2011/11/25GDOEYE

平塚と池田がバツグンの相性で世界を舞台に戦う

「勇太はオレのこと、すごい好きなんよ」と、平塚がうれしそうに顔をクシャっとして笑う。中国のハイナン島にあるミッションヒルズリゾートで開催されている「オメガミッションヒルズワールドカップゴルフ」は世界28カ国の代表が2人1組で戦うため、ペアリングの信頼関係が最も重要なことは言うまでもない。この2人を見ていると、表現の方法こそ異なるが、多くの共通点があることでお互いに深く理解しあえていることがわかる。 一見、人を寄せつけない雰囲気をかもし出している2人だが、常に周囲への細かい気配りを忘れず、思いやりをもって行動していることに驚かされる。大会前日に行われたプロアマ大会でも、「スイングの悪いところをこ...
2011/11/24GDOEYE

韓国代表の2人がつぶやく「僕たちもアウェイです」

過去3年間も中国で開催されてきた「オメガミッションヒルズワールドカップ」が、今年は中国南部の海南島の海口で開催されている。日本からは40歳になった平塚哲二と27歳の池田勇太が代表として出場。韓国からは31歳のキム・ヒョンソンと25歳の朴星俊の2人が代表に選ばれた。 2人とも日本ツアーのメンバーで、朴は今季からメンバーだが、キムは日本ツアーで3年過ごしている。会場で顔を合わせると「こんにちは」と話しかけてくるキム。あまり日本語が得意ではなく、日本ツアーの会場で積極的に話しかけられたことなどなかった。 しかし、キムは「どうもどうも」と話を続ける。日本語、英語、韓国語の入り混じったおかしな会話になっ...
2011/11/24GDOEYE

69歳の青木功に最年長記録更新の可能性

高知県のKochi黒潮カントリークラブで開幕した国内男子ツアーの今季第24戦「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」。宮里優作が7アンダーの単独首位発進とする中、青木功が3オーバーの65位タイで初日を終えた。 インスタートのこの日、青木は前半を1オーバーで折り返して後半アウトに突入。2番で2つ目のボギーをたたいてしまうが、5番(パー5)でバーディを奪い返した。上がりの2ホールを連続ボギーとし「最後は(8番、9番ホールともに)3パット、3パット。グリーンに乗った位置が悪かったけれど、それが悔しい」と苦笑いで、ため息をついたが「いいプレーだったけどな」と振り返った。 この「カシオワールドオープ...
2011/11/19GDOEYE

中断or中止、一打の重みを考える

この日、西日本を通過した雨雲は、男子ツアー開催中の宮崎県、そして女子ツアー開催中の香川県にも雨をもたらし、それぞれの大会ではその対応に追われた。 まず男子ツアーは当初8時だったスタート時刻を9時半、10時半、11時半と順次繰り下げて天候の回復を待った。しかし、翌日の最終日のことを考えると11時半までにスタートできなければ、持ち越しても最終ラウンドまで消化しきれない。10時半の時点で、コース整備も含め1時間後のスタートが不可能と判断したJGTOは、その時点で早々に第3ラウンドのキャンセルを決定した。 一方の女子ツアーは、7時40分の定刻に第1組がスタートしたが、悪天候での中断を想定して「最終組が...
2011/11/19GDOEYE

キョンテ、タイガー撃破のインパクト

「ザ・プレジデンツカップ」の世界選抜入りを果たし、初めてその舞台に立ったキム・キョンテが、3日目のダブルス戦で大きな仕事を成し遂げた。同郷の先輩・Y.Eヤンとペアを組み、タイガー・ウッズとダスティン・ジョンソン組を撃破。最終18番で1.5mのウィニングパットを沈めた瞬間、クールな印象の強いキョンテが雄たけびとともに豪快なガッツポーズを繰り出した。 日本では抜きん出た強さを見せているキョンテだが、初日、2日目のダブルス戦では本領をまったく発揮できず、成すすべなく連敗。「調子があまり良くなかったから・・・」。正確なショット、アプローチ、パット、そのすべてが影を潜めていた。初出場という立場、周囲を取...
2011/11/19GDOEYE

30回目のフェニックス予選通過を果たした中嶋常幸

コースコンディション不良のため中止となった「ダンロップフェニックストーナメント」3日目の天候が回復した午後、会場には通算5オーバー59位タイで予選を通過した中嶋常幸の姿があった。 1985年の第12回大会で日本人選手として初のタイトル奪取をしている中嶋は、今年で出場35回目を迎え、通算30回目の予選通過を果たした。2日目のラウンド後にスコアカード提出場に戻った中嶋は「ふー、何とか耐えたよ」と、大粒の雨に打たれながらのギリギリでの予選通過だった。 3日目の中止決定後、しばらくクラブハウスでくつろいだ中嶋は、日差しが出始めると意気揚々と練習場に向かった。「ドライバーは完璧なんだけど、さっきフェアウ...
2011/11/28GDOEYE

ワールドカップの開催国は固定が良い!?

「オメガミッションヒルズワールドカップ」が2年ぶりに開催された。2007年から中国の深センで3年間開催されていたが、前回09年大会を終えて今後は2年に1回の開催にすることが決定した。世界中のツアーで戦う選手たちのスケジュールを考慮すれば、毎年開催する必要もないという判断は納得がいく。 大会前日の夜には、敷地内のメインホテル前で盛大なオープニングセレモニーが開かれた。世界各地からゲストを招き、選手関係者を合わせれば1000人近い人が参加する一大イベントとなった。さらに、大会期間中も一般ギャラリーをはるかに上回る数のゲストがホテル内に大挙し、最終日の表彰式は中国のお祭りのような賑わいに圧倒され感動...
2011/11/27GDOEYE

女子トーナメントも3日間から4日間へ?

今季の国内女子ツアー最終戦「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」は、全美貞の優勝で幕を閉じた。これで今季の優勝は日本選手19回、韓国選手8回、中国選手3回。全30試合のうち日本選手の勝率は63%と、昨年の50%を大きく上回る結果となった。 小林浩美会長はこう振り返る。「今年は震災があって、選手の試合に対する気持ちが変わりました。試合のある有り難さ、普通にゴルフができる有り難みがみんなの中にあって、自分のゴルフ、プラス使命感を持ってそれぞれが頑張ったと思います」。確かに、われわれ日本人にはいつもと違う特別のモチベーションがあった。それは“なでしこジャパン”の快挙にも現れているだろう。 ...
2011/06/12GDOEYE

アンの成長と、深さを増す感謝の気持ち

「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」を制し、今季2勝目を挙げたアン・ソンジュ。その優勝会見で、周囲への感謝の言葉を次々と並べる姿が印象的だった。 ともに首位タイからスタートし、最終18番まで熾烈な優勝争いを演じた有村智恵に対して。「パットが決まらず苦しかったですが、最後まで有村さんと回れたから優勝できたと思います。彼女とじゃなければ、いいプレーはできなかったと思う」。 さらに、最終組を見守った大勢のギャラリーに対して。「日本でプレーする前は4日間(競技)が苦手で、ファイナルラウンドでスコアを落としていた。でも日本では多くのファンが応援してくれるし、最後まで集中が切れず、いいゴルフが...
2011/06/11GDOEYE

熾烈を極める「全英」への道

水曜日にも当コーナーで触れたが、今週の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」終了時点の賞金ランキング上位5名に与えられる「全英リコー女子オープン」出場権。優勝争いと並行して、こちらの争いが熾烈を極めている。 まず状況を整理しておくと、今週の開幕前の時点で、同1位の佐伯三貴、同2位のアン・ソンジュ、同3位の横峯さくらの上位5位以内が確定。同4位の不動裕理、同5位の李知姫と、圏外となる同6位の北田瑠衣、同7位の茂木宏美らの争いに注目が集まっていた。 予選ラウンド2日間を終えて、不動が予選落ち。その結果、李、北田、茂木は単独2位以上、同12位の有村は優勝すれば、自力での上位5名入りが確定す...
2011/06/16GDOEYE

茂木宏美が「全英」へ繰上げ出場

国内女子ツアーは開幕戦から「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」終了時点での賞金ランキング上位5人に「全英リコー女子オープン」の出場資格が与えられる。先週、そのサントリーが終わった段階で、アン・ソンジュ(韓国)、佐伯三貴、横峯さくら、李知姫(韓国)、そして5位の不動裕理にその権利が与えられた。 ところが、1日後の13日(月)に李が辞退を申し入れた。腰痛を抱える李にとっては、長時間の渡航は体力的にも厳しく、やむを得ず辞退することになった。そのため、ランキング6位の茂木宏美にその権利が回ることになる。 先週のサントリーで、単独2位以上に入れば自力で権利を掴める状況だったが「意識すると結果...
2011/06/18GDOEYE

2005年以来、6年ぶりの優勝を目指す表純子

国内女子ツアー「ニチレイレディス」の2日目、ベテランの表純子が4ストローク伸ばして通算4アンダーの5位タイに浮上してきた。2005年に2勝を果たした表だが、その後は優勝には縁がなく、07年にはシード権を失ってしまった。しかし、その07年もクオリファイで2位に入り08年はツアーにフル参戦し、昨年も賞金ランキング38位に入るなど安定した成績は残してきた。 今季はこれまで10試合全てに出場しているが、最高順位は「ヨネックスレディス」での17位タイだった。その表が2日間通算4アンダーの5位タイでラウンドしている影には、師匠岡本綾子の存在があった。 岡本は表を含め服部真夕や森田理香子、青山加織など若手選...
2011/06/17GDOEYE

4位タイの西山ゆかり「悪天候が好きになるかも」

国内女子ツアー「ニチレイレディス」の初日は、4アンダーの首位から2アンダーの4位タイまでに10人がひしめく混戦状態となっている。4位タイの中には、今季の「フジサンケイレディス」で5位タイに入った西山ゆかりも含まれている。 この日は生憎の雨模様となり、止みそうになりながらも、時折強く降る不安定な天候となった。10番からスタートした西山は、10番で1.5mの下りのバーディパットを決めると、15番ではピン横1mにつけてバーディ。17番パー3はティショットがバンカーに捕まりボギーを叩いたが、1番で再び下り4mを沈めて2アンダーとした。その後は8ホール全てパーで凌ぎ、首位と2打差の好スタートに繋げた。 ...
2011/06/19GDOEYE

ツアー14勝目の李知姫「東北の神が降りた!?」

国内女子ツアー「ニチレイレディス」を制した李知姫は、ホールアウト後に李にしては珍しく涙を流して優勝を喜んだ。「今日は朝から『絶対に優勝する』と心に決めていました」という李は、自分自身にプレッシャーをかけることで、朝から緊張していた。 2番、10番でボギーを叩いたが「ピンチの時にはキャディの渋谷さんに助けてもらいましたし、ボギーを叩いても絶対に優勝すると自分に言い聞かせてラウンドしていました」と、7つのバーディを積み重ね、通算12アンダーで優勝を果たした。 その李は、3月の東日本大震災後に自分も何か力になれればという気持ちから、バーディ基金を開始した。バーディを1つ奪うごとに10万円を寄付すると...
2011/06/09GDOEYE

4位の前田、古閑に代っての出場に「複雑な心境」

今週の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」初日に4位タイと好発進を見せた前田久仁子は、複雑な気持ちでスタートを迎えていた。 前田は今週の出場資格を持っておらず、欠場者が出た場合に出場できるウィティングの1番目。「最近は調子が良いから、出場できればラッキーだと思っていた」。朝6時30分にコース入りし、しばらく練習場で準備を整えていると、11時ごろに欠場選手の知らせが飛び込んでくる。だがそれは、日ごろから親交の深い古閑美保だった。 ロッカールームに足を運ぶと、古閑はめまいを訴えて横たわっていた。「起きられる状態じゃなかったし、可哀そうで・・・。友達に不幸があったわけだし、ラッキーという...
2011/06/08GDOEYE

今年の「全英」争いはどんなドラマが!?

今週の「サントリーレディスオープンゴルフトーナメント」を終えた時点で、賞金ランキング上位5名に与えられる「全英リコー女子オープン」への出場権。海外メジャーへの切符をかけた争いは、当然ながら選手たちの頭にも刻み込まれている。 現在、当落線上の賞金ランキング5位につけているのが李知姫。その李を、僅か約49万円差の同6位で追うのが北田瑠衣だ。今シーズンは未勝利ながら、2位が2回、トップ10入りが5回。「資格が獲れれば行きたいけど、そんなに意識しないようにしたいです。調子はずっと良いし、今週も上位でラウンドできて、その結果で上位5位に入れればベストですね」と北田。無欲を貫き、2年連続となる全英出場を狙...
2012/01/30GDOEYE

見劣りした? トーレパインズのフィールド

カリフォルニア州のトーレパインズGCで行われた米国男子ツアー第4戦「ファーマーズ・インシュランスオープン」はブラント・スネデカーがプレーオフの末、逆転優勝。ツアー2年目のカイル・スタンリーを破り半世紀に及ぶ歴史あるトーナメントを制した。 今週行われた2つの大会を前に、欧米のゴルフ界では、「アピアランス・フィー」、いわゆる名物選手を招致するための“出場給”の話題がひとつのトピックスとなった。発端、というか話が大きくなったのはタイガー・ウッズが過去6度の優勝(2008年の全米オープンは除く)をマークしている、このトーレパインズでの大会を欠場し、優勝争いを繰り広げた「アブダビHSBC選手権」の出場を...
2012/01/29GDOEYE

好きなアーティストは「少女時代」? J.ハーはツアー2戦目で逆転優勝のチャンス

カリフォルニア州のトーレパインズGCで行われている米国男子ツアー第4戦「ファーマーズ・インシュランスオープン」は3日目を終えてカイル・スタンリーが通算18アンダーで単独首位。2位に5打差をつけ、ツアー初勝利へ大きく前進した。 半世紀あまりの歴史を持つこの大会だが、1991年のジェイ・ドン・ブレイク以来、同大会でツアー初優勝をマークした選手はいない。また、54年にアマチュア優勝を果たしたジーン・リトラーを除けば、ツアールーキーがこのトーナメントを制したこともない。過去の例で言えば、それだけ「経験」が必要とされる一戦でもある。 しかし、スタンリーのみならず、6打差ながら4位タイに残っているツアール...
2012/01/28GDOEYE

FedEx Cup王者ビル・ハース パット好調の要因は・・・

昨年、FedEx Cupのタイトルを手にしたビル・ハース。カリフォルニア州のトーレパインズGCで開幕した「ファーマーズ・インシュランスオープン」で初日、9アンダーをマークして首位に1打差の3位タイでスタート。2日目は難度の高いサウスコースで1つ伸ばすにとどまったが、通算10アンダーの5位タイと好位置で予選ラウンドを終えた。 初日にノースコースでプレーしたハースは、同日、全選手中最多となる11バーディを奪取。その要因は流行中のベリーパター、いわゆる中尺パターのちょっとしたアレンジだったという。 ハースはハワイで行われた開幕2試合でベリーパターを使用していたが、調子が上がらず、前週の「ヒュマナチャ...
2012/01/16GDOEYE

無邪気な仕草はそのまま 久々のT.フジカワ

2007年の「ソニーオープンinハワイ」で、当時16歳で地元出身の校生アマチュアが決勝ラウンドで上位争いを演じ話題となった。ハワイ出身の日系アメリカ人、タッド・フジカワ。小柄な体をいっぱいに使った派手なリアクションと、子供のような無邪気な笑顔に愛くるしさを覚えたファンも多かったことだろう。その体格からは想像できない豪快なスイングと飛距離も魅力で、同年は国内ツアー「中日クラウンズ」にも推薦出場。当時は世界中から注目を浴び、人気の絶頂にいた。 同年7月にプロへと転向するが、時期が早すぎたのか実績を残せずツアー出場もままならない状態に。米国PAGの下部ツアーやミニツアーを転々とし、表舞台から遠ざかる...