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2012年 マスターズ
期間:04/05〜04/08 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

アジアを引っ張るアマチュア松山英樹

2012年の「マスターズ」は予選ラウンド2日間を終えて、松山英樹が通算1オーバーの31位タイで2年連続の決勝ラウンド進出を果たした。昨年、日本人史上初のアマチュア選手として出場を果たし、ローアマチュア獲得の快挙を達成。そして同年の「アジアアマチュア選手権」も2連覇して戻ってきた約束の地で、今年も期待通りの成績を残している。

今大会に出場した6人のアマチュア選手のうち、予選を通過したのは3人。松山以外はケリー・クラフトパトリック・カントレーの米国勢で、2人は昨年の「全米アマチュア選手権」のファイナリストとしてオーガスタ行きの切符を手にした。両選手は2日目を終えていずれも5オーバー57位タイとギリギリで決勝ラウンド進出。あくまで本人は来季の出場権を獲得できる16位以内が目標だが、2年連続のローアマ戴冠もやっぱり期待してしまう。

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ちなみに、今大会に出場したアジア勢は松山も含め6人。内訳は石川遼を含めた日本勢2人と、韓国勢4人。しかしキム・キョンテチェ・キョンジュ、そして石川は予選落ち。松山はこの中で、1アンダー19位タイのY.E.ヤンに次ぐ成績で決勝に進んだ。ちなみに残る一人はベ・サンムン。初日「75」をたたいたが、この2日目に「71」で初出場ながら予選を突破した。

ところで、オーガスタナショナルGCにある大会期間中のリーダーズボードをご存知だろうか。電光掲示板はひとつもないため、運営スタッフは上位選手のスコアが動くたびに、せっせと白いボードの入れ替え作業を行っている。話は初日に戻るが、では大会開幕直後のボード、いわゆるまだスコアの入っていない、初期設定の段階では、いったい誰の名前が掲げられていたのだろうか?

答えは以下の6選手。上からチャール・シュワルツェル、ケリー・クラフトロリー・マキロイダレン・クラークキーガン・ブラッドリーブライデン・マクファーソンとあった。彼らはいずれも昨年のビッグトーナメントにおけるチャンピオン。順番にマスターズ、全米アマ、全米オープン、全英オープン、全米プロ、全英アマを制した面々だ。

アマチュアの名前も2人ある。だがそこに、アジアチャンピオン「MATSUYAMA」の文字は無かった。確かに同大会の歴史はまだ2年と浅い。だがこの“格下”のような扱いが、ただただ残念だった。

今大会で初めて名誉スターターを務めたゲーリー・プレーヤーは「まさかこんなにゴルフが世界に広がるとは思っていなかった。初めてマスターズを勝ったとき、心の奥底で思ったんだ。この勝利がたくさんの人々に『ここでプレーしたい』という気持ちを掻き立てられないかなって」と半世紀を振り返った。米国、英国が中心だったゴルフ界の門戸を開いた第一人者は、人気者のキャラクターを持つ以前に、強かった。

マスターズももちろん、ルール上、プロとアマの垣根は無く、国や地域を代表する一人の選手として見られる。生活をかけたプロゴルファーと比較すれば、アマチュアに失うものは無いかもしれない。けれど背負うものは彼らも決して小さくないはずだ。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

桂川洋一(かつらがわよういち) プロフィール

1980年生まれ。生まれは岐阜。育ちは兵庫、東京、千葉。2011年にスポーツ新聞社を経てGDO入社。ふくらはぎが太いのは自慢でもなんでもないコンプレックス。出張の毎日ながら旅行用の歯磨き粉を最後まで使った試しがない。ツイッター: @yktrgw

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