最終日を沸かせた、主役達のコメント
史上最年少優勝!15歳9ヵ月で達成したのはツアー初挑戦の石川遼
国内男子ツアーの救世主となるのか!?岡山県の東児が丘マリンヒルズGCで開催された「マンシングウェアオープンKSBカップ」最終日。並居るプロゴルファーの中で、167センチと小柄な少年が優勝杯を持って大ギャラリーの歓声に応えた。
都内の杉並学院高等学校に通う1年生の石川遼(15歳9ヵ月)が、アマチュアとしては1980年の「中四国オープン」で優勝した倉本昌弘(当時25歳)以来。日本ツアーでは、1977年に「日本オープン」を制したセベ・バレステロス(20歳7ヵ月)を大きく上回る最年少記録を打ち立てた。
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この大会は初日が強風のため競技が中止となり、2日目、3日目に1ラウンドずつ行われ、最終日に決勝ラウンドの36ホールを戦う変則的なスケジュールとなった。プロの試合に初めて出場した石川にとっては、なにもかもが初体験。この長丁場の戦いも「最後まで疲れたとか弱音を吐かないように心がけた」という言葉通り、思い切りの良いスイングは最終ホールまで続いた。
「途中何度かスコアボードを見た」という石川だが、緊張のあまりスイングが萎縮することなどなかった。ドライバーショットは常にフルスイングで、アプローチなど小技も難しいグリーンを攻略しスコアを伸ばしていった。圧巻だったのは17番パー3、ティショットを左サイドに引っ張りバンカーへ。下り傾斜の難しいラインだったが、ボールの手前を鋭く振りぬくエクスプロージョンで、グリーンに落ちたボールはそのままカップに吸い込まれた。
最終18番パー5も3オン狙いのレイアップはせず、果敢にフェアウェイウッドでグリーン方向を狙った。結果、グリーン手前のバンカーに捕まったが、そこからも思い切りのよいショットでピンをオーバーさせ、アプローチとパターでパーセーブ。2位に1打差の通算12アンダーで優勝を飾った。
女子では2003年には宮里藍が優勝を果たすなどアマチュアとプロの差はあまり大きくないと言われてきた。ところが、飛距離や体力面で考えると男子ツアーでは、アマチュアが優勝するなど不可能に近いと思われていた。今回の石川の優勝は、男子ゴルフ界に大きな影響を与える。これからプロを目指すジュニア世代やトップアマチュアには大きな勇気を与え、プロは更なる練習を重ねアマチュアとの差をつけようと努力をするだろう。男子ツアーの注目度が本格的に高まってくるのはこれからだ。