ホームズが圧巻の10アンダー発進 松山英樹は出遅れ59位
2015年 WGCキャデラック選手権
期間:03/05〜03/08 場所:トランプナショナルドラール(フロリダ州)
“Xデー”まで10カ月 中・長尺パター使用選手の動向は?
全英ゴルフ協会(R&A)と全米ゴルフ協会(USGA)がパターグリップを体の一部に固定して打つアンカーリングの禁止を発表してから、間もなく2年が経とうとしている。新ルール開始となる2016年1月1日の“Xデー”まで10カ月に迫り、中・長尺パターを愛用してきた有力選手は、次々と通常のパターにチェンジしてきた。
今週開催の「WGC キャデラック選手権」では、長尺パターで13年「マスターズ」を制したアダム・スコット(オーストラリア)が、ついに通常パターに戻したことが話題になっている。注目の初日は、2アンダー8位タイの好発進。「ロングパットは完璧ではなかったけれど、全体的な感触は良かった」と、この日27パットに納得の言葉を並べ、ストロークス・ゲインド・パッティング(パット貢献度)では全体4位の2.993を記録した。
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興味深いのは、この日のスコットをはじめ、トッププレーヤーたちの多くが通常パターに替えた直後に好成績を残していることだ。
11年「全米プロゴルフ選手権」を制し、初の中尺パター使用の優勝者となったキーガン・ブラッドリーは、通常パターに戻してから実戦で初投入した昨年12月のツアー外競技「ヒーローワールドチャレンジ」で3位フィニッシュを飾った。先月の「ノーザントラストオープン」でも4位の成績を収めている。
中尺パターを使用して12年「全米オープン」でメジャー初制覇を遂げたウェブ・シンプソンも、昨年11月の日本ツアー「ダンロップフェニックストーナメント」から通常パターを使用。初日を23パットに抑えるなど、やはり高い適応力を示してみせた。
同じく中尺パターの使い手だった米国ツアー1勝(11年/バレロテキサスオープン)のブレンダン・スティールは、米国ツアーで通常パターを初使用した14年「トラベラーズ選手権」初日に「62」をマークし、首位発進を切っている。
「長尺と比べてフィーリングがフレッシュで、楽しい感覚だね」とスコット。中・長尺パターを愛用してきた最後の大物も、まずは上々のスイッチを遂げた。果たしてアンカーリング騒動は、順調に収束へと向かっているのだろうか? その答えは、議論の発端となった彼らの今後に懸かっている。(フロリダ州ドラール/塚田達也)
塚田達也(つかだたつや) プロフィール
1977年生まれ。工事現場の監督から紆余曲折を経て現在に至る。35歳を過ぎてダイエットが欠かせなくなった変化を自覚しつつ、出張が重なると誘惑に負ける日々を繰り返している小さいおっさんです。