山下勝将が日本オープンでプロ初エース「流れを変えてくれるいいチャンス」
◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目(17日)◇タラオCC西C (滋賀)◇7411yd(パー70)◇晴れ(観衆2373人)
左サイドからの風を感じながら、8Iを握った山下勝将は、軽いドローの弾道をイメージしてスイングに入った。実測176ydの池越えとなる9番(パー3)。わずかに薄い当たりに感じて、思わず「ゴーゴー!」という声が漏れる。エッジぎりぎりにキャリーした一打は、そのまま右手前に切られたカップへ吸い込まれた。「うわ、入った」。アマチュア時代の2023年「関西オープン」以来、自身3度目でプロとしては初めてのホールインワン達成。賞金20万円を贈られ、「美味しいものを食べにいきたいです」とはにかんだ。
女子メジャー「AIG女子オープン(全英女子)」覇者・山下美夢有の弟は2024年末にプロ転向し、ツアー参戦2年目。QTランクは89位で、今季当初の主戦場は下部ACNツアーだった。その中で、出場優先順位を入れ替えるリランキングで23位食い込み、後半戦の出場機会をつかんだ。「もともとのQTランクから考えたら、少しずつ成長はできているのかな」。直近2戦も着実に予選を突破して42位と36位。「トリプル(ボギー)を打ったりしていきなり順位を下げたりもしているけれど、ちょっとずつ成績も上がってきている。僕の実力がここなんだと分かっている」。過大評価も過小評価もしない。23歳が自分を見つめる視線は、どこまでも冷静だ。
主催が日本ゴルフ協会となる本大会は、予選会を突破してこの舞台に立った。18位で迎えたムービングデーだったが、「もうショットがボロボロで。きょうも朝からありえへんくらい曲がっていた」という。2ボギーが先行した中で生まれたのが、大会24人目となるホールインワンだった。「ずっと調子が悪かったんで、流れを変えてくれるいいチャンスかなと思った」。エースのほかに1バーディ、3ボギーの「70」。耐えて作ったイーブンパーだった。
現在のポイントランクは86位で、同65位までのシード圏外にいる。加算されるポイントが大きい国内メジャーだけに、本大会の重要性は分かっている。「1番の目標はシードなので。この日本オープンはポイントが高いので、少しでも上位に行きたいと思っている」。21位で迎える最終日に備えて、コーチである父・勝臣さんとの最終調整へと向かった。プロ初のエースを追い風としたい。(滋賀県甲賀市/中村文香)