今季メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」の組み合わせが発表
2013年 全米プロゴルフ選手権
期間:08/08〜08/11 場所:オークヒルCC
一度目の正直?
最近のメジャー20大会を見てみると、2回以上優勝しているのはロリー・マキロイ(北アイルランド)とフィル・ミケルソン(米国)だけだ。ということは、メジャー大会初優勝者を14回も出しているわけだが、ゴルフの4大イベントに続いて起こるこの予測の付かない現象は何なのだろう。全米プロを目前にして、ヨーロピアンツアーではこんな発見をした。
マスターズではアダム・スコット(オーストラリア)、そして6月の全米オープンではジャスティン・ローズ(イングランド)と、2013年に開催された3つのメジャー大会のうち2つですでに初のメジャー王者が誕生している。そして、2012年はバッバ・ワトソン(米国)とウェブ・シンプソン(米国)が同大会でメジャー初制覇を遂げている。
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一方、2011年のキーガン・ブラッドリー(米国)、2010年のマーティン・カイマー(ドイツ)、そして2009年のY.E.ヤン(韓国)と、最近開催された4回の全米プロのうち3つは初優勝の選手が勝ち取っている。という事は開催95回目となるシーズン最後のメジャー大会でまたもや同じ事が起こるのか?
歴史を紐解くと必ずしもそうとは言い切れない。
ショーン・ミキールはさておき、オークヒルカントリークラブは歴史的に全米オープン(1956、1968、1989)と全米プロ(1980、2003)で大物が優勝している。例えばキャリー・ミドルコフ(米国)、リー・トレビノ(米国)、ジャック・ニクラス(米国)、そしてカーティス・ストレンジ(米国)の4人組を合わせると合計29回メジャーで優勝している。
ミュアフィールドで行われた先月の全英オープンで圧倒的な強さを見せ5つ目のメジャーを勝ち取ったミケルソン(米国)のような存在もあるが、ここのところ、メジャーのトロフィーは誰の手中に入ってもおかしくない状況になっている。
しかし、メジャー大会で初勝利をあげた選手達の運気はどうなっているのだろう。メリオンゴルフクラブで素晴らしいプレーを見せてくれたローズは、全英オープンでは予選落ちしている。一方、スコットはイーストロージアンでは3位タイと、最近のメジャー初出場優勝者の中では一番良い所まできている。
ワトソンはというと、2012年4月にグリーンジャケットに袖を通してからのメジャー6大会での最高位が11位タイとなっている。一方、シンプソンはタイトル防衛を狙った6月の全米オープンの32位タイが最高位だ。
ここでメジャーのタイトルを増やす可能性が一番高いのは2011年のマスターズで優勝してからメジャーで16位以内に5回入っているチャール・シュワルツェル(南アフリカ)かもしれない。
「新しいサイクルの始まりかもしれませんね」とスコットは火曜日の記者会見で楽観的に述べた。「優勝経験者が再び勝つ事も最近は結構ありますから、これからは経験者が優勝を重ねるという新しいサイクルが始まってほしいものです。今回は行けると自己暗示かけているところです」。
確かに、このトピックは今年の全米プロが盛り上がりを見せる中で良く取り上げられている。そして、プレーヤー達もすでにこのトレンドに対する自分の意見を公表している。
プレーヤー達の考え
リー・ウェストウッド(イングランド)「現代のゴルフが持つ深さと力強さが顕在化しているのだと思います。現在ゴルフ界には多くの素晴らしいプレーヤーがいます。そしてメジャーで勝つ事は恐らくこれまでにないほど難しくなっています」。
イアン・ポールター(イングランド)「世界にはたくさんの素晴らしいプレーヤーがいると思います。他に説明のしようがありません。世界ランキングを見て、メジャーでどれだけのプレーヤーが良いプレーを見せ、何人新しい優勝者が誕生しているかを見ると、それが現代ゴルフのレベルの高さを証明することになると思います。今週もまた多くの選手が優勝を狙える位置につけ、そして初めてのメジャーに勝つチャンスを得る訳です」。
ロリー・マキロイ「現代のテクノロジーとゴルフコースの設定は、プレーヤーを他のプレーヤー達と分けて考えにくくしています。ゴルフのゲーム自体の深さも凄いし、選手達の差は僅かです。トップ100のプレーヤー達を練習所に並ばせてボールを打たせたら、殆ど違いは分からないでしょう。他のスポーツなら必ず本命がいるはずです。もちろんゴルフにも何人かはいますがそれ以外のプレーヤーでもこの大会に勝可能性は十分あります。他のスポーツはそう言う訳にいきません。そこがゴルフの魅力的なところです」。
ジャスティン・ローズ「最近の選手は怖いもの無しです。経験を積むなんて事は関係無い様です。ただ、コースに出てやるべき事をやるだけです。それはコーチングが良くなったせいなのか、それとも以前と比べると若い頃からから精神的に成長している選手が増えたのか、どちらにしてもゴルフが強さや深さをどんどん増している事は間違いないと思います」。
今季最後のメジャー大会で、初優勝を遂げる選手が誕生することになるのかどうか、それは今後の4日間のみぞ知るところである。
アメリカで最も優秀な俳優の一人、クリストファー・ウォーケンはこう表現したことがある。「どんなにその時うまく行っていても、人生なんてどうなるか分からないものさ」。
ゴルフの凄いところはそんな所かもしれない。
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