、それ以上はいきたいね」と笑い、首位発進にしてはかなり控え目なゴールを掲げた。頂点への意欲はなだらかな稜線を描く富士山のイメージで盛り上げていくつもりだろう。(静岡県御殿場市/林洋平)

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2015年 三井住友VISA太平洋マスターズ

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