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尾崎直道キャディ~靖子の全米シニアプロ参戦記~最終回

こんばんは!今日の最終日に素晴らしい事が起きました!
井戸木プロが、何と優勝しました~~~!!!
アメリカ初参戦、そして初優勝、それもメジャー!!
おめでとうございます~。

皆様、すでにご存知かも知れませんが、尾崎プロは単独19位でこの4日間を終えました。最終日は11:21スタート、去年の優勝者のロジャー・チャップマンとのラウンドでした。ロジャーは、ダブルボギー、トリプルボギー、続けざまにボギーと見ているのが辛くなるようなスコアでしたが、最後まで紳士でした!彼のイングランド訛りのある英語も、大好きです(笑)

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さて、今日の尾崎プロ、昨日とは違い出入りの激しいゴルフで、6バーディ、4ボギーの2アンダーでした。スタートホールで右に大きく曲げてしまい、カートパスへ。ドロップするも、木々がスタイミーで難しい175ヤードショットでしたが、木々の間を抜け枝と葉の下を通し、左からスライスをかけ見事グリーンを捉え、ナイスパースタート。バーディがきたと思えば、ボギー、ボギーの後またバーディと落ち込む暇もなく18ホールが過ぎていきました。

プロとちょっと考えなくちゃなぁという事が何回かありました。バーディホールの4番(パー4)で狙いに行ってボギーとし、11番のドライバブルホールでも、かなりリスキーにも関わらずワンオンを狙って行って、池に入れボギーとしました。そこで、プロが「覚えている?2011年に何度もトップ10に入っていた頃、Coco(私のあだ名でプロもそう呼びます)は俺によく刻んでくれって言っていたよね。狙う意味がありますか?って。俺にはそういうゴルフの方があっているかもしれない」と。

「バーディも獲っているが、ボギーの数が多い。ここでは(アメリカ)、ボギーを打たないゴルフを考えないといけないかもしれないね」と言われ、そうですね、4つボギーにしていますが、4つバーディを獲るのがどれだけ大変か考えないといけないかもしれないですね。それでも最終日、できる事の限りをつくし、どれだけバーディを獲って順位を上げられるかに尽力を尽くしたこの日に後悔はない気がします。プロも大変お疲れでしたが、やりきった顔をされていましたし。

ところで、私達のラウンドとアテストが終わって、iPhoneでリーダーボードを見ると、井戸木プロが2打差で2位につけていました。尾崎プロと井戸木プロ、大変仲良くされているのもあり、井戸木プロがあがる時には18番に居ようという事になりました。

時間がまだあったので、ホテルに一度戻ろうと思っていたのですが、赤信号でリーダーボードを見ると、何とケニー・ペリーがダブルボギーを叩いた様で井戸木プロが首位タイにつけているではないですかー!!!こりゃ、ドキドキしてホテルになんか帰っていられない、とすぐさまUターン。車を飛び降り、井戸木プロの応援に行きました。

尾崎プロは「俺が見ているのが分からない方がいいから、陰から見てるかな」との事。私もあまり目立たないように、木の陰からこっそり観戦。井戸木プロ、17番(パー5)で奥5~6メートルの難しいパットをねじ込み11アンダー、単独首位に!私は一人で大興奮。いつもの様に、なにも変わらない様子で18番にきて、いつもの様に天下一品の正確なショットでフェアウェイにティショットを置き、残り166ヤード(後から聞きました)をピン奥につけて2パット。グリーンサイドの人ごみに紛れて観戦していた尾崎プロは、井戸木プロに駆け寄りました!

まだ、その時点でケニーがプレー中でしたが、井戸木プロの勝利は間違いなかったのでまるでウイニングパットを決めたような歓声でした。室田プロ、キャディーのひろさん、ダンロップの工藤さん、PGAの箕輪さん、尾崎プロと私、皆で井戸木プロの凱旋をお迎えさせて頂きましたよ~!!高見プロは体調を崩されていて、残念ながらその場に来る事ができませんでした。室田プロと尾崎プロでビールかけをしましたが、井戸木プロには冗談で「井戸木、お前はまだ飲むなよ、プレーオフがあるかもしれないからな、笑」と、一言。

井戸木プロはその後、トロフィー受賞やクラブハウスでの祝勝会に出席されて、19時半頃ホテルに戻られました。それから尾崎プロが内輪のお祝いを開き、私も参加させて頂きました。井戸木プロがホテルに戻ると、室田プロ、高見プロ、ひろさん、工藤さん、皆さんお祝いを伝えに駆けつけて下さっていました!

井戸木プロに聞いたのですが、今までと比べて、格段にパターが入るようになり自信もあるそうです。やっぱり、パターだよねぇ、ショットを上手く打てないプロなんていないもんねぇ、と私は一人で納得。それから、長年、井戸木プロのキャディーをされているあやさんに聞くと「クラブの性能が良くなった事もある」そうです。

誰よりもまっすぐ打てて、クラブの進化で飛距離のディスアドバンテージがなくなって、怖いものなしだろうな、と思いました。練習ラウンドでご一緒させて頂きましたが、あんなにまっすぐ、毎回打ってくるプレーヤーに会った事なかったですもん。尾崎プロは「あんなにまっすぐ打っていたら、フェアウェイが半分でも広すぎるだろうなぁ、笑」とコメントしてました。まさにそれくらい、まっすぐなんですよね、毎回毎回。

それからもう一つ。多くのプロはその週の月曜に入るようですが、井戸木プロは前の週の木曜に現地入りして、環境に慣れること、コースを知ること、誰よりも努力されていたと思います。

50歳を過ぎて、大きな大きな華を開花させた井戸木プロに、大きな勇気を貰いました。諦めない事、努力し続けた先にあったのは、日本人初のアメリカのメジャー優勝でした。今年と来年のチャンピンズツアーカードを手にした井戸木プロ、是非こちらで活躍して欲しいものです!

いつものように、直道さんのキャディーの週は、あっという間に終わってしまい何だか寂しいです。こんなに一週間が短く感じる事は、他ではないですよ。尾崎プロはキャディーを、プレーヤーと一緒にプレーするチームメイトとしてみてくれます。距離をみて、グリーンを一緒に読んで、風を計算して、使うクラブを決めて、一打、一打、私も参加させて貰っているわけです。ナイスプレーをすれば喜びを共有して、ミスしたら励まし、ネガティブになる気持ちをグイっと曲げて、どんな理屈をつけてでも、何とか前向きに方向転換させる、まさにチームメイトです。もちろん、私がプレーするわけではないですが、自分も試合に参加しているような緊張感、喜びといった感情、キャディーという仕事に出会えなければ知り得なかった達成感を経験させてもらっています。一週間、疲れたけれど、楽しかったなぁ~。

今日で私の参戦記は終わります。お付き合い下さって、ありがとうございました~!!次に私が尾崎プロのキャディーをするのは、7月の全米シニアオープンです。また尾崎プロにお会いするのを楽しみにしていようと思います。皆さんにもまたお目にかかれるかな?

【ムーア靖子 プロフィール】
1975年7月26日生まれの37歳。B型で獅子座。栃木県出身。学生時代、プロを志したが、力及ばずに断念。2001年に渡米。サンディエゴで生涯の師となる今井貞美LPGAティーチングプロと出会い、ティーチングプロとして再びゴルフに関わる事に。カリフォルニアとアリゾナのゴルフ場にクラブプロ/LPGAティーチングプロとして勤務。09年から、尾崎直道プロのキャディとしてアメリカチャンピオンズツアーに参加。12年、尾崎プロが試合の場を日本に移してから、キャディ業を遠のいていたものの、今回1年以上のブランクを経て、今大会で再び尾崎プロのバックを担ぐ事に。現在は、ゴルフの経験と、(少しだけある)知識を活かし、フリーで活動中。大の犬好き。日焼けを気にするお年頃。

関連リンク

2013年 全米シニアプロ選手権



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