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2020年 マスターズ
期間:11/12〜11/15 場所:オーガスタナショナルGC(ジョージア州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

狙いは隣のフェアウェイ? オーガスタ13番の新ルート

オーガスタナショナルGC 13番パー5 (510yd)

ゴルフの祭典と称される「マスターズ」が12日(木)に開幕します。コロナ禍にあって、11月開催もパトロン不在も大会史上初めてという異例の4日間。見慣れない秋のオーガスタとともに注目されるのが、9月の今季メジャー初戦「全米オープン」を自慢の飛距離で制圧したブライソン・デシャンボー選手のプレーでしょう。規格外のパワーが新たな攻略法を生み出すのか――。3つのホールをピックアップします。(解説・進藤大典)

“アーメンコーナー”の出口として知られる短いパー5の13番は、これまで大きく分けて2パターンの攻略ルートがありました。正面の松林に届かないよう3Wで軽いドローボールを打ち、220から230ydほどの距離を残して攻めるのがひとつ。

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もうひとつは、左サイドのクリークを恐れず、左へ曲がるコースなりに1Wショットを打って、アイアンショットでグリーンを狙うプランです。クリークに近いフェアウェイほど平らになっていて、セカンドショットを打ちやすいのがポイント。逃げれば逃げるほど、クリーク越えのショットをつま先上がりから打たされる。まさにハイリスクハイリターンです。

レイアップしての3打目勝負であれば、クリーク近くの右サイドに隣接する14番のフェアウェイと重なるエリアまで突っ込んでいけるか。そこまでいくと左足下がりのライでバックスピンの計算をする必要なく50から60ydほどのアプローチを打てますから、グリーンの傾斜に当てて止めるショットが可能になります。

クリークを怖がって80から90ydほどの距離を残してしまうと、寄せが難しい左にも奥にも外せず、畳一畳から二畳ほどのスペースを狙っていかなければいけないシチュエーションになりかねません。

デシャンボーのパワーをもってすれば、“第3のルート”として1Wショットで一気に14番のフェアウェイ近くまで運べる可能性もあります。13番のフェアウェイと両方使える分、100yd以上の幅に収めればいい。ショートカットに成功し、残り50から60ydというセカンドショットもあり得ます。

フェアウェイの幅が広がる9番や厄介な左のフェアウェイバンカーを越えられるかもしれない18番など、ミドルホールも含めてオーガスタにおける並外れた飛距離のメリットはかなり大きいといえます。「全米オープン」の圧勝を受け、ロリー・マキロイ(北アイルランド)の1Wショットにも明らかな変化が見て取れると話題です。「マスターズ」でも連勝を飾るようなら、さらに追随するトップ選手が出てきてもおかしくありません。

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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