2014/04/17GDOEYE

2014男子ツアー新人類図鑑(1)大堀裕次郎/黄金世代のイケメンルーキー

松山英樹が純白の袴姿で、多くの報道陣を率いて東北福祉大を卒業した3月20日。大堀裕次郎は大阪学院大で、静かに晴れの門出を迎えていた。1991年生まれは松山、そして石川遼とも同学年。2014年に最も注目を集めている22歳のルーキーだ。 兄の影響を受け、10歳の時に神戸市の坂田塾に入ったのがゴルフを始めたきっかけ。今では広く世に知られるようになった同塾の厳しい教育を受けた。6番アイアン1本で、ひたすら500球を打ち続ける日々を「体は壊れなかったけど、心は何回も壊れました」と苦笑いして振り返る。パター以外に7本のクラブを選んでバッグに入れ、人生初めて回ったラウンドのスコアは「111」。中学生時代に好...
2014/04/18GDOEYE

100叩きのプロと回った同伴競技者の反応は

あいつにペースを乱された。いつもはもっと良いスコアで回れるのに、一緒にプレーしたビギナーが大叩きをしたから、自分も調子が出なかった。アマチュアゴルファーでも腕が上がるにつれて、そんな思いを抱える時があるかもしれない。けれど彼の前では、そんな言い訳めいたセリフは吐けないはずだ。 プロツアーに初出場した大津将史が初日に「101」を叩き、2日目は「83」で、通算42オーバーで予選落ちした「東建ホームメイトカップ」。大津と予選2日間、同組でプレーした韓国出身のチェ・ジュンウー(崔準祐)は、この2日間を「66」、「69」でまとめ、通算7アンダーの3位タイで決勝ラウンドにコマを進めた。 2日目のラウンドを...
2013/11/09GDOEYE

一ノ瀬優希を再び奮い立たせた、ある男子プロの存在

今年3月の「Tポイントレディス」でツアー初勝利を飾り、プロ7年目にして開花の時を迎えた一ノ瀬優希。優勝会見では「早く次の優勝を狙いたい」と鼻息荒く2勝目への青写真を描いていたが、最近は「絶対優勝する、という気持ちが欠けていた」と、その目標を見失いつつあったという。 「優勝したいという気持ちは強いのに、結果がついてこない。優勝ってこんなに難しいんだって…」。低迷が続いたわけでは、決してない。むしろ定期的に上位争いに加わり、優勝以降も4回のトップ10フィニッシュを重ねてきた。しかし、2勝目だけを求める気持ちが先走り、優勝以外の結果に満足できない。そんな悪循環により、いつしかネガティブな思考へと傾い...
2013/11/09GDOEYE

小田孔明は死んでない。初の逆転勝利へ意欲

10月の国内メジャー「日本オープンゴルフ選手権競技」で逆転負けを喫した小田孔明。第3ラウンドを終えた時点で後続に3打差をつけ、悲願の日本タイトル獲得はあと一歩に迫っていた。3日目の公式会見では、逆転で敗れた2007年大会を頭に浮かべて思わず涙。ところが、雨で順延となり月曜日に持ち越された最終ラウンドではまたもやゲームをひっくり返され、リベンジはならなかった。 6年越しの悪夢。それでも小田は強く立ち上がった。翌週の「ブリヂストンオープン」では3位タイ、そして今週「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦」も3日目を終えて首位の呉阿順(中国)とは4打差ながら、通算11アンダーの2...
2013/11/02GDOEYE

2年前の借りを返す!服部真夕が2日間ノーボギー

千葉県で開催された国内女子ツアー「樋口久子 森永製菓ウイダーレディス2013」の2日目は、朝から気温が上がらず選手たちは寒さをこらえてラウンドとなった。午後からは追い打ちをかける冷たい雨も降る中、3アンダーの8位から出た服部真夕は「68」で回り、首位と1打差の通算7アンダー2位タイに浮上してきた。 初日に3バーディを奪い、この日は4バーディ。この日は決して無難な内容ではなかっただけに、2日間ノーボギーのプレーで会見場に現れ、「満足です」と話した服部の実感は、記者にもひしひしと伝わってきた。 この日は5番、6番と2ホール続くパー5でバーディを奪って滑り出したが、次の7番でピンチに陥った。ティショ...
2013/11/01GDOEYE

キャディが書く、もう1枚のスコアカード

米ツアーが誇る「ショットリンク」というサービスをご存じだろうか? PGATOUR.COMの公式ウェブサイトや、メディアセンターからそのサービスにアクセスすると、リアルタイムに全選手の全打球を確認できる。1打目は飛距離245ヤードで右のラフ、2打目はグリーンオーバーしたファーストカットでカップまで8ヤード・・・、といった具合だ。 米国内で開催されている試合では、セカンド地点の脇や、グリーン奧のタワーの中に常に測定器を持ったスタッフが待機して、打球位置を計測しては即座にシステムへと送信している。選手のラウンドについての取材中でも、「今のドライバーの飛距離は何ヤード?」と聞けば、その場でこっそり教え...
2013/10/31GDOEYE

ミケルソンの教育的指導 in 上海

2009年にここ上海・シェーシャンGCで「WGC HSBCチャンピオンズ」を制したフィル・ミケルソン。今週が今年最後の試合というミケルソンは、大会初日も残り2ホールまでに6アンダーとスコアを伸ばし、リーダーボードのトップに立っていた。だが、8番(パー5)でまさかの「9」、続く9番でもボギーとし、わずか2ホールで5打落としてクラブハウスに戻ってきた。 こんな時でもファンに対してきちんと対応するのが、ミケルソンの尊敬されるところ。アテストを終えて出てきたミケルソンを見つけると、鉄製のフェンス越しにファンが帽子やノートを差し出して殺到した。ガードする警備員は、必死にフェンスを押し返している。何人かに...
2013/11/07GDOEYE

ベテランが経験した格差社会 桑原克典

今季から新たに国内男子ツアーのスケジュールに加わった「HEIWA・PGM CHAMPIONSHIP in 霞ヶ浦」は、チャレンジトーナメントに年間3試合の“姉妹試合”を持ち、それぞれの優勝者がこのレギュラーツアーの本戦出場権を獲得できる特典がある。桑原克典は10月に「HEIWA・PGM Challenge III ~ Road to CHAMPIONSHIP 2013」を制覇。そして7日(木)に開幕した本戦初日、4アンダー4位タイと好スタートを切った。 桑原は国内メジャー1勝を含むツアー2勝の44歳。藤田寛之、丸山茂樹らとは同級生に当たる。2010年シーズンを最後にシード権からは見放されて低迷...
2013/11/07GDOEYE

奥田靖己、青木功の渇に開眼

青木功が5度目のエージシュートを達成した今季第11戦「富士フイルムシニアチャンピオンシップ」の初日、奥田靖己が5アンダーの「67」をマークして単独首位の好スタートを切った。この好スタートの要因というのが、前日練習ラウンドでたまたま9ホールを共にしたという青木の一言だったという。 「おまえ、都合のいいことばっかり考えてるだろ?」 練習ラウンドの最中、何度も奥田に浴びせられたこの言葉。リスクや失敗から目を背け、ショットの成功しか考えていなかったことを見透かされ、「脳みそをえぐられるほど」の刺激を受けた。 昨年大会では、最終ホールに“あわよくば”という望みをかけて2オンを狙った第2打をグリーンサイド...
2013/11/04GDOEYE

中国進出したPGAの狙い…湧き上がる焦燥感

「WGC HSBCチャンピオンズ」の3日目が終わり、メディアセンターで原稿を書いていると、大会スタッフが1枚の紙を持って回ってきた。「明日12時、ティム・フィンチェムから特別なお知らせがあります。是非、会見にご出席ください」。スポンサー契約の延長でも発表するのだろうかと、当時は軽く受け流していた。 日曜日の11時過ぎ、石川遼、藤田寛之、川村昌弘の3選手がコースに出てプレーをしている。どうしようかと迷ったが、メディアセンターに戻ることにした。時間ギリギリに戻ってみると、会見場はスーツを着た偉そうな面々と、多くの中国メディアでごったがえしている。その人混みをかき分けて前に進むと、ひとつのロゴが目に...
2013/11/03GDOEYE

室田淳がレギュラーツアー引退宣言 シニア日本一が描く新構想

「僕はもう今年でレギュラーツアーは引退しようと思っている」 福岡県で開催された「第23回日本シニアオープンゴルフ選手権競技」の優勝会見。大会2度目の制覇を果たして、シニアメジャーの通算勝利数も「3」に伸ばし、名実ともに国内シニアの第一人者であることを証明した室田淳は、冗談とも本気ともつかない決断を唐突に明かした。 58歳にしてなお、レギュラーツアーと国内シニアツアーの二足の草鞋(わらじ)で頑張る室田は、今季のレギュラーツアーに14戦出場。最高順位は「フジサンケイクラシック」の12位タイで、予選落ちが5試合、棄権1試合。若手と十分に渡りあっているといえる成績を残している。8月のレギュラーツアー「...
2014/05/21GDOEYE

“ベン・ホーガン伝説”が息づくコロニアルCC

先週、テキサス州ダラスで行われていたのは「HPバイロン・ネルソン選手権」。今週、隣町のフォートワースで開催されるのは「クラウンプラザインビテーショナル」。その大会名からは消え失せてしまったが、前者をバイロン・ネルソンの大会とするならば、今週はベン・ホーガンの大会と呼ぶのが相応しい。 1946年に「コロニアル・ナショナルインビテーション」として産声を上げたのが、今大会の生い立ちだ。その記念すべき第1回大会と、翌年に行われた第2回大会、さらに1949年に瀕死の交通事故に遭った後、わずか11ヶ月で奇跡の復活を遂げたホーガンは、1952年と53年にも連勝を飾り、59年にも大会史上最多となる5勝目を挙げ...
2014/05/04GDOEYE

アマチュアキラー?! 一ノ瀬優希が見せたプロの意地

首位で最終日を迎えた堀琴音と森田遥のアマチュア2選手が注目を集めた国内女子ツアー「サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント」は、最終18番で劇的なチップインイーグルを決めた一ノ瀬優希が通算9アンダーで逆転優勝を果たした。 大会を締めくくる表彰式。優勝した一ノ瀬が、ベストアマチュア賞で出席した2位の森田に笑顔で声をかけた。「また一緒だね」。また…。一ノ瀬がプレーオフの末に制した3月の第2戦「ヨコハマタイヤPRGRレディスカップ」でも、森田は1打差の3位に入り、ベストアマで表彰式に同席していた。 偶然なのか、一ノ瀬の“アマチュアキラー”ぶりが端的に表れたシーンだった。 最終日のスタート前、1...
2014/05/04GDOEYE

ダービー出走が呼び覚ますJ.B.ホームズの感慨

米国の競馬界で最大規模のイベントの1つ、ケンタッキーダービーが開催された4日。ノースカロライナ州で開催中の「ウェルズファーゴ選手権」は、ケンタッキー州出身のJ.B.ホームズが3日目を終えて通算13アンダーで単独首位に立ち、2008年以来となる久々のタイトルに王手をかけた。 13年シーズンが開幕して3ヶ月が過ぎようとした、昨年のちょうど今ごろ。ホームズはツアー会場ではなく、地元開催のケンタッキーダービーの会場にいた。5試合に出場後の3月、ローラーブレードを楽しんでいる際に左足首を骨折。手術後はリハビリのため、長期のツアー離脱を強いられていたためだ。 ホームズには公傷制度が適用され、約9ヶ月の離脱...
2014/05/03GDOEYE

元世界ナンバー1・申智愛が思う「アマチュアの強さ」とは

国内女子ツアー「サイバーエージェントレディスゴルフトーナメント」の2日目。イーブンパーの19位タイから出た申智愛(韓国)が、ノーボギーで7バーディを奪う「65」をマークし、首位と1打差の通算7アンダー3位に急浮上した。 自分よりも上位、首位には堀琴音、森田遥のアマチュア2選手が並び立つ状況。かつて世界ランク1位に君臨した26歳の実力者は「明日は自分のゴルフに集中するだけ。アマチュア選手とラウンドすると、もう自分も先輩なんだと思えるので明日は楽しみです」と、いつもの人懐っこい笑みを浮かべた。 申がプロの試合でアマチュアと優勝争いをするのは2012年の米女子ツアー「CNカナディアン女子オープン」以...
2014/05/01GDOEYE

ゴルフにおける“ギネス世界記録”あれこれ

4年前の2010年、「中日クラウンズ」最終日に「58」を叩き出した石川遼のスコアは、“プロツアーでの最少ストローク記録”としてギネス世界記録に認定された。 そして今年、石川と予選ラウンドを同組で回っているライン・ギブソン(オーストラリア)は“18ホールでの最少スコア”「55」というギネス世界記録(ギブソンはゴルフウィークナショナルプロツアーという米国の下部ツアーで記録)を持っている。 日本では、年に一度出版される“ギネスブック”としての認知が高いが、このギネス世界記録への登録は申告制。ということで、同組織のウェブページを見てみると、ゴルフに関連したものだけでも84件もの様々な世界記録が存在して...
2014/05/09GDOEYE

池ポチャ2発の悪夢から1年 17番とガルシア再び

8日(木)に開幕した「ザ・プレーヤーズ選手権」の舞台・TPCソーグラスで、2008年の優勝を含めて3回のトップ5入りを飾っているセルヒオ・ガルシア(スペイン)。しかし、それらの活躍したシーンよりも、昨年の落胆した姿を思い浮かべるファンも多いかもしれない。 最終日、タイガー・ウッズと首位に並んで迎えた、浮島グリーンの17番パー3で悲劇は起きた。ティショットを2回続けて池に打ち込み、5オン2パットの7打を叩き自滅。最終18番もダブルボギーとして優勝争いから一転、終盤2ホールだけで8位タイへと沈んだ。 こんなデータもある。過去ソーグラスを回った52ラウンドで、ガルシアが17番で池に打ち込んだのは6回...
2014/05/07GDOEYE

宮里藍が太鼓判 勝みなみのアマ継続の決断

4月の「KKT杯バンテリンレディスオープン」を15歳293日の若さで制し、一躍時の人となった勝みなみ。日本の男女ツアーにおいて、史上最年少のツアープロ誕生の権利を手にしたが「高校卒業まではアマチュアのままでいます」と、その権利を放棄する意向を示したのはその直後のことだった。わずかにトーンダウンする一部の気配もある一方で、幼少の頃から憧れたその人は、15歳の決断を力強く後押ししてくれた。 今季初参戦となる国内ツアー「ワールドレディスサロンパスカップ」を前に、宮里藍は予選ラウンドを同組でプレーする勝に言及。「年齢は関係なく、ツアーで勝つのは難しい。それを15歳で達成したのだから…。日本から有望選手...
2014/01/14GDOEYE

今季6戦2勝のジミー・ウォーカー、破竹の勢いはどこまで?

「ソニーオープンinハワイ」で3日目までの2打差をひっくり返してツアー2勝目を飾ったジミー・ウォーカー。最終日は比較的難しい序盤で1バーディと静かにスタートし、9番のバーディを奪うと、バックナインでは無傷の5バーディと“ビッグウェーブ”をつかまえ、混戦の優勝争いを一気に突き抜けた。 「悲願の初優勝」が34歳のウォーカーにもたらした“進化”を感じる逆転劇だった。2001年に22歳でプロ転向したウォーカーは、昨年10月に行われた2013年-14年シーズンの開幕戦「フライズドットコムオープン」で米PGAツアー初優勝。ツアーに出場するようになってから7年、187試合の敗戦がウォーカーにとって「1勝」へ...
2014/01/18GDOEYE

「PGA ツアーWoman」ってなんだ?

「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」の開催週に入った13日(月)、フロリダ州ポンテベドラビーチにあるPGAツアー本部から1枚のプレスリリースが送られてきた。「PGAツアーは、昨年立ち上げたWomen’s Initiative(女性に関する新政策などを発議する機関)を『PGAツアーWoman』と名称を変え、拡大していきます」という。果たして、どんなことを意図しているのだろう? そのリリースには、事実として次のことが書かれていた。「ニールセン社の調査によると、2013年には8,300万人近い人々が、PGAツアーのテレビ放送を少なくとも15分は見ていて、そのうち46%が女性でした」。...