マスターズ制覇のスピースが世界2位に躍進 松山も2ランク浮上
2013年 マスターズ
期間:04/11〜04/14 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
PGA Tour Rookie / Ryo Ishikawa(8) オーガスタでの準備
ゴルフにおいては、ショットを放つ際のロケーションはプレーヤーにとって多かれ少なかれ重要だ。持ち球、クラブの性能、調子…試合前までに準備してきたはずのものが、視覚的要素で微妙なズレをきたす。そんな経験はプロ、アマを問わずゴルファーなら何度となくあるもの。美しきオーガスタナショナルでも、トッププレーヤーたちを惑わすのだから。
2013年4月を迎え、いよいよ「マスターズ」の季節になった。5年連続の出場を果たす石川遼は例年通り、大会前週をオープンウィークとしてジョージア州オーガスタに入る。米ツアー本格参戦1年目の成績は現在のところ芳しくなく、この期間で臨戦態勢を整えたい。
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ところで石川は昨年、本番に向けた調整法を変えた。初挑戦から3年、2011年までは当地に入った直後からオーガスタナショナルGCで練習ラウンドを開始。初出場の09年は大会前週の火曜日にプレーしている。しかし昨年は、近隣のゴルフ場での練習を十分に行ってから、前週末に実際のコースでのラウンドを始めた。
「10番はギャラリーが入ると、ものすごくフックを打たなきゃいけないような気がするんです。でも本当は普通のドローでいいはずなんだけど…」。長年、石川のバッグを担いできた加藤大幸キャディが、そんな風に話していたのはちょうど1年前の春。オーガスタナショナルは閉鎖的な日常と、1日4万人といわれるパトロンを飲み込んだ公式の練習ラウンド、トーナメント期間中ではコースの見え方が変わるという。
そして今年も、同様のスケジュールで臨む考えだ。「コースのチェックはしておきたいけれど、月曜日になってからやっと試合の感じが出てくる。前の週に(グリーンの)タッチをつかもうとしても、試合になるとまずグリーンの色が変わってしまう。前の週は青々として、元気な感じなんですけど、試合になると固めるので…」と石川。その影響は高速グリーンだけではない。「前の週の練習ラウンドは飛距離的にも違う。試合になったら20ヤード転がるのが、(練習では)5ヤードくらいしか転がらなかったりするので、コースが長い」
既にグリーンジャケットを持っているクラブの会員で、年中ラウンドできるようなプレーヤーなら話は別だが「前の週に回り過ぎは良くないのかなと思い始めている」。
今回、優先順位の高い準備の内容は、相棒とのセッションだ。「なるべくサイモンと歩きたい」。今年はサイモン・クラーク氏をキャディに起用する。同氏は1999年、2000年とブラント・ジョーブのバッグを担いだ経験があるが、コンビネーションを高める必要性を石川は口にする。過去4大会で加藤さんと積み上げた蓄積と、プロキャディの経験との融合を、大きな武器としたい。(テキサス州ヒューストン/桂川洋一)
桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール
1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw