単独首位のバッバは「子供のように」オーガスタを攻略
2014年 マスターズ
期間:04/10〜04/13 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)
B.ワトソン追撃へ万全のビヨーン
ディフェンディングチャンピオンというプレッシャーから解き放たれたバッバ・ワトソンが、2年ぶりの「マスターズ」2勝目へ向け前進するなか、トーマス・ビヨーンとヨナス・ブリクストは1999年以来となる欧州勢による「マスターズ」優勝へ望みをつないだ。
難しいコンディションとなったオーガスタナショナルでの2日目を「68」でラウンドしたワトソンは通算7アンダーまでスコアを伸ばし、2位につけたオーストラリアのジョン・センデンに3打差をつけて首位に躍り出た。センデンの後方には通算3アンダーでビヨーンとブリクストが追う展開となっている。
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オーガスタのスペシャリストにして1992年の大会王者であるフレッド・カプルスは更にその1打後方につけている。54歳でのメジャー最年長優勝を狙うカプルスは、12番でショートしたティショットが、レイズクリークへと飲み込まれずに、下り斜面の途中で止まる、優勝を飾った22年前の最終日に起こった幸運と全く同じことが起こるなど、運を味方につけている模様だ。
プレーオフの末にルイ・ウーストハイゼンを下した2年前の「マスターズ」制覇直前、生後1ヶ月の男の子を養子として妻のアンジーさんと共に息子に迎えたワトソンは、直近の出場大会「アーノルド・パーマー・インビテーショナル」では、初日に「83」と大叩きをした後に重度のアレルギーによってプレー続行を不可能と判断し、途中棄権していた。
しかし、フロリダ出身のワトソンは2月の「ノーザントラストオープン」では、2日連続でノーボギーの「64」を記録して優勝を飾り、「マスターズ」で勝利を挙げて以来となるPGAツアー優勝を果たしている。
「今年はグリーンジャケットの奪還を狙っているんだ」とワトソン。彼は18番で今週2つ目のボギーを叩いたものの、12番から5連続バーディを奪うチャージを見せた。
「今年のチャンピオンズディナーで僕は主役じゃなかったんだ。僕が主役だった時は、偉大なる王者たちに囲まれてすっかり畏怖してしまったけれどね。今年は傍観者でね、1人の出席者に過ぎなかったのさ。あの夜の主役はアダムだったからね」。
「メディアの興味はディフェンディングチャンピオンに注がれるんだ。防衛はできると思うか? どのようなプレーをするんだ? どのようにタイトル防衛を成し遂げるんだ? ってお決まりの質問攻めに遭う。そうなると、もうグリーンジャケットは諦めざるを得ないよ」。
「僕はそうした状況を一番良い形で処理する方法が分からなかったから、昨年はベストなゴルフができなかったんだ。でも、今年はメディアに注目されずにここへやって来ることができた。群集に紛れる感じでね。だから練習ラウンドでもあまり注目されずに済んだんだ」。
ワトソンは酒を飲まない人間だが、彼のプロゴルファーとしての特異な背景により、彼が2012年にマスターズ制覇を成し遂げた後“二日酔い”のような状況に苦しんだことを明かした。
「自分の育った境遇を考えないといけない。母は僕がゴルフを続けられるように2つの仕事を掛け持ちしていたし、父は工事現場で働いていた」とワトソン。「そんなことに思いを巡らせ、自分のキャリアにおける現在の立ち位置を考えると、なんて素晴らしいことなんだと思うね」。
「これはバッバと名付けられた一人の人間と、僕の母と、僕の生い立ちが成し遂げたことなんだ。あの優勝で僕のゴルフ人生は完成したように思えた。二日酔いのようなものだよね。酒は1滴だって飲んだことがないけれど、グリーンジャケットによる二日酔いだったんだ」。
「僕は全て自己流でやる。ゴルフは自己流で学んできたし、自分で問題を解決してきた。それだけに、(マスターズの優勝から)精神的な平静を取り戻し、今の自分の状態に持って来るまで、余分に時間がかかってしまったんだ。
10度目の出場を果たしたデンマークの43歳ビヨーンは、上がり5ホールで4つのバーディを奪うなど2日目を8バーディ4ボギーとし、今週これまでの2日間を「73」と「68」でプレーしている。
「今日は全体を通して良いプレーができたし、ゴルフコースが心地よく感じられたね」とビヨーン。彼はこれまでメジャーで3度の2位を経験している。
「(パー5の)13番では2つの素晴らしいショットを打ちながらも、パーに終わった。そこで、もっと攻撃的に行こうと決めたんだ。14番と16番では攻めたのが実を結び、タップインのバーディを仕上げるために歩いて行った18番(のグリーン)では気分が良かったね」。
スコットランドのスティーブン・ギャラハーも2日目の出来に満足している。2日目を「72」でラウンドしたギャラハーは「マスターズ」デビューでの予選突破を確定させている。ちなみに、彼の叔父であり、かつて「ライダーカップ」でキャプテンを務めたバーナードは1970年の「マスターズ」で予選通過を逃している。
「正直なところ、まだ赤文字(アンダーパーの意)なのが嬉しいね」とギャラハー。「ちょっとトリッキーだったね。風が少し強くなったし、グリーンはどんどん硬くなっている。ここは戦略的なコースだね。多分、地元の人間も皆ここでのプレーの仕方は知っていると思うけれど、実際にプレーするとなると話は違ってくるし、そこが難しいところだね」。
かつての「全英オープン」王者であるウーストハイゼンは、13番で1.5メートルのイーグルパットを沈めた時点では首位タイに立っていた。
しかし、南アフリカのウーストハイゼンは、15番でグリーン奥からの折り返しのチップショットを池に落としてしまい、ここで8打のトリプルボギーを叩くと、18番でもボギーを叩き、2日目のスコアを「75」として、通算スコアをイーブンパーに戻してしまった。
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