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上級者志向から中級者まで狙うタイトリスト

この一年半のあいだ、タイトリスト関係のビッグニューズといえばボールとドライバーについてだった。プロV1が一躍、看板商品となり、975Jがメディアとゴルファーの関心を集めていた。しかし、あまりに話題に上らなかったがタイトリストのもう一つの主力製品といえばDCIアイアンだ。ボールとドライバーの陰に隠れてしまって気がつく人は少なかったが、タイトリストはひそやかにアイアンのラインナップ全体を見直してたのであり、それらはいよいよ表舞台に登場した。

アイアンに関して、タイトリストが改良を加えてきたのはフェース部分である。ボールとドライバーに力を入れていたこともあって発表が遅れたが、新アイアンは先行するテーラーメードやクリーブランドといった競争相手の製品と張り合えるものだ。市場ではナイキが鍛造アイアンの販売を開始して、これまでタイトリスト製品を使っていたゴルファーたちの忠誠心を試しているような格好になっているが、タイトリスト社としては新アイアンがアイアン部門でのブランドリーダーとしての地位をあらためて確固たるものにすると自信をもっている。

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「DCIというブランドでわれわれはこれまで何年も成功してきました。新モデルには新たなテクノロジーがつぎ込まれているとともに、性能面でこれまでとは少し異なるラインナップに仕上がっています」

クラブ販売についての国際マーケティング担当部長であるクリス・マギンリー(Chris McGinley)がそう言う新たなモデルがはじめて登場したのは昨秋、DCI762とDCI822OSアイアンである。そして今年になってPGAマーチャンダイズショーで発表されたのが2種類の鍛造モデルであるDCI690MBと690CB。マギンリーによれば762と822OSはフェースが薄く、キャヴィティー部分に複合素材のインサートが施されている。

「DCIのトレードマークであるソリッドな打感は健在です。フェースを薄くすることによって従来のDCIにはなかった深いキャヴィティーが実現されています」

762のヘッドは前駆モデルであるDCI990よりもわずかに大きく、キャビティー部分も広い。新シリーズの中の主力商品と考えられるこのDCI762は、ブレードアイアンを好むプレイヤー向けに開発され、ツアープレイヤーからハンディキャップ15のゴルファーにまで幅広くアピールするようデザインされている。

「822OSは、これまでDCI Oversizeで狙っていた層に向けた製品です。わずかにオフセットがあり、クラブフィッターがハンディーキャップ20のゴルファーにもタイトリストのアイアンを勧めてもらえるようになるでしょう」

逆に言えば、鍛造製品はもとよりタイトリストが対象としてきた競技指向のトップレベルのプレイヤーに向けた製品であるということになるが、それにしてもなぜ、タイトリストがこの新シリーズをもっと早く市場に出さなかったのかといぶかる声は多い。前回、DCIの新製品が発売されてから2年以上がたっている。すでに他社製品にシェアを食われてしまっているのが現状だ。

その答えの一部はプロV1にある。画期的なボールとして爆発的に売れていったプロV1の勢いをそがないようにしたかったというのがタイトリスト社幹部の思惑であり、社運をかけたプロV1にセールスの人材やエネルギーを集中させたかったというのが事実であろう。むろん、プロV1の出荷量を増やすために、それまでの主力商品であった糸巻きを廃版にして、ソリッドコア、マルチレイヤーのボール製造に工場のラインを振り替えるという思い切った取り組みを行っていたのだから無理もない。さらに、新DCIシリーズの発表には昨年9月11日の悲劇が影響している。

「ちょうど762と822OSの発表しようかというときにテロがあった。まずは762と822OSをわずかに先行させて、鍛造はPGAマーチャンダイズショーで発表する計画だったのですが、計画の見直しを余儀なくされたんです」

しかしながら、発表の遅れは売れ行きに悪影響を及ぼしてはいないようである。全米チェーン店ゴルフ・ギャラクシーの販促部長であるロブ・ケンプによれば、762はこれまでのところかなりの売れ筋になっていて、822OSもかつてDCI Oversizeが発売された時以上の売れ行きを示しているとのこと。まだ、市場に出たばかりだが上々の滑り出しと言うところか。

タイトリスト関係者によれば、実際のコースでの使用率調査での今年1月のシェアは去年よりも10ポイントも増え、プロショップや小売店での販売実績を合計したタイトリストのシェアは5.0%から7.9%へと3ポイント近く増加しているという。1月の数字については年間で最も販売の少ない月であることや、コースでの使用率についてはほとんどが南部での数字であることを考慮しなければならないが、タイトリスト社と小売店にとっては楽観させるものであることは確かだ。オレゴン州ユージーンのフィドラーズ・グリーン・ゴルフセンターの統轄マネジャーであるアラン・ウェイレンは、762と822OSは両方とも好調なようだという。

「われわれがしなくてはならないことの一つは、タイトリストがオーバーサイズクラブを投入して、中級レベルのプレイヤーにも目を向け始めていることを顧客に知らしめることです。タイトリストにとってはこれまでとは多少勝手が違うマーケットでしょうが、画期的なことに違いない。タイトリストとしてはこれまででもっとも、ミスを許容してくれるアイアンを発売したということです」By JOHN STEINBREDER (GW)

追伸:ベイヒル招待の練習場でテーラーメードの新ドライヴァーのプロトタイプを発見(レティーフ・グーセンケニー・ペリーのバッグの中にあった)。タイトリストのヘッドの小さなフェアウエイウッドにはソールにレールが付けられていた。

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