ケーキカットのセレモニーに参加した（左から）ジェイソン・ハク、張連偉、M.A.ヒメネス、グァン・ティンランら注目選手たち(Getty Images)

4人の年の差はなんと34歳。前回大会王者のミゲル・アンヘル・ヒメネス（スペイン）は、中国人選手の張連偉、グァン・ティンラン、ジェイソン・ハクと共に、火曜日の「香港オープン」記者会見に出席した。

昨年の大会を48歳と318日で制したヒメネスは、欧州ツアー最年長優勝の記録を塗り替え、2005年、2008年の大会に続いて、「香港オープン」通算3勝目となる“ハットトリック”を達成した。

＜＜　下に続く　＞＞

欧州ツアー19勝を誇るカリスマ的なスペイン人のヒメネスは、若干15歳のグァンが誕生した時には既に欧州ツアーで優勝を重ねていた。ティーンエイジャーのグァンは、中国人選手の中で最も活躍が期待される若手ホープのひとりで、4月の「マスターズ」では史上最年少の14歳169日の若さで予選通過し、58位でフィニッシュした。

ハクも、まだ10代の若き選手だ。2008年の「香港オープン」では、欧州ツアー最年少記録となる14歳304日で予選を通過した。グァンのオーガスタでの記録に迫る若さだった。

若き彼らふたりは、48歳のベテラン、張の足跡を継承したいと願っている。中国のゴルフ界を長きに渡ってリードしてきた張は、中国人選手として初めて「マスターズ」に出場。世界ゴルフランクで初の100位以内に入り、2003年の「シンガポールマスターズ」では、中国人選手として初の欧州ツアー優勝を果たした。

彼ら4人は、第55回を迎える「香港オープン」に挑む。1959年のトーナメント開始以来、ここ香港ゴルフクラブで開催され続けている今大会は、他の大会ではあまり見られない長い歴史がある。

欧州ツアー、アジアンツアー、香港ゴルフアソシエーションの三者共催で行われるこの大会は、賞金総額130万ドル（およそ1億3千万円）を賭けて開幕を迎える。

香港ゴルフアソシエーションのチーフエクゼクティブを務めるトム・フィリップス氏は「この素晴らしい選手たちをご覧ください。過去に輝かしい実績のある選手だけでなく、未来に大きな可能性を秘めたティンランやジェイソンも参加します」と語った。

「香港ゴルフクラブのチェアマン、そしてコースメンバーの皆さんには、例年通りこの大会をホストしていただき、渾身的なサポートに対して、心からの感謝を表したいと思います。このトーナメントが成功している核心は、皆さんのサポートに他なりません」。

「同様に、マークコミッティーからの継続的なサポートに関しても感謝しております。お陰さまでこの香港オープンは、香港における最高のスポーツイベントとして認知されてきました」。

香港ゴルフクラブのキャプテン、シドニー・チェン氏はこう加えた。「伝統と歴史に包まれた、この香港オープンが今週、開幕を迎えることを誇りに思います」。

「ディフェンディング王者のミゲル・アンヘル・ヒメネス選手が再びここ香港に戻って来てくれたことを、関係者一同、嬉しく思っています。ベストを尽くしていただき、是非とも香港オープン4度目のタイトルを狙っていただきたいと思います。もし今週、彼が勝利を挙げれば、史上2人目の快挙となります」。

かつて1963年、64年、75年、77年と4度も「香港オープン」を制した台湾人選手の謝永郁に肩を並べようとしているヒメネスはこう語った。「はじめてここに来たのは2004年（2005年のシーズン初戦）で、優勝することができた。僕はこの街が大好きだし、このコースは特にお気に入りなんだ」。

「ここは昔ながらのコースなので、頭脳的で精密なゲームプランが必要だ。今年は一段とシャープになったね。グリーンは速いし、フェアウェイは完全な状態だよ」。

選手たちは55回大会を祝福するケーキカットセレモニーを行い、記者会見の後は香港ゴルフクラブ内にあるヘリテージセンターに足を運び、大会の歴史や推移についての見識を深めた。