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米ツアーのクオリファイに臨む心構え

宮崎県で「ダンロップフェニックストーナメント」が開催されていた前週、米国本土では来年度の米男子ツアーの出場権を争う予選会、セカンドクオリファイが行われていた。フロリダ、テキサスなど6箇所で開催され、シード権を喪失した今田竜二は残念ながら最終ラウンドに途中棄権して敗退。11月28日(水)~12月3日(月)に行われるファイナルクオリファイに進むことは出来なかった。

来年度のQスクールは下部ツアーのウェブドットコムツアーの登竜門となるため、この予選会がレギュラーツアーに直結する制度は今年が最後。そのため、日本ツアーからも将来の米国進出を目指す韓国勢が多く参戦した。今季の日本ツアー賞金ランキングの上位選手(キム・ヒョンソンイ・キョンフンI.J.ジャン)は次週のファイナルから出場するが、J.チョイJ.B.パクキム・キョンテドンファンは、今田と同じセカンドから。だがこれを突破したのはドンファンだけで、国内外から一番の期待を背負った2010年の賞金王、キョンテは1打が届かず、涙を呑んだ。

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22日(木)に開幕した「カシオワールドオープン」では、無念の敗退となった彼らを気遣う顔が多く見られる。だが初日、7アンダーでトップタイスタートを切ったS.K.ホは、あえて厳しい言葉を吐き出した。現在レギュラーツアーを戦う多くの韓国勢の兄貴分、“長男”とも言える存在は「『ダメだったら、日本ツアーに帰ってくれば良い』といった考えは彼らに無かっただろうか。アメリカのクオリファイを通らなかったら、もう行く場所が無い、そういう気持ちでやっただろうか」と言った。退路を断って、新しい挑戦をする―そんな心構えがあったか、と苦言を呈した。

「コースもやっぱり違う。時差ボケだってある。できれば2、3週間前から(現地に)入って、慣れることも大事」。前週の「ダンロップフェニックス」ではファイナルから戦うイ・キョンフンと話した。万全の状態を整えるなら「フェニックスは休むことを考えてよかったはず」というのが先輩の考え。「でも、やっぱり(イは)フェニックスに出てみたかったらしいんだ」と、つぶやいた。

S.Kの厳しい言葉は、苦い経験に基づいている。「僕も昔、3、4回(クオリファイに)落ちてしまったから。いま後悔することがあるなら、そういう気持ちでプレーできなかったこと。『これが最後だ』と思ってやれなかった」と振り返る表情は寂しさに満ちていた。

「あの時、こんな話をしてくれたりする人がいたらね」。参戦当初はもちろん今ほど多く、同郷の仲間たちはいなかった。破れた夢は後輩たちへ託す。それは国籍だって問わない。だから今、S.Kは厳しい言葉でエールを送る。(高知県芸西村/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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