2015/04/11GDOEYE

ベン・クレンショーがマスターズに涙の別れ

最後に抱き合ったのは生涯の友だった。米ツアー通算19勝(メジャー2勝)のベン・クレンショーが「マスターズ」に別れを告げた。2015年のメジャー初戦。今年を最後の大会出場とすることを表明していた63歳の名手は、2日間で通算32オーバー、最下位で予選落ちを喫した。 44度目の出場となったマスターズ。慣れ親しんだはずのオーガスタナショナルGCの18番グリーンは違って見えた。幾重にも連なったパトロンたちがスタンディングオベーションで迎えてくれた。「まるで優勝したみたいだね」。見守った家族はみな、目にも光るものを浮かべていた。 パッティングの名手として知られたクレンショーは、1984年にマスターズ初優勝...
2015/04/07GDOEYE

欧州ツアーが日本上陸か? オーガスタ会談で“ソコアゲ計画”を提案

日曜日の昼下がり、ロンドン市内には濃いブルーの空から優しい陽光が降り注いでいた。3月22日、自ら待ち合わせ場所に指定した瀟洒なフレンチビストロのテーブルに腰を据えた欧州ツアーのジョージ・オグレイディCEO(最高経営責任者)は、申し訳なさそうに、素早く、携帯端末に届いたメールをチェックした。 「この素晴らしい天気! ヨーロッパのほとんどの場所がこんな陽気だというのに、マデイラだけは大雨なんだ。島の海沿いは大丈夫だけど、ゴルフ場は山の上にあるからね。今、大会をキャンセルしたという連絡がきた――」。 欧州だけでなく、アフリカ、中東、アジアまで。窓の外の穏やかな情景からポルトガル・マデイラ島の悪天候を...
2015/04/07GDOEYE

米国人トップ3独占を強調…敗者ルイス“ウィンウィン発言”の真相は

米国女子ツアー今季メジャー初戦「ANAインスピレーション」は、2009年覇者のブリタニー・リンシコムと2011年覇者のステーシー・ルイスのプレーオフの末、リンシコムの劇的な逆転優勝で幕を閉じた。今季からスポンサー変更で装いを新たにした大会だが、地元アメリカ人選手同士によるタイトル争奪戦となり、大会は大いに盛り上がった。 「ブリタニー(リンシコム)とは友達。彼女にとっては、しばらくぶりの勝利で、とても素晴らしい1勝となったはず。リーダーボードのトップ3にアメリカの国旗が並んだこともうれしいし、なによりもメジャーの舞台でアメリカ人が優勝できたことはウィンウィンね」 タイトルを逃した直後のルイスが、...
2015/04/09GDOEYE

開幕前日!松山英樹、4度目のマスターズへ求め続けた「普通」

2015年のメジャー初戦「マスターズ」が9日(木)に開幕する。ジョージア州オーガスタナショナルGCで2年連続4度目の出場を果たす松山英樹。前週から重ねてきた当地での調整を8日(水)に終えた。 ティオフ前日の恒例行事、パー3コンテストには今年もエントリーしなかった。開幕前の雨水を吸い込んで咲き乱れるアゼリアの花。松山はそんな周囲のお祭りムードとは少し距離を置いて、ただ着々と準備を整えた。 午前8時からインの9ホールをビリー・ホーシェル、予選同組のウェブ・シンプソンらとプレー。16番(パー3)で、アマチュアのスコット・ハーベイを誘い、一緒に水切りショットを披露したシーン以外は、目には鋭さが漂った。...
2015/04/06GDOEYE

オーガスタでのジュニアイベント 日本人中学生が出場!

9日(木)に開幕するメジャー初戦「マスターズ」。昨年から、前週の日曜日は会場のジョージア州オーガスタナショナルGCで、ジュニアのイベント「ドライブ・チップ&パット」が行われている。全米予選を勝ち抜いた各部門(7-9歳、10-11歳、12-13歳、14-15歳のいずれも男女)、延べ80人がこの決勝大会に出場。今年はその中に、日本国籍を持つ女子選手がいた。 メーガン・チャオさんは13歳の女子中学生。日本人と中国人のハーフで米国籍の父と、日本人の母の間に生まれた。ミドルネームはメグミ(恵)さん。幼い頃から主にカリフォルニアで育ち、現在は日米の二重国籍を持つ。ハワイから太平洋沿岸の州で争われた地域予選...
2015/04/05GDOEYE

早期のアマ資格放棄 川岸史果が選んだプロへの道

今週開催の国内女子ツアー「ヤマハレディースオープン葛城」で、男子プロゴルファー川岸良兼の次女・川岸史果がプロデビューを飾った。滑り込みで進んだ決勝ラウンドを51位タイで終え、今季の初賞金38万円を獲得。まずは順調にプロゴルファーとしての第1歩を踏み出した。 今季の出場優先順位を決める昨年のQTで、初めてサードまで進出。今季は『単年登録』選手としてプロツアーに加わることになった川岸は、ジュニア当時から注目の存在だった。父の遺伝子を受け継いだ恵まれた体格を活かし、2011年「マスターズGCレディース」では堂々の7位フィニッシュ。プロツアーにおいても、トップアマの1人として脚光を浴びてきた。 アマ時...
2015/09/13GDOEYE

藍も貢献 なぜ土曜日のコース全長は229ydも短くなったのか?

海外女子メジャー今季最終戦「ザ・エビアン選手権」の3日目。会場のザ・エビアンリゾートGCのコースセッティングは、ムービングデーらしいスパイスが利かされていた。 コース全長は、2日目の6296yd(初日は6256yd)から229yd短い6067ydに設定された。7番(パー5)は2日目の540ydから461ydへ。13番(パー5)は481yd→500ydへと伸ばされたが、15番(パー5):518yd→489yd、18番:428yd→383ydといった具合に、多くのホールで前方のティグラウンドが使われた。 この日、「67」をマークして首位と2打差の3位に浮上したリディア・コー(ニュージーランド)は、...
2015/09/13GDOEYE

フランス発!最もエレガントなゴルファーは誰?

今週、フランスで行われている「ザ・エビアン選手権」では、取材に訪れているジャーナリストと、「マダム・フィガロ」というファッション誌(およびウェブ)の読者が選ぶ「最もエレガントなゴルファー賞」というものがある。 この賞に選ばれたらどんな幸福を感じるのか――?私ごとで恐縮だが、とあるフランス人に「綺麗な瞳をしていますね」と、さらりと言われたことがある。それだけで、その1日をどんなに気分良く過ごせたことか…。そんな些細な経験を元にしても、受賞の喜びは想像するに余りある。 2日目の夜、大会主催のパーティで発表されたこの栄誉ある受賞者は、韓国のリュー・ソヨンだった。 「ドレスアップしたり、ファッションに...
2015/09/14GDOEYE

強くなったテレサ・ルー “秘密”のトレーニング法

今季の国内女子メジャー第2戦「日本女子プロゴルフ選手権大会コニカミノルタ杯」を1打差で逃げ切って今季4勝目を挙げたテレサ・ルー(台湾)。日本ツアーに本格参戦したのは2011年。13年の「ミズノクラシック」で初優勝してから2年足らずで通算8勝、メジャー大会3勝と一気に強さを増してきた。秘密は? 先月、台湾に一時帰国したルーのトレーニングを垣間見る機会があったので、報告したい。 現在、ルーのトレーナーを務めるのはアラン・ファン氏(29歳)だ。10歳から11年間カナダに住み、学生時代はバスケットボールや陸上競技に取り組んだというファン氏が、ゴルフを始めたのは20歳のとき。27歳で台湾のプロテストに合...
2015/09/12GDOEYE

地球は丸い 上原彩子の転がり方

フランス・エビアンを舞台に行われている今季海外メジャー最終戦の「ザ・エビアン選手権」。米ツアーを主戦場とする選手たちの移動経路はさまざまだが、アトランタから出発した上原彩子は、アトランタ→シカゴ→ワルシャワ(ポーランド)→ジュネーブ(スイス)と飛行機を乗り継いで、そこからレンタカーを1時間ほど運転した。 「姉がチケットを手配してくれているんですけど…」と上原は言う。「乗り継ぎは面倒だけど、稼ぎが悪いから文句はないです。きっと安かったんだと思います」と、長時間の移動も平然と受け入れた。初めて乗った航空会社もあり「ちょっと心配だったけど、意外に快適」と笑ったが、問題は食材の入ったスーツケースが2日...
2015/09/08GDOEYE

“ビッグ3”で奮起? 優勝のファウラー「小さな4番目になる」

リッキー・ファウラーの気配を感じたのは2日目のことだった。首位と4打差ながら、2日続けて「67」(パー71)とスコアを伸ばして、通算8アンダーの3位にいた。これは…、と思った。「ザ・プレーヤーズ選手権」と同じパターンだな、と。 米国男子ツアーのプレーオフシリーズ第2戦「ドイツバンク選手権」は、世界ランク1位のロリー・マキロイ(北アイルランド)がプレーオフに初参戦。2週間前は世界ランク1位にいたジョーダン・スピースと、プレーオフ初戦「ザ・バークレイズ」を勝利したジェイソン・デイ(オーストラリア)がそろい踏みとあって、メディアはこの世界ランク上位3人を開幕前から「ビッグ3」と書き立てていた。 さか...
2015/09/11GDOEYE

18歳の誕生日 ブルック・ヘンダーソンは初めてのエビアンに姉妹で

ケーキを手に、嬉しそうな笑顔を見せているのはカナダのブルック・ヘンダーソン。8月にオレゴン州で開催された米国女子ツアー「キャンビア ポートランドクラシック」で初優勝を飾り、17歳にしてLPGAツアーメンバー入りを認められたばかり。今週は、海外メジャー今季最終戦の「ザ・エビアン選手権」に初出場しており、大会初日の9月10日(木)が、ちょうど18歳の誕生日だった。 日本で1997年生まれの選手といえば、永井花奈や蛭田みな美といった高校3年生たちだ。勝みなみは、その1歳年下。すでにプロとして、海外メジャーに出場しているヘンダーソンの時間軸の早さが分かるだろう。 今週、ヘンダーソンのキャディをしている...
2015/09/07GDOEYE

足かけ9年 プレーオフ全試合出場中のメイハンに黄信号

フェデックスが冠スポンサーとなって、米国男子ツアーに4試合のプレーオフが導入されたのは2007年のこと。今年で9年目を迎えるが、この勝ち残りのサバイバルレースの全34試合(4試合×8年+今年2試合)すべてに出場している選手が1人だけいる。それが、ハンター・メイハンだ。 競争の激しいPGAツアーで、出場人数が30人に絞られるプレーオフ最終戦に出場することは容易ではない。その証拠と言えるか分からないが、最終戦に出場すれば、それだけで翌年の「マスターズ」、「ザ・プレーヤーズ」、「全米オープン」、「全英オープン」の出場権が付与される。 そんな記録を継続中のメイハンだが、今週行われているプレーオフシリー...
2015/05/24GDOEYE

トッププロへの新ルート開拓 片岡大育が歩んだ初優勝への道

開幕から3試合続いた海外勢の連勝を止めたのは、ツアー未勝利の26歳だった。1打差を追って関西オープンゴルフ選手権競技」最終日をスタートした片岡大育が5バーディ、1ボギー「67」(パー71)とし、通算17アンダーでツアー初優勝。「メチャクチャ嬉しい。それ以外に言葉が思い浮かばない」と歩んできた道を振り返り、言葉を弾ませた。 2位に3打差をつける鮮やかな逆転劇だった。前半2番(パー5)でバーディを先行させると、4番(パー3)で1m、5番と3mを決めて通算16アンダーに乗せ、早々に単独首位に立つ。3日目から「ラインを浅めに読んだ」というパットはこの日も好調で、続く6番(パー3)、7番と6mを連続で沈...
2015/05/23GDOEYE

ファウラーに続く?ポールターも汚名返上なるか

「ザ・プレーヤーズ選手権」で優勝し、「米ツアーで過大評価を受けている選手」という汚名を見事返上したリッキー・ファウラー。米スポーツ誌「スポーツイラストレイテッド」による選手への匿名アンケートで、その不名誉なレッテルを貼られた選手はもう一人いた。ファウラーと同じ数、全体の24%の票を集めたのが、イアン・ポールター(イングランド)だった。 ファウラーのキャリア通算2勝目からわずか2週間、今度はそのポールターに挽回のチャンスが巡ってきた。「クラウンプラザインビテーショナル」2日目を終えて通算8アンダーの2位。「彼(ファウラー)は自分の仕事をやってのけた。今度は僕の番だね」。単独首位のケビン・ナに2打...
2015/05/19GDOEYE

アダム・スコットが「オリンピックはエキシビション」と発言

112年ぶりの金メダリスト誕生まで、あと1年あまり。2016年のリオデジャネイロ五輪(ブラジル)でゴルフがオリンピック競技に復活する。ゴルフ界も当然、オリンピックへの復帰を歓迎する声が大半。だが、「ウェルズファーゴ選手権」の開幕前、アダム・スコット(オーストラリア)がロイター通信に対して語った言葉が、ちょっとした反響を呼んでいる。 現在、世界ランキング11位でオーストラリア代表入りが濃厚なスコットは、「絶対に出ないということはないが、オリンピックに出ることを前提に日程を調整することはない」とコメントした。「僕はメジャー大会で最高のプレーができるように日程を組む。もし出場資格を得られて、さらにオ...
2015/05/18GDOEYE

ロジャースとトーマス 22歳のライバル関係

最終日最終組でロリー・マキロイ(北アイルランド)が悠々と、世界ランク1位の貫禄を見せつけて7打差の勝利を飾った「ウェルズファーゴ選手権」。そのマキロイに次いでウェブ・シンプソンと並ぶ2位に入ったのは、主催者推薦で出場したパトリック・ロジャースだった。 「素晴らしい経験だった。僕は22歳だし、これはPGAツアーの試合。これ以上、望めないよ」とロジャース。「この位置でプレーして、ちょっとだけロリーにプレッシャーを掛けられて、本当に楽しかった」と初々しかった。 この日、ロジャースは最終組の3組前で、同じ22歳のジャスティン・トーマスと2サムになった。2人はジュニア時代から同じ舞台でプレーしてきた友達...
2015/05/22GDOEYE

関西OPは世界へのステップ 長谷川祥平がアマ唯一の予選突破

国内男子ツアー「関西オープンゴルフ選手権競技」2日目を終えて、通算イーブンパー52位タイまでの66人が決勝ラウンドに進出。23人が出場したアマチュア勢では、通算1アンダーの39位で終えた長谷川祥平(大阪学院大学3年)がただ1人、予選通過を果たした。 「将来はなるべく早くPGAツアーに行きたい」と海外志向が旺盛の21歳。優勝すれば翌年の「マスターズ」出場権が手に入る「アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権」で、2013年に惜しくも2位に終わった悔しさが、その原動力だ。 今年10月開催の同大会は、もちろん今年も目標の1つ。資格を得るには、世界アマチュアゴルフランキングで日本人上位に入る必要がある...
2015/05/17GDOEYE

伸び悩んだ日本アマ王者 焼き鳥店オーナーとの約束

埼玉県の太平洋クラブ江南コースで行われた「日本プロゴルフ選手権大会 日清カップヌードル杯」。決勝ラウンド2日間をいずれも60台でまとめた28歳の小林伸太郎が、キャリア最高となる4位タイでフィニッシュした。 アマチュア時代に将来を嘱望された若手が必ずしもプロの世界でも活躍するとは限らない。国内最高峰のタイトル「日本ジュニア」(2004年)、「日本アマチュアゴルフ選手権」(07年)を制した小林もまた、そうだった。池田勇太の1年後輩で、名門・東北福祉大のゴルフ部を出てからは、2009年にデビューしたツアーでは鳴かず飛ばず。昨年までにレギュラーツアーで稼いだ賞金額は220万円あまりだった。 昨年末のフ...
2015/05/17GDOEYE

ゾーンとは?マキロイが5年前の自分超え コースレコード「61」

「ウェルズファーゴ選手権」3日目、世界ランク1位のロリー・マキロイがクエイルホロークラブで11バーディ、ノーボギーの「61」をマークした。これは、2010年大会の最終日に自身が記録した「62」を上回るコースレコード。その年、マキロイはフィル・ミケルソンを振り切って、米ツアー初優勝を飾ったのだ。 あれから5年。当時と今と、何が違うか問われたマキロイは「メンタルだ」と断言した。「忍耐強くなり、スコアを伸ばすことを恐れない。心構えとか行動が、どんなコースや試合状況でも変わらない。それが一番大きな違いだと思う」と自己分析し「この5年の経験。メジャーに勝ち、メジャーで負け、戦い続けた経験が5年前と今との...