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シード権争いの渦中、“喧騒”の中で冨山聡がベストスコア

2011年の国内男子ツアーも残り2戦。しかし、来週の「日本シリーズJT」カップは年間のツアー優勝者および国内賞金ランク25位以内の選手だけが出場を許された“エリート大会”のため、そのほかの選手たちにとっては今週開催の「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」が実質的な最終戦となる。そのため、会場のKochi黒潮カントリークラブは毎年、普段よりもピリピリとした雰囲気に包まれる。シーズンの“締めくくり”に展開されるのは、激烈なシード権争い。賞金ランク上位70位以内の枠をめぐって緊張感のあるプレーが繰り広げられている。

その3日目。ベストスコアをマークしたのは、その争いの渦中にいる冨山聡だった。5バーディ、ノーボギーの「67」。1オーバーの24位から通算4アンダーの9位タイに浮上した。前週までの賞金ランクは74位。シード獲得のためには、300万円前後を積み重ねたいところで、大きく前進の一歩を踏んだ。

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この日、冨山は前週優勝の武藤俊憲、そして石川遼と同じ組だった。周知のとおり、石川の組には多くのギャラリー、関係者が大挙する。そのたびにトラブルも付きまとう。携帯電話の着信音や同伴選手のプレーを妨げるような心無い行動は、ギャラリーだけにとどまらない。それゆえ、大きな注目を集めたいと思う選手がいる一方で、石川のようなスタープレーヤーとの同組を“敬遠”したがる選手がいるのも事実だと感じている。

2日目が終わった後、冨山は翌日のペアリングを見て「ギャラリーが多いなぁと思いました」と苦笑いを浮かべたという。シード権争いの真っ只中。失礼を承知で言うが、“普段どおりの”周囲が静かな組でラウンドしたい気持ちも少なからずあったのではと想像している。だが冨山は「でも、自分のプレーは変えられない。周り(の環境)が変わったからといって、自分を変えることはできないでしょう」と、気持ちはまっすぐだった。

石川と武藤、2人のドライバーの名手とのラウンドは、ティショットで30ヤード以上置いていかれるシーンが何度もあった。しかしステディにパーオンを続け、得意のパッティングでスコアを伸ばした。5番で3メートルを沈めて最初のバーディを決めると、続く6番では15メートルを決めた。8番では10メートル、9番では5メートル…。次々とボールがカップに沈む。「自然とラインも読めて。得意の展開にできました」と自画自賛した。終盤に差し掛かると、冨山のプレーにも目を凝らすギャラリーが増えたようだった(少しだけど)。

悲願の初シードを狙う、緊張感に包まれた中での、堂々としたプレーぶり。数字以上の価値が、少なからずあると思う。(高知県芸西村/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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2011年 カシオワールドオープンゴルフトーナメント



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