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【WORLD】ディッキーの死と黒人選手の活躍の場

Golf World(2012年11月5日号)texted by Jamie Diaz

この問題を解決する糸口は、ショール・クリークやThe First Teeの前向きな取り組みにも関わらず黒人選手達を蚊帳の外に除外しているという現実を、上層部が共通して認識することだ。1970年代から80年代にかけて大会数は増えたものの、悲しいことに黒人選手が今まで辿ってきた道はキャディからのキャリア。それも今では黒人キャディの数も激減した。

ディッキーはそうした道を改め、黒人選手達も大学ゴルフを通じてキャリアを始められるよう希望した。しかし彼自身が理解していなかった点は、アフリカ系アメリカ人選手は小さい頃からのゴルフ経験、基礎技術の習得、そして許容の広い指導者に恵まれていないことだった。これらの問題の根本は、アメリカ国内のPGA登録者2万7000人の中に、黒人選手は91名しか登録されていないという驚愕の事実にある。加えてプロ活動に欠かすことの出来ないスポンサー費も少額しか支給されていない。

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ウィリー・トニー、そしてエリック・クラークはカリフォルニアの小さな町出身で、ディッキー奨学金を受け、黒人専用大学プレーリービューA&M大学に進学。トニーは1985年にカンファレンスチャンピオンシップで優勝。クラークは1987年に開催された第一回目の全米マイノリティ大学選手権で優勝した。しかし、それでも卒業後はミニツアーの壁を打破出来ず、2人はプロになる夢を断念した。今では両者共にAクラスのレッスンプロとして活躍。トニーはオリンピッククラブのトレーニングアシスタントとして、そしてクラークはThe First Teeの指導部ディレクターを務めている。「我々は出来る限りのことをしました」とクラーク。「しかし今振り返ってみると、色々と困難なことが多く、援助も少なかったと思います」と当時を振り返っている。

苦難を経験してきたクラークは、The First Teeで駆け出しながらもレベルの高い選手達を指導している。つい先日、クラークはペブルビーチで開催されたある大会中に見たシーンに驚愕したという。練習場でパワフルなショットを放った黒人選手のもとに、多くのプロが駆け寄り称賛。中にはアドバイスをするプロもいた。「このようなコンタクトが、その選手にとってどれだけ大きな助けになったことか」、「ゴルフを知り尽くした彼らプロからの助言こそ、アフリカ系アメリカ人ゴルファーが過去に受けられなかった支援なのです。そして、それこそ我々に必要なことなのです」とクラークは熱を入れて語った。

今後アフリカ系アメリカ人選手が増加するには、機構に対する意識的な訴え、ゴルフは白人のものという慣習を打ち破る特別な努力が必要になるだろう。だが、2020年までに黒人選手20名が世界のメジャーなツアーに出場するという目標は十分に達成可能な範囲のはず。もしくは適切な判断と呼べるのではないか。それこそ、ビル・ディッキーが遺した財産なのだから。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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