2013/09/20PGAコラム

バーディなしの「73」で出遅れたウッズ

「ザ・ツアー選手権 presented by コカ・コーラ」初日、タイガー・ウッズが最初のホールで外した6フィートのバーディパットは、ウッズにとって残念な一日の始まりだった。 フェデックスカップランキング1位でプレーオフ最終戦を迎えたウッズは、出場30選手中29位の「73」で初日を終え、首位から9打差と出遅れた。ひとつもバーディを奪えなかったのは、自身のプロキャリアの中でも7回目であり、2010年全米オープン初日以来のことだ。 興味深いことに、今日も含めてウッズが過去に記録したバーディゼロのラウンドのうち3つは、ここイーストレイクでのもの。ウッズはこのコースで過去に2度の優勝、そして4度の2位...
2013/06/09PGAコラム

まさに“ジュースト”フィット!

ジュースト・ルイテン(オランダ)はダイヤモンドカントリークラブでの緊張を克服し、3打差を付けて「ライオネスオープン powered by グリーンフィニティ」の最終ラウンドに突入する。 前日首位だったルイテンは序盤戦、まずは3日目最高スコア「64」を出したトーマス・ビヨーン(デンマーク)に、続いてエドアルド・デ・ラ・リバ(スペイン)に追いつかれた時には焦りを感じたと言う。 確かにトップを争うグループは激しい接戦で、ルイテンをはじめホルヘ・カンピーロ(スペイン)と同組のポール・ウェアリング(イングランド)は3者並んで最終4ホールに挑んだ。 ところがルイテンは最高のタイミングで調子を上げ、15番、...
2013/06/06PGAコラム

P.ミケルソン 今週は「全米オープン」のために

今年最初のメジャー大会となった「マスターズ」で自らのプレーに失望したフィル・ミケルソンは、次に迎えるメジャーの前週は、別の大会に出てプレーすべきだと感じていた。「フェデックス セントジュード クラシック」の開幕を控えた水曜日、ミケルソンは「メンタル面をシャープに準備するために、全米オープンのようなミスをすると取り返しのつかない大会前は、別のツアーに参加して心を研いで準備万端にしておきたいんだ」と、語った。 この大会は、彼にとって2009年以来3度目の出場となる。少なくとも過去に2度出場した時は、TPCサウスウィンドでのプレーが翌週のトーナメントに良い結果をもたらしている。4年前、ミケルソンは最...
2013/06/05PGAコラム

クーチャー、かつての苦闘は過去の記憶に

これまで運と名声に縁のなかったマット・クーチャーは今になってその両方を手にしそうだ。このような事は、クーチャーのように自分の達成可能なゴールを定め、辛抱強く忍耐力のある選手に起こりえる事だ。クーチャーはプロになってしばらくの間、調子の善し悪しに関わらずバランスよくプレーできる選手だったと言える。 34歳と年齢的にも熟した時期を過ごすクーチャーは、先週のザ・メモリアルトーナメントを276打の12アンダーで終え、2位に2打差での優勝を飾った後、ジャック・ニクラスの横に座っていた。 クーチャーにとって、先週の優勝は今シーズン自身2度目の優勝で、プロに転向して6度目、過去5年間で5度目の優勝となった。...
2013/06/12PGAコラム

パワーランキング/全米オープン

メリオンゴルフクラブ東コースは、1981年の全米オープン以来となるメジャー大会を久々に主催する。一般的には、このメジャー大会はペンシルバニア州アードモアにあるコースで発展してきたと思われており、それはある程度当たっているのだが、全米ゴルフ協会(USGA)は全米オープンを多彩なコースで行っている。そのうちの一つがメリオンのような伝統的なコースで、数々のコースが豊かな伝統と歴史を作っているということになる。今回は第113回目の全米オープンを主催する。 ここは全長6,996ヤードという短いコースで、全米オープンが7,000ヤード以下のコースでの開催となるのは2004年のシャインコックヒルズ以来となる...
2013/06/10PGAコラム

フェデックスセントジュードクラシックの大会雑記

フロントナイン:スターリングスの過去3大会を振り返ってみよう。彼は最終日の前半ラウンドで「29」「31」「31」と非の打ちどころのないスコアを連発した。それだけではない。素晴らしいスコアを叩きだした3大会は、コロニアル、ミュイフィールドビレッジ、TPCサウスウィンドで開催された大会であり、どれも難コースで知られている。 偶然のひと言では片付けられないだろう。しかし不幸なことに、スターリングスは今週「も」、バックナインで良からぬ流れを引きずってしまった。今日のバックナインは上がり4ホールでの2ボギーを含む、2オーバーだった。スターリングスの4日間を前後半で分けてみると、前半は12アンダー、後半は...
2013/06/10PGAコラム

イングリッシュが遂に初優勝!

TPCサウスウィンドのバックナインに潜む難関を回避したハリス・イングリッシュが、上がり3ホールで2バーディを奪う盤石のゴルフで、嬉しい米国ツアー初優勝を手にした。 イングリッシュはバックナインでスコット・スターリングスを捉え、17番で17フィートのバーディパットを決めて優勝を大きく引き寄せ、この勝利でフェデックスポイントを500ポイント加算した。ジョージア大学出身のスター選手である彼は、これで自身4度目のトップ10フィニッシュとなった。彼は最終日を「69」の通算12アンダーとし、2位のスターリングスと終盤猛追を見せたミケルソンに2打差をつけて優勝した。 「終盤でハリスは素晴らしいゴルフを見せた...
2013/04/05PGAコラム

大きく息を吸うベタンコート

ゴルフコースへ向かう道すがら、マット・ベタンコートは自らの健康に気を揉んでいることが多い。かつてはなかった光景だ。 ベタンコートは喘息に苦しんでいる。初日を単独トップで終えた木曜の午後は、バレロ・テキサスオープンの初日を5アンダーの「67」で回った。しかし彼はTPCサンアントニオのAT&Tオークスコースで、ウェッジを岩で傷つけてしまい、小さなダメージを受けた。 8番ホールでティショットを曲げ、ラフからのリカバーに成功してパーをセーブした時の出来事だ。 “(ラフの下に)岩があったことに気付かなくてね”とベタンコート。“クラブのフェースにかなりのダメージを負わせてしまったよ。” 彼愛用の52度のウ...
2013/04/03PGAコラム

早耳情報:バレロテキサスオープン

戦前分析 2月でTPCサンアントニオでの大会も3周年を迎えた。ここは米国ツアーを開催しているなかで最も新しいコースである。修正箇所はまだまだあり、そしてまだまだ「若い」大会である。 これまでのバレロテキサスオープンと同じように、どの選手にもチャンスが巡ってくる事が予想され、リーダーボードに並ぶ面子は過去3回とは違った顔ぶれになるだろう。コースの経験値はある程度ものを言うかもしれないが、TPCサンアントニオでどのように戦ってきたかに関係なく、短い大会の歴史を振り返ると新参者にもチャンスがあるように思われる。 水曜日の時点での、戦前分析とシーズン合計の米国ツアーレポートがこちらだ。 本命 ゴンサ...
2013/04/07PGAコラム

マスターズ出場へかすかな望みを託すシームの戦い

バレロ・テキサスオープンがTPCサンアントニオで定期的に開催されるようになったのは3年前のこと。それまでこの大会は、各地をジェットコースターのように回りながら歴史を重ねて来た。 開催地を転々としたことは、90年以上の長い歴史を誇るこの大会の歴史そのものだが、今週はあるひとりの選手が、まるでジェットコースターのようなプレーを見せている。「金のパンを持つ男」の愛称で知られる、マルセル・シーム(ドイツ)だ。 彼は、先週モロッコで開催されたトロフィー・ハッサンIIで優勝した時、マスターズ出場を意識した。 シエムがハッサンIIで優勝を遂げた数時間後、ラッセル・ヘンリーが「68」という素晴らしいスコアでシ...
2013/03/06PGAコラム

フロリダで復調のカギをつかんだG.オギルビー

先週の「ザ・ホンダクラシック」は、ジェフ・オギルビー(オーストラリア)にとって全てがお膳立てされた素晴らしい舞台となった。 同大会を2位で終えたオギルビーは「自分が正確にボールを打てていたのは分かっていたので、その調子で打ち続けていただけ」と語った。「今週は調子が良かったね。(不調で下位に低迷していた時間が)長かったからね。素晴らし結果になったよ」。 オギルビーは直近4試合ですべて予選落ちという状態でホンダクラシックに挑んだ。その4試合のトータルスコアは通算18オーバーと散々たる成績だった。前週を迎えるまでの2013年シーズン、彼が「70」以下でホールアウトを終えたラウンドは、わずか2ラウンド...
2013/08/19PGAコラム

フェデックスポイント125位以内には誰も滑り込めず

ロバート・ストレブは、今年の米国ツアーで5319打を放った。来季へのシード権を確保し、またフェデックスカップのプレーオフに出場するためには、僅か1打多かった。 ウィンダム選手権を終え、ストレブはフェデックスポイントで126位となった。125位以内に入った選手はフェデックスカッププレーオフへの出場権を獲得する他、来年レギュラーツアーのシード権も得る。ストレブは最終ラウンドの最終ホールで、11フィートのバーディパットを外してしまったがために、125位以内に食い込む事が出来なかった。 ストレブだけではなかった。プレーオフ前最後の大会で125位以内に滑り込む選手がひとりも出なかったのは、2007年にフ...
2013/08/13PGAコラム

パワーランキング:ウィンダム選手権

いよいよシーズン最終戦!「フェデックスカップ」プレーオフに続く米国ツアーの今シーズンの終わりを告げるのが、今週の「ウィンダム選手権」だ。 156人もの選手が、セッジフィールドCCで生き残りを賭けて争い合う。「フェデックスカップ」ランキング上位125人に入らなければ、翌週の「ザ・バークレイズ」には参加できない。仮にランキング125位から外れてしまっても、賞金王リストで上位125位以内に残ることが出来れば、その選手は2013-14年シーズンの予選会免除の資格を得る。 パー70のセッジフィールドでは、激しい争いが予想される。過去5年間、この大会が開かれたこのコースは、パー70コースのうち、最もスコア...
2013/06/18PGAコラム

リバーハイランズを制圧するのは?/トラベラーズ選手権

先週開催された「全米オープン」ほどではないにしろ、今週のTPCリバーハイランズもまた、骨が折れるコースだ。「全米オープン」のメリオンGC同様に、パー70の設定で行われるこの大会は、昨年は2日目を終えた時点での予選通過ラインがイーブンパーに設定された。先週と同じパー70の舞台で、シーズン2度目の制覇となるか。「全米オープン」で優勝したジャスティン・ローズも今週の大会に挑む。 2011年、TPCリバーハイランズのコースは、ツアーで使用される「パー70」の全コースの中で最も簡単なコースだった。しかし去年の平均打数は「69.839」で、全15コース中での易しさは6番目のコースへと様変わりした。2007...
2013/06/13PGAコラム

インサイダー:メリオンに降りしきる雨との戦い

(ペンシルべニア州アードモア) 「安定して速い」。これまでの全米オープンのコースは、このように表現されることが多かった。だがここ数日の間、降りしきる豪雨の影響で、メリオンゴルフクラブは月曜日の練習ラウンドが何度もプレーの中断を余儀なくされた。そして11番ホール(パー4)が冠水してしまったことで、選手たちはフィールド上の戦略を変えざるを得ない状況となった。 「これだけ多くの雨に降られたのは、本当に残念だ」と語ったルーク・ドナルド(イングランド)。彼は火曜日に、「ほとんどの人は、このコースで安定した速いプレーを見たいと考えているはず。だけど、今週はそれができるようには思えないね」と、私見を述べた。...
2013/06/14PGAコラム

スコット、ストリッカ―、ペナルティギリギリの初日

メジャー大会3試合連続で、視聴者がルール違反の可能性があると電話を掛けてきた。 しかし今回は、ペナルティが科されることは無かった。スティーブ・ストリッカーとアダム・スコット(オーストリア)は、初日のラウンドで反則の疑いがかけられたが、ノーペナルティで済んだ。 メリオンGCで開幕した全米オープン初日、先ずはストリッカーがホールアウトした直後にビデオ判定が行われた。 ストリッカーの11ホール目となる3番(パー3)で、彼は木の下へショットを打ち込み、スタンスはバンカーの中という状態でのプレーを強いられた。そして、ストリッカーがドロップする場所を探しているときに、彼がライの改善をしているのではないかと...
2013/06/15PGAコラム

肘の痛みに耐えながら優勝を狙うタイガー

タイガー・ウッズはかつて骨折した足で全米オープンを優勝した経験がある。では肘を痛めた今の状態ではどうだろうか。 今大会2日目に世界ランク1位のタイガーが明かしたのは、先月優勝したザ・プレーヤーズ選手権の際に、左ひじを痛めたということだけ。具体的にはいつ、どの程度なのかは示していない。どこかのラウンドの時に痛めたという事実のみ明かしている。 「見ての通りさ」。今大会2日目のラウンドを「70」のイーブンパーで回ったタイガーは、皮肉交じり言った。週末の決勝ラウンドに向けて、通算3オーバー。5年前、トーレパインズGCの全米オープンで歴史的勝利を収めて以来となるメジャー大会制覇を争う位置につけている。 ...
2013/10/15PGAコラム

パワーランキング:シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン

ラスベガスは通称、ロストべガス(お金を失くす街)と言われ悪名高いが、「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」が開催されているここ20年ほどは、1年の終わりを前に賞金を稼ぐ舞台となっている。しかし今回は、今まで同様10月に開催される一方で、米国ツアー新シーズン2つ目の大会として位置づけられる。今回初めてこの大会でフェデックスカップポイントを懸けた戦いが行われ、優勝者には2014年の「マスターズ」への招待が約束される。 ここTPCサマリンでは1992年以降大会が開催されているが、独立した大会として開催されているのは2008年から。2009年にはマーティン・レアードが通算19アンダー「2...
2013/10/18PGAコラム

1打差で初日首位に立ったヘンリー

「シュライナーズホスピタルforチルドレンオープン」初日、最終ホールで15メートルのイーグルパットを決めたJ.J.ヘンリーは、11アンダー「60」でラウンド。TPCサマリンのコースレコードを叩き出し、アンドレス・ロメロに1打差をつけ首位に立った。 ヘンリーは前半9ホールを4アンダー「32」で折り返すと、後半9ホールで「28」をマーク。最後の6ホールを6アンダーとし、キャリアハイスコアを記録した。 「ついにパットが上手くいったよ」とヘンリー。「自分は優れたボールストライカーだと思っているけど、さらにパットが上手くいけば、リーダーボードで上にいくことができるんだ」。 ジェームス・ドリスコル、ジョナ...
2013/10/03PGAコラム

ミュアフィールドビレッジ 18番ホールの改造劇

ジャック・ニクラスはここ10年の間、かつて彼が支配したミュアフィールドビレッジの18番ホールが、テクノロジーの進化に飲み込まれていくのを愕然と眺めてきた。 同コースで行われる毎年の「ザ・メモリアルトーナメント」で出場者の多くが次から次へと右側にあるドッグレッグのバンカーを越えていくのを見て、ニクラスはひとつバンカーを増やした。そして次の年にはもうひとつ、さらにもうひとつ。そしてまた、ひとつ…。 今年の初め、ニクラスは「仕方なく、ホールの右側に9つバンカーを設置したんだ」と話した。「地上からは見えないけど、上空から見るとひどいものだよ」。 しかし今週、「プレジデンツカップ」を迎えるミュアフィール...